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録音した音楽は、どうやっても生を超えることはできない。生の音楽に接する機会を、多く持ってもらいたいと思います。坂本龍一
http://www.asyura2.com/09/idletalk38/msg/516.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 5 月 09 日 16:50:02: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu215.htm
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録音した音楽は、どうやっても生を超えることはできない。だから、
生の音楽に接する機会を、多く持ってもらいたいと思います。坂本龍一

2010年5月9日 日曜日

◆坂本龍一氏に訊く、これからの音楽のかたちと価値とは 2009年9月1日 Phile-web
http://www.phileweb.com/interview/article/200908/31/25.html

◆今後の主流は音楽配信になっていく

「音楽配信という形態は今後も普及こそすれ、少なくなることはないと思います。今後は主流は音楽配信で、CDやレコードはコレクターズアイテムみたいな位置付けになっていくんじゃないでしょうか」と語る坂本氏。

「レコードからCDに主流が移り変わったとき、レコードは趣味的なものとして残りました。今度はCDのシェアがシュリンクして配信が主流になってきている。配信が主流になっても、CDもレコードも完全にはなくならないでしょう。携帯電話だけで聴く人もいればPCを使って聴く人もいる、レコードやCDを変わらず愛する人もいる…というように、チャネルの多様化が起こっていると感じています」。

ー3月に発売された、坂本氏5年振りとなるアルバム「out of noise」は、アナログレコード(2枚組)、CD(パッケージレス/フルアートワークパッケージ)、ダウンロード(48kHz/24bitのAIFFファイル、320kbpsのMP3)という五つの形態でリリースされた。これは前述のように多様化するチャネルに合わせた結果だという。

「僕自身も住み分けをしているんですよ。とりあえず気になるものは配信で聴いて、いいなと思ったものはCDで買う。そしてすごく愛着のあるものは、レコードで買いたいなと思う。それは、レコードは手でさわれる『モノ』としての愛着とか、ジャケットに描かれたアートワークの価値が大きいから。オーディオ的にも、アナログですから論理的にはリミットレスの情報を記録できるわけでしょう。メディアとしての可能性という点でも面白いですよね。CDは、モノとしての魅力はレコードより少ないけれど、コンパクトだから置いておきやすいとか、CD時代になってからの音源しかないとかの理由で少しは残っていくのかなと」。

◆作り手の思いは「なるべくいい音で聴いて欲しい」

ー「out of noise」の配信版には、“320kbpsのMP3”に加え、より高音質な“48kHz/24bitのAIFFファイル”が用意されている。これは作り手としての「なるべくいい音で聴いて欲しい」という思いが根底にあるという。

「この間のツアー公演(※)を配信したものは、いろいろな都合があってMP3の128kbpsだったのですが、音質的には非常に不満でね。でもMP3でも320kbpsくらいであれば、ほとんどの人が劣化を感じずに聴けると思います。生で鳴っている音って、データにしようと思ったらきっと相当な重さになりますね。でも作り手としてはやっぱり、ライブの音になるべく近いものを聴いてもらいたいんです」。

「圧縮コーデックはMP3以外にもどんどん改善されていくでしょうね。そもそもMP3も、インターネット初期になるべく軽く情報を詰め込めるという、飽くまで過渡的なものだと思うので」。

(※註)3月18日から4月29日まで開催されたツアー「Ryuichi Sakamoto Playing the Piano 2009」で、全24公演を終演後最短24時間でiTunes Storeにて配信するという試みを行った。

ーただ一方で、音楽の価値は高音質だけにあるのではないとも語る。

「武満徹さんの話ですけど、戦争中に空襲に遭って防空壕に逃げ込んだら、居合わせた将校が、蓄音機でシャンソンをかけた。もちろんノイズがいっぱいだったんだろうけれど、その時もの凄く感動して、彼のその後の音楽活動の原点の一つになったんだそうです。だから、“音のS/N”と“音楽のS/N”って全然違うんです。MP3の128kbpsでギザギザの音でも、心を大きく揺さぶることはできる。必ずしも『高音質=音楽性が高い』というわけではないんですね」。

デジタル音楽時代になって考えさせられた「音楽の価値」
ー いま音楽は、再び「ライブ」へ

「従来の音楽ビジネスは世界的に下降線を辿っていますが、音楽の消費や需要は増えています。けれど、音楽はどんどんタダ化が進んで、プライスがゼロに近づいてきています」。

「メディアという点から見ても、この100年くらいでコンテンツはどんどんゼロに近づいているんです。例えば『第九』。最初のSPは10数枚組くらいかな、もっとかな。ところがCDだと1枚に収められる。それで今度は音楽配信になると、メディアレスのデータのみになる。どんどん小さくなって、見えなくなる」。

「それで、10数枚組のレコードとデータを比べて『第九の本当の値段って、いくらなの?』って言ったとき、誰も答えられないでしょう? つまり、これまで音楽を買っているつもりで払っていた値段が、実は製造や運搬というパッケージのコストだったことが、インターネットの登場で露わになったんですね」。

− メディアのかたちが小さくなっていくについて、リスナーにとっての音楽の価値や存在感も小さくなってしまっているのではないでしょうか、と問いかけると、坂本氏は「そういう面もあるかも知れません」とうなずく。

「聞いた話なんですが、今の若い子は携帯電話で音楽を聴くけれど、機種を変更するときに、それまでダウンロードした音楽を一緒に捨ててしまうそうですね。機種間でデータを移行できないということもあるのでしょうが、捨ててしまってそれを顧みないのが習慣になってしまっているのかも知れません。作る側もそういう風潮に合わせるから、どんどん安っぽい音楽が増えていく傾向もありますしね」。

「けれど、もともと音楽って何万年もの間、かたちのない『ライブ』だったんです。メディアを再生して音楽を聴くというスタイルは、レコード誕生以後の約100年くらいの歴史しかないんですね。メディアがなく録音もできない時代、音楽は100%ライブだった。音楽が目に見えない、触れられないデータ化されたものになっている今、もう一度音楽のおおもとのかたち − ライブへの欲求が強くなっている。これはすごく面白いことだなと思っています。なにか必然的な理由があるような気がしてね」。

「たとえばいま携帯電話で音楽を聴いている子供たちにも、もっと生を聴く機会ができればいいと思います。シャカシャカした携帯電話の音楽と、ライブで聴く生音は全く別のものだって、1回聴けば分かりますよ。録音した音楽は、どうやっても生を超えることはできない。だから、生の音楽に接する機会を、多く持ってもらいたいと思います」。


(私のコメント)
昨日の続きのようになりますが、ネット化社会になると音楽の流通革命が起きてネット配信が主流になって、CDは無くならないけれども市場は小さくなっていくだろう。確かに録音された音楽を聴くのは100年ほどの歴史しかない。それまでは音楽は生で聴くものであり、レコードやCDで聴く歴史は数十年しかない。

ところが音楽業界といえばレコード業界と同一の意味になり、レコードの売上げによって市場規模は拡大していった。レコードで100万枚以上も売れた曲も毎年のように出た頃もある。100万枚売れれば数億円の売上げになるからほとんどライブ活動をしない歌手もレコード売上げで稼ぐ事ができた。

坂本龍一氏が言うように今では音楽配信が主流になってCDの売上げはトップレベルでも2,30万枚がやっとだろう。音楽業界は一足早くネット配信の世界になって来ましたが、書籍などの出版物も電子書籍の普及でネット配信で本を買うようになるだろう。

出版物も音楽と同じように坂本氏が言うように「音楽を買っているつもりで払っていた値段が、実は製造や運搬というパッケージのコストだった」のであり、作曲家や演奏家に渡るのはごく一部に過ぎない。書籍も同じであり製造や流通コストがほとんどなのだ。だからネットで中抜きが出来てしまうと製造や流通業者が要らなくなってしまう。

だから最近は歌手や演奏家はテレビなどにはあまり出ないようになりライブ活動が主流になってきた。もっぱら出るのは歌の下手なアイドル歌手でありデビューしたばかりの新人歌手になる。CDやレコードを買う層は10代20代の若い人たちだったのですが、いまではiPodでネットでダウンロードして聞いている。

テレビでも音楽番組は少なくなり今何が流行っているのかも分からない。歌手の名前も知らない歌手が増えてきて、売れてくるとライブ主体になっているようだ。紅白歌合戦にしても知っている歌手が半分くらいになり、聞いたこともない歌もある。音楽産業は冬の時代になっていようですが、一流歌手などはライブで稼いでいる。

最近の新人歌手などはユーチューブなどの動画サイトで売り出す歌手も出てきていますが、街頭でのライブ活動もよく見かける。音楽芸能プロダクションが金をかけて売り出す事も難しくなり、テレビのコマーシャルソングが国民的なヒットになったりするしかない。私はiPodで音楽を聴く習慣はないが、イアホンで聴く音楽は音楽と言えるのだろうか?

ゴールデンウィーク中はパソコンを改造してキャプチャーボードなどを取り付けて自作のHDDレコーダーを作ってみましたが、昔は高価なステレオアンプを買ったりスピーカーボックスを自作したりして音楽を聴いていた。だからとてもイアホンで音楽を聴く気にはなりませんが、秋葉原でもオーディオマニア向けの店が少なくなりました。

パソコンで音楽を聴くのも抵抗があるのですが、MP3で音楽を聴いても楽しいのだろうか? オーディオマニアからすればMP3の音は情報量が少なく坂本龍一でなくとも不満が出る。テレビで音楽を楽しむにしてもハイビジョンテレビのスピーカーも貧弱であり私はオンキョウのアンプとフォスターのスピーカーで聴いている。

いずれはネット配信でも音楽の音質は良くなるのでしょうが、今の段階はユーチューブの動画とハイビジョンテレビの動画を比べるようなものだ。問題なのはメディアがレコードからCDに変わりさらにiPodなどのプレーヤーに変わるごとに前のメディア再生できなくなる事だ。動画などもVHSカセットが再生できなくなり、仕方がないのでパソコンとキャプチャーボードでHDDに変換しようと思っています。

HDDならDVDの音楽ライブなども大量に録画できるし、ディスクをいちいちセットしないでリモコン一つで再生が出来る。しかしDVDレコーダーも壊れてしまうと録画したものも見れなくなるので、コピーガードを取り除いて録画しなおさないと他のプレーヤーで再生が出来ない。DVDやブルーレイなどのディスクに保存したら数百枚になってしまうから置いて置く場所が無い。

特に地デジやハイビジョン放送のコピーガードを取り除く録画方法をパソコンで作ったのですが、日本ではBCASカードやCDCPなどのコピーガードのかかった放送で不便しているのですが、いずれも既成業者を守る為にそうしているのでしょうが、メディアが変わるたびに買い換えろという事なのでしょう。

音楽は携帯電話でダウンロードして聴くものではなくライブで聴くのが一番いい。それが出来なければ高画質高音質で録画したHDDでハイビジョンと本格的なステレオアンプで再生して聴くべきものだろう。iPodでイアホンで聴いていたら耳が悪くなるだけだ。年末から年始にかけてビリー・ジョエルやスティビー・ワンダーやバーブラ・ストレイサンドやバリー・マニローなどのハイビジョン放送を録画して視聴いていますが、いずれも70年代のトップスターたちだ。

彼らが現役でライブが出来るのが奇跡ですがいずれも還暦が過ぎた歌手たちだ。若い歌手たちは何をしているのだろうか? 日本でも昨日のミュージックフェアで松田聖子が出ていましたが、80年代のアイドルがまだ現役でいるのは、若手の歌手は実力もなく才能も無いルックスだけのアイドルが多い。だからMP3の粗末なiPodの音でも間に合うのだろう。

全ての音楽をライブで聴く事は不可能だ。だから出来るだけ高画質で高音質な再生機器で楽しむべきなのでしょうが、高級ステレオアンプと高級スピーカーで聴いている若い人はどれだけいるのだろうか? 若手の歌手が伸び悩んでいるのは粗末な音楽再生環境が影響しているのではないだろうか? パヒュームなどはエフェクトをかけた声ですがあれは歌ではなく声を楽器のように変化させている。だから口パクでもどうでもいいのだ。

いずれはiPodなどデジタルミュージックプレーヤーの音も良くなって行くのでしょうが、イアホンでは限界がある。アナログのステレオで鍛えてきた耳で聴くとデジタルの音は深みが無い。パソコンで再生されるMP3は250円の牛丼や90円のハンバーガーみたいなものだろう。腹が減っていればおいしいのでしょうが料理ではない。若い人の味覚も聴覚も劣化の一途をたどっています。


 

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コメント
 
01. 2010年5月12日 00:17:02: 7MYtH07DVM
あまり音にこだわらない私のような人間にとっては再生された音が何から出ようが、それなりに聞ければ特に不満は感じません。
ケータイでライブの音を期待するほうが間違っているような気がします。
ライブも純粋なアコースティック以外は結局PA通した音なわけで、ライブで一番の感動は音というより結局は雰囲気のようにも思えます。
音楽が好きだったら、楽器をいじってみるのがライブを感じる一番の方法ではないでしょうか。
作るほうも金になるからではなく、伝えたいから、というきもちであってほしいものです。そもそもこんなに溢れるほどの音楽が必要でしょうか?

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