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[格差社会の中心で友愛を叫ぶ]“勝ち組”の足元にも死の落とし穴!? 自殺大国ニッポンで男たちが死に急ぐワケ http://www.asyura2.com/09/idletalk38/msg/472.html
http://diamond.jp/articles/-/7639 【君死にたもう事なかれ】 -------------------------------------------------------------------------- 以下転載 約16分にひとり。 今、日本ではこんなハイペースで自殺が起きている。平成20年中における自殺者の総数は3万2249人。1日あたりおよそ90人だ。 毎年、自殺者がもっとも増える3月は「自殺対策強化月間」。今年は「お父さん眠れてる?」と書かれたポスターを駅などに貼るほか、テレビCMも放映するなど、国を挙げての取り組みが行われている。 ところで、キャッチフレーズが“お父さん”と呼びかけているのには、ワケがある。 自殺者のうち70.8%を占めるのは男性。2万2831人と圧倒的に女性を上回っている。自殺は日本人の死因の6位だが、20〜44歳の男性においては第1位だ。 いったいなぜ今、男性たちは死に急ごうとするのか。現場に話を聞いてみた。 現場から届く 新宿・歌舞伎町。クラブやホストバーのイルミネーションが乱立する表通りを抜け、大久保公園の裏通りをすこし歩くと、小さなカフェがある。 だが、よく見れば看板には「駆け込み寺」の文字。じつはここは、コミュニティカフェを併設する「NPO法人新宿救護センター」の事務所なのだ。 新宿救護センターで電話相談活動にあたるのは、真宗大谷派の僧侶、中下大樹さん。いじめやDV、その他さまざまな心の悩みを聞く。 一方で、超宗派の僧侶・寺院のネットワーク「寺ネット・サンガ」や「葬送支援ネットワーク」の代表も務める。葬送支援ネットワークでは、生活困窮者や身寄りのない人々の葬儀や法要、遺骨の預かりなどの相談に対応。 おかげで中下さんの携帯電話はいつも鳴りっぱなしだ。朝10時から明け方6時頃まで、眠る暇もないほどの活躍ぶりである。 「遺族の電話で自殺現場に急行することも多いですよ。昨年だけで約80件の自殺者の葬儀に立ち会っています。今年も2月に8件、3月に入ってから4件あった。このところ、週1、2回くらいのペースですよ」 さらに、昨年の電話相談約5000件のうち100件は“自殺”について内容だった。多くはその現場からで、「夫が首を吊って死んでいる、どうしたらいいでしょうか」といったもの。 「もう、待ったなしの状況です」と中下さん。
事態の異常さは、鉄道の人身事故の多さからもうかがえる。 国土交通省によれば、2008年度における首都圏1都3県の「輸送障害」679件のうち、自殺は307件。45%を占めている。 「先日も50代の男性がホームから飛び降り、亡くなってしまったんです。しばらく前にリストラされており、なんとか仕事を見つけようと連日ハローワークを訪ねていたそうです。だが、なかなか職はない。そのうち貯金も尽き、一家は離散してしまいました。 それでも、男性は仕事を探し続けた。現場に残っていたカバンからは1000円札1枚がはいった財布、そして履歴書が出てきました。元奥様は『仕事さえ見つかっていれば…』と絶句していましたよ」(中下さん) 生活保護という選択肢もあったはずだが、男性はそうしなかった。『仕事ができなければ死んだ方がまし』と思いつめた可能性もある。 ハローワークが実施する「心の健康相談」を利用した失業者のうち、1ヵ月以内に「死にたいと思ったことがあった」と回答した人は78%、「実際に自殺をしようとしたことがあった」と回答した人は22%に上っている。 男性にとって、仕事とは人生のプライドそのものなのだろう。だが、折からの不況とリーマンショックで、そのプライドをズタズタにされる人が後を絶たない。
妻や恋人に対し、ことさら虚勢を張ってしまう人もいる。佐藤将さん(仮名・40代)の場合もそうだった。 「いっそ死のう。このまま自己破産するくらいなら……」 深夜の駅ホームに立ちつくす彼の目は血走り、表情は憔悴しきっていた。 リストラに遭ったのはかれこれ2年近くも前のこと。だが、妻も息子も全くそのことを知らなかった。毎朝、それまでと同じようにスーツを着て、家を出ていたからだ。 じつはその足でハローワークに行き、知人の会社を回ったりしていた。仕事を紹介してもらうためだ。だが、50歳に近い彼を雇ってくれるような会社はどこにもない。 あいにく就職直後にリストラされたため退職金と呼べるほどの額は出なかった。しかたなくサラ金でカネを借りては、妻に生活費を渡す。私立中学に通う長男の学費も借金で賄った。返済期日が迫れば、別のサラ金からカネを借りる。いつしか多重債務者になっていた。 自己破産すればラクになることはわかっているが、妻に真実を打ち明けるのは怖かった。といって、何も知らない家族の顔を見ているのはいたたまれない―― 借金があることをカミングアウトできず、ますます多額な負債を背負ってしまうケースが増えている。 新宿本部以外に全国7支部を展開する「弁護士法人岡林法律事務所」代表 岡林俊夫さんのもとには、多重債務を抱える男性が連日のように訪れるが、やはり自己破産を渋る人が多いそうだ。 「自己破産することで債務はゼロになるのですから、本当は躊躇(ちゅうちょ)する必要はないのです。しかし、たいていの方が『家族に迷惑がかかる』『そんなことをするくらいなら、死んだ方がいい』などと言われる。亡くなってしまったら、ご遺族にはさらに大きな負担がのしかかることになるのですが」 男性の借金から離婚、離別につながるケースは多い。彼らが“男のプライド”にこだわる背景には、妻に「みっともないオレ」を見せたくない、という強い思いがあるようだ。
社会からはじき出されることへの恐怖もまた、男性を脅かしている。女性には結婚や家事手伝いという別の道もあるが、男性は違う。彼らの前途にあるのは、「定年までひたすら働き続ける」という一本道だけだ。 前出の中下さんは言う。 「今の日本は、熾烈な“椅子取りゲーム”が行われている状態だと思うんです。正社員の椅子、高収入の椅子を全員が必死で奪い合っている。当然、座れない人もいます。座ったものの転げ落ちる人も多い。 ところが日本の男性というのは、椅子に座れないと自分を否定し、社会から脱落してしまった、と感じるようですね。かろうじて椅子を奪った人は座れなかった人を見下し、叩きますから余計でしょう」 椅子を逃したまま立ち尽くしているのが「就職氷河期世代」。ニートやフリーター、非正規雇用者が多く、心の闇を抱える人々が多い。「全国いのちの電話」の統計によれば、2009年度、自殺に関する相談がもっとも多かったのは30代。約1万7000件に上った。 「うまく体が動かない。倦怠感というんですか、足がだるくて言うことを聞かないんです。歯茎も腫れて痛むし、これはちょっとおかしいぞ、と思った」 加藤洋平さん(仮名・29歳)が体に異変を感じたのは、契約社員として働いていたリゾート地でのこと。 専門学校を卒業後、就職したものの、待っていたのは実働1日15時間という長時間労働。新人研修もろくに受けないまま、飛び込み営業とサービスをかけもちで担当させられ、ミスがあれば叱り飛ばされる。まさにブラック企業の典型だった。ちなみに給与は月に手取り16万円ほどしかなかったという。 やがて、心身に異変が起き始める。倦怠感が募るばかりではない。気づけば、髪がほとんど抜け落ちていた。ほうほうの体で実家に戻ったが、どうにも気力が出ない。就職活動もできず、週に何日かアルバイトするのがせいぜいだった。 だが、正規の職に就かない息子を親はどう受け止めていいかわからなかったようだ。親子仲は日増しに悪くなり、加藤さんはいたたまれなくなってしまった。 「『人並みに頑張れば人並みの幸せが得られるはず』と親は信じていた。無理もないです。彼らが若かった時代は、それが常識だったんですから」 正社員が大量採用され育成された親たち世代とは違う。自分たちは使い捨てられていくだけの世代なんだ――そう感じずにはいられない。 とはいえ、このままフリーター生活を続けていれば、いつか生活が破綻することは目に見えている。毎晩、不安と恐ろしさで眠りにつけず、うとうとすれば寝汗でシーツがぐっしょり濡れた。 そんなある夜、台所からひそかに包丁を持ち出した。 「腹を割いて死のうと思ったんです。だけど、実際に刃を突き立ててみると、『この方法で死ぬのはかなり難しいぞ』と感じました」 今の自分」を受け入れる 未遂とはいえ、失敗して後遺症を引きずってしまう人も少なくない。再度自殺を試みる人も多いという。 だが、加藤さんはこの失敗を機に変わった。 「あらためてわかったんですよ、オレはほんとうに最低の人間だ、と。それなら、今の最低の自分を受け入れることからスタートしてみよう、と思い直した。 もともと自分の夢はひとりで世界中を旅することだった。じゃあ、その夢のために、もっと安定した、使い捨てられない仕事を必死で探したらいいじゃないか、と考えたんです。それまでは、親の言うまま学校を卒業すれば自動的に仕事にありつけるものとどこかで思ってた。でも、そうじゃない。自分の頭で考え戦略を立て、行動しないと職は得られない。それでダメなら死のう、と腹をくくった上での再出発でした」 その後、週末のアルバイトを続けながらも、平日は職業訓練所に通った。早朝や通勤時間に参考書にかじりついて勉強を続け、かなり難易度の高い資格の取得に成功した。現在はビル管理会社で正社員として働いている。
自殺未遂事件は人生の大きな転機になった。どん底に落ちて初めて、“今の自分”を受け入れられたからだ、と加藤さんは言う。死に触れることで、人は変わるのかもしれない。 だが、中には死の淵から戻ってこられない男性たちも大勢いる。 NPO法人自殺対策支援センターライフリンクの「自殺実態100人調査」によれば、自殺の原因はひとつではなく、社会的な要因や経済的要因などが複雑にからみあっている。 問題は多くのケースに“うつ”が影響していることだ。 すでに知られているように、うつは心が弱い人がかかるわけではなく、どんな人も発症リスクを抱えている。バリバリと仕事を進める有能なタイプや、コミュニケーション能力が優れている人も危険度は高い。 筆者は過去約10年間にわたり多数のうつ体験者を取材してきたが、その中の相当数は大企業社員だった。しかも、若くして重要なポストに抜擢されるようなエリートたちだ。早めの治療で回復した人も多かったが、休職が長引き、転職、退職を繰り返した揚句、失業した人もいる。 「仕事と家族の問題がきっかけでうつを発症するなど、負のスパイラルに巻き込まれる。これは一部の人々の問題ではありません。落とし穴は誰の足元にもあるんですよ」(中下さん) うつになると、正常な理性が働かなくなり、「もう死ぬしかない」「生きているのが申し訳ない」などと思いこんでしまう。その場合、自力で生還するのは難しい。 ちなみに、一生のうちにうつにかかる確率「生涯有病率」は、女性が10〜25%と男性の5〜12%を上回る。だが深刻化し、命を落とすケースは男性のほうが圧倒的に多い。
急増する男性の自殺を食い止める方法はあるのだろうか。 ポスターやコマーシャルだけでは不十分だ。やはり、身近な人の助けが不可欠なのである。 「周囲に迷惑がかかるとか、家族が悲しむ、なんていうことは、死のうとしている人にとっては百も承知です。それでも死ぬしかない、と思いこんでしまう。だからこそ、誰かが助けの手をさしのべないといけない。 なぜって自殺とは次の世代に何も伝えられない、つなぐことができない死だからです。悲惨な死だからです。 私は何百とそういった遺体を見ましたけど、それはひどいものですよ。腐乱死体もあった。轢死なんかもう最悪です。お葬儀なんてとてもじゃないけどできないんですよ。直葬――焼いてしまうしか手がない。そう言えば言葉はいいけど、つまり死体処理です」 僧侶という立場柄、人の死の持つ意味について、中下さんはつねに考え続けてきた。 「僕が死の意味を痛感したのは、以前、勤務していたホスピス(終末期医療)で80代のおばあちゃんの臨終に立ち会ったときです。 おばあちゃんは苦しい息の下から、よわよわしい声を精いっぱい絞り出すようにして僕に言ってくれたんですよ。『人の、痛みが、わかる、人間に、なり、なさい……』と。 それきり亡くなりましたが、僕は『今、たしかにバトンタッチされた』と感じました。重かった。一生かけて重ねてきた体験、つむいだ思いがその言葉にこもっていたんです」 具体的にどう動けばいいのか。 中下さんは、顔色が悪かったり、食欲が落ちていたり、あるいは睡眠不足の様子が見られたら、声をかけて話を聞いてあげてほしい、とアドバイスする。しつこく事情を聞きだすのではなく、オープンな姿勢で「よかったらいつでも相談に乗るよ」とアピールすることが大切だ。 また、「ライフリンクDB 生きる支援の総合検索サイト」では、いろいろな専門家による相談窓口を検索することができる。状況に応じて紹介するといいだろう。 自分自身が不眠に悩んでいるようなら、思い切って仕事を休もう。緊張をほぐし、1日でも2日でものんびりと過ごしてはどうだろうか。2週間不眠(朝の目覚めがすっきりしない状態)が続いていたら、躊躇(ちゅうちょ)せず精神科や心療内科、睡眠外来へ。一時的に薬の力を借り、心の体力をしっかり回復させよう。 まだまだ冷たい風が肌を刺す3月。ここを乗り越えれば、桜の季節はもうすぐだ。
葬送支援ネットワーク 048-855-7949 ※岡林法律事務所では、3月19日・23日・24日の午後9:00〜午後11:00、無料の自殺対策ホットラインを開設します。労働問題や金銭問題、人間関係などで自殺を考えている人、自殺させたくないと願う人を対象に、匿名で電話相談を受け付けます。
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