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【アテネ】ギリシャは財政破たん回避のために支出を削減しているが、一つの分野では削減していない。それは国防部門だ。
その金融危機が世界の金融システムを混乱させた地中海の債務国ギリシャは、ドイツからの2隻の潜水艦購入に10億ユーロ(1122億円)以上を支払うことになって いる。同国はまた、フリゲート艦6隻、救難用ヘリコプター15機をフランスから購入して多額の支払いをする方針だ。同国はここ数年では、米国からF16戦闘機2ダース以上を15億ユーロ以上の費用で購入している。
武器の多くは、ギリシャ救済で最大の負担を受け入れ、身の丈にあった生活をしろとうるさく批判しているドイツから来ている。メルケル・ドイツ首相は、債務削減の「宿題」をするよう叱りつけている。
こうした取引はドイツやその他の債権国がギリシャの浪費でいかに利益を得ているか、またそのツケがどのように回ってきているかを示している。
1100万人の人口しかないギリシャは欧州で最大の武器輸入国で、世界では中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、韓国に次いで5番目の輸入国だ。対 GDP(国内総生産)比率で見た国防費は欧州連合(EU)でトップであり、軍事支出はギリシャの債務の膨張の一因となっている。
破たん寸前だった今年3月に発表されたドイツからの潜水艦購入は特に、ギリシャの軍事予算と供給に当たる外国企業にスポットライトを当てることとなった。この契約は10年前にドイツ企業との間で始まった複雑な取引を通じて計6隻の潜水艦を購入するというもの。
ギリシャの隣国で主要なライバルであるトルコのバギス欧州問題担当相はこの取引が発表された直後に、「ギリシャの困窮時に救済しようとしている国々も新し い武器を売りつけようとしている」とし、「ギリシャは新しい戦車もミサイルも潜水艦も戦闘機もいらない。トルコも必要としていない」と述べた。
トルコのエルドアン首相が5月にアテネを訪れた際、ギリシャのパンガロス副首相は、「不要な武器の購入を強いられた」と思うと述べるとともに、この契約は「国家的恥辱」だと感じていると語った。
他の欧州の当局者らは、独仏は金融支援参加の条件として武器売買をまとめたと批判している。両国はこれを否定。メルケル首相の広報担当者は、潜水艦取引はギリシャの債務危機が起こるずっと以前に調印された古い契約に基づくものだと説明した。
ギリシャの経済犯罪取り締まり当局は5月、過去10年間のすべての武器取引―合計約160億ユーロ―について、過度の支払いがなかったか、あるいは不要な購入がなかったかの調査を始めた。
ドイツの検察当局は、潜水艦取引で数百万ユーロの賄賂がギリシャ当局者に支払われたかどうか捜査している。5月には、問題の潜水艦の建造に関係した企業、フェロシュタール社の社長が捜査のさなかに辞任した。
ギリシャ海軍のステリオス・フェネコス中将が4月末に辞任した。フェネコス氏は、潜水艦購入など同国国防相の決定は「政治的動機」に基づくものだとし、これに抗議して辞任したと説明する。
同氏はリポーターとの最初のインタビューで、「給与や年金を減らしているときに潜水艦購入をどう説明すればいいのか」と述べた。ギリシャ政府は危機への対応の一環として、大方の年金を5%減らし、公的部門の賃金をこれ以上の率で削減することを打ち出したのだ。同氏は、ギリシャ海軍には潜水艦を追加購入する余裕などないとしている。海軍には現在8隻の潜水艦がある。
記者: Christopher Rhoads
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