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http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100814/bks1008140755004-n1.htm
■戦後日本の負の側面描き出す
520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故から25年。当の日本航空(JAL)は経営再建へ大リストラの真っ最中にある。
2兆3千億円という巨額な負債を抱えてJALが会社更生法の適用を申請したのは今年1月。倒産ドキュメントあり、パイロットやCA(キャビンアテンダント)の告発本あり…と、刊行ラッシュが続いたJAL関連本の中で、6月末に出た本書は後発組。その分、会社の誕生から経営破綻(はたん)に至る半世紀を、400字詰め原稿用紙約600枚を使って詳細に書き起こしている。
硬派なノンフィクションとしては強気の初版3万部でスタート。「最近の動きだけでなく、JALの通史を正面から取り上げた本が意外になかった」(編集担当の大島加奈子さん)こともあり、反応は上々。すぐに2万部の増刷が決まった。
年収3千万円の機長ら高給社員は派閥抗争を繰り返し、経営陣は保身のために巨額の赤字を隠そうとする。そして度重なる運航トラブルと乗客のJAL離れ…。航空行政に詳しい著者は、過去のインタビューなどをもとに、半官半民の大企業が転落した理由を徐々に明らかにしていく。ただ、経営陣や政府の失態を声高に批判するだけではない。日本エアシステム(JAS)との統合をめぐっては、あまりメディアで報じられなかったグループ会社の中堅社員の自殺に紙数を割き、巨大組織内でもがく人間の悲哀も浮き上がらせている。
「大物族議員や官僚との癒着ぶりは、日本社会の負の遺産そのもの。JALという一企業の歴史を語った本だが、戦後日本の政治経済史としても読まれているのでは」と大島さん。読者の8割は男性で、中高年層が目立つという。崩壊の物語から、ビジネスマンがくみ取るべき教訓は少なくない。(幻冬舎・1470円)
海老沢類
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