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「はやぶさ」の技術引き継ぐママさん研究者は大阪府立大学工学部出身
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投稿者 虹の仙人 日時 2010 年 6 月 14 日 15:38:35: ZmDTMI6bcHXKo
 

府立大学出身者は実務に強い

はやぶさの贈り物:2010年宇宙の旅/4止 経験積み、帰還待つ若手研究者


「はやぶさで学んだことを後継機に生かしたい」と、実物大模型の前で語る森本睦子さん=相模原市のJAXA宇宙科学研究所で撮影◇「遺伝子引き継ぐ」
 今年2月2日、横浜市の病院で新しい命が誕生した。森本睦子さん(33)は長女誕生の喜びをかみしめながら、「はやぶさの帰還に立ち会える」と思った。出産が4日以降になると、4月からの保育園入園に間に合わず、復職できない可能性があった。

 森本さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)に在籍する任期付きの研究者だ。はやぶさの後継機を研究する。森本さんの研究人生は、いつもはやぶさとともにあった。

 「飛行機が飛ぶ理由を知りたい」と、大阪府立大工学部航空宇宙工学科に進学。大学では、探査機の運航に使う軌道計算の面白さのとりこになった。メーカーに就職したが宇宙をあきらめきれず、退職して大学院博士課程に入り直した。新しい拠点は、はやぶさを開発・運用する文部科学省宇宙科学研究所(宇宙研、現JAXA)。はやぶさが打ち上げられる1カ月前のことだった。

 博士論文の研究のかたわら、はやぶさの運用を手伝い、博士号取得後もかかわり続けた。どんなトラブルにもあきらめない先輩たちを間近に見て「人はここまでできるんだ」と教えられた。

 森本さんが取り組む後継機「はやぶさ2」は、はやぶさが往復したイトカワとは種類の違う小惑星で、新たな岩石採取技術に挑む。だが、プロジェクトに予算がつくかは不透明だ。来年度に開発を始めないと、目標の2014年打ち上げに間に合わず、次のチャンスは約10年も先になる。日本の宇宙開発予算は米国などに比べて少ないため、探査機の打ち上げ回数は限られる。「若手が経験を積む場がなくなってしまう」と焦る。

 出産後、森本さんはわずか2カ月で復職した。一日も早く復職して、はやぶさの帰還を見届けたかった。現在のポストの任期は今月末までだが、引き続き同じ場所で研究を続けるめども立った。「はやぶさは、多くの成功と多くの失敗を残した。その経験を生かして、はやぶさの『遺伝子』を引き継ぎたい」。はやぶさが地球に帰還する13日深夜、もちろん管制室で見守る予定だ。

 はやぶさは人類初の技術と知識、不屈の勇気を残した。小惑星のかけらが入っているかもしれないカプセルを最後の贈り物として届けた後、大気圏に突入して燃え尽きる。=おわり(この連載は、永山悦子と西川拓が担当しました)
 

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