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[格差社会の中心で友愛を叫ぶ]ついにネットカフェからも締め出される!? この夏ワーキングプアが“住居”を失うワケ http://www.asyura2.com/09/idletalk38/msg/471.html
http://diamond.jp/articles/-/7913 牧村しのぶさんが以前書いていたが、受付はアルバイトだろ個人情報漏洩不安てんこ盛りだし・・・石原慎太郎や公務員に任せるとこうなる見本だね、教会も同じ穴の狢。 ---------------------------------------------------------------------------- 以下転載 ネットカフェで寝泊まりしている人々は、この夏からどこで夜を過ごせばいいのだろう。 3月30日、東京都は「インターネット端末利用営業の規則に関する条例」を可決した。これにより、業者は利用客の本人確認とその記録などの作成・保存が義務づけられることとなる。施行は7月1日から。 議論の発端となったのは、2006年に警察庁が開催した「総合セキュリティ対策会議」だ。 この会議の報告によれば、2005年中に警察が認知した不正アクセス行為592件のうち、未検挙の事件は277件。そのうち139件がネットカフェ利用者によるものだった。このため「ネットカフェ利用者の“匿名性”が犯罪捜査の障壁になっている」と問題視された。 とくに注目されたのは、ネットオークション詐欺や、スパイウェアで入手した秘密情報による不正アクセス行為や詐欺。また、ネットカフェからネット掲示板に自殺予告が書き込まれた事案でも、どの利用者が書いたかわからず、保護できなかった、という。 とはいえ警視庁の報告書によると、ネットカフェでの犯罪の8割以上が置き引きなどだったことから、一部の利用者の間では「単にロッカーを設置すれば解決するのでは」といった声も上がっている。 最大の問題は「利用客の本人確認」にあたり、運転免許証など身分証明書が必要になることだ。というのもネットカフェを常宿とする人には、運転免許証や社員証はおろか、健康保険証すら所持していない人が多いからである。 現在、公安委員会で本人確認の方法についての細則を検討中だが、まかり間違えば都内のネットカフェから締め出しを食う人々が大量に溢れるかもしれない――。
そもそも、住居がないためにネットカフェを寝ぐらとしている人は、どのくらいいるのか。 厚生労働省が2007年8月におこなった調査の推計によれば、全国でおよそ5400人。ただし、NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの理事、稲葉剛さんは次のように話す。 「調査はおもに昼間おこなわれたようですが、その時間帯はみんな日雇い仕事や就職探しのため、外出していることが多い。ネットカフェにはあまり残っていないのでは」 また、調査時から3年たった今ではさらに人数が増えているはずだ。 もやいの相談窓口に、こうした人々からSOSが寄せられるようになったのは2003年の夏頃からという。2005年あたりからどっと数が増え、以後は増加の一途だ。
そんなところに行くより、実家に戻ればいいじゃないかと思うかもしれません。しかし、そうはいかない人たちが急増しているんですよ」 つい最近まで、彼らのほとんどは、実家に頼れない特殊な事情を抱える人々だった。児童養護施設の出身者や、親も生活保護を受けており、経済的に余裕がない、というケースが圧倒的だったのだ。 ところが昨年夏くらいから様子が変わってきた、と稲葉さん。 「失職して実家に戻った人たちが東京に出戻ってきて、ネットカフェで暮らしている。聞けば『家に帰ったはいいが、親との軋轢(あつれき)が高まり、どうにも居づらくなった』という。刺すか刺されるか、というところまで親子関係が悪化してしまう例も少なくありません。 彼らの実家は母子家庭や貧困家庭ではない。ごくふつうの家庭です。父親は大量雇用時代に就職し、年功序列の世界で生きてきた。それだけに働かない子どもを理解できないのでしょう。働かないのではなく、働けないだけなのですが。地方の場合、都会より就職が厳しいのでなおさらです。また、親が年金生活に入っている場合は、経済的、精神的にもゆとりがなくなっているので一層、関係に亀裂が入りやすい」 増産されていく“貧困第一世代”。故郷を失い、仕事も住居も失った人々が、都会のネットカフェに集まっている。 「都市全体が“寄せ場化”している、といえますね。寄せ場というのは日雇い労働者が住む町のこと。東京の山谷や大阪の釜ヶ崎などが有名です。そこにいれば、手配師と呼ばれる斡旋業者がやってきて、土木工事などの日雇い仕事を紹介してくれる。だが近年は、携帯で派遣会社と連絡を取り合う“ワンコールワーカー”が増えた。散り散りになっているだけに、問題が目に見えづらいんです」
では、業者側は今回の条例をどう受け止めているのか。業界団体である日本複合カフェ協会若松修さんに聞いた。 「一時“ネットカフェ難民”という言葉が広まったおかげで、業界のイメージが損なわれ、少なからず風評被害を受けた。そもそも、とことん追い詰められた人たちは一晩1400円前後の料金も支払えないのでは」 同氏はまずそう前置きしながらも、次のように話してくれた。 「もともと日本複合カフェ協会では、店舗運営ガイドラインとして、会員制度の採用を義務付けています。これはあくまで安全を踏まえてのこと。お客様に安心して利用していただくためには、最低限の本人確認は必要ではないでしょうか」 同協会では利用者を入会させる際、運転免許証、健康保険証、学生証や外国人登録証、パスポートなど公的な身分証明書により本人確認を行うものとし、「少なくとも住所、氏名、年齢、性別、連絡先・電話番号の5つの情報を取得しなければならない」としている。 ただし、こうした入会続きを敬遠したい店舗があるのも事実だ。実際、会員制を義務付けて以来、同協会の加盟店舗数は激減している。2009年6月には全国に2845店舗あったが、今年3月には1143店舗にまで減ってしまった。 「手続きを面倒がる利用者が離れてしまう」「ポスレジ(販売実績情報管理システム)の導入費用がかかる」といった理由が多いらしいが、中には、常宿者をメインターゲットにしているため、あえて会員制を取らない店もあるにちがいない。 「入り口で“面倒な会員制システムはとっていません”“フリーパスで利用できます”と謳っている店もあります。しかし業界健全化のためには会員制導入は不可欠。格安のポスシステムを紹介するなどして、なんとか導入店舗を広げたい」 だが、仕事を失った人にとってパソコンで閲覧できるインターネット情報は貴重だ。携帯のようにしょっちゅうバッテリー残量を気にする必要もない。その意味でネットカフェは単にねぐらというだけでなく、社会との大切な接点といえる。 会員制を導入すれば入店できない人々が情報社会から遮断され、ますます転落していくのでは、という問いかけに対し、若松さんは 「彼らを排除してしまうのは、協会としても不本意なんです。 もやいでは、『ハローワーク登録カードや、福祉事務所や自治体、NPOなどが発行する特別な本人確認証も身分証として認めてほしい』と訴えているそうですが、まったく異論はないですね。自活の道をめざして頑張っている人には、例外的な運用指針を作るなどし、きめ細かな対応で、応援すべきだと考えています」と答える。 ほかにも、もやいでは「インタ―ネット端末のないオープン席などを利用する場合は、本人確認を不要にしてほしい」と要請しているが、これについても、「あくまで抜け道にならないよう配慮しつつ、柔軟に対応できれば」とのこと。 「むしろ、これからのネットカフェは社会インフラとしての機能を強化していくべき。単なる暇つぶしの場所から脱皮を図らなければ生き残れないのも現実です」と若松さん。 急成長を遂げてきたネットカフェ業界だが、ここ数年は頭打ち状態。市場規模は2007年をピークに減少に転じ、昨年は2242億円で、前年比98.9%と微減している。 「たとえば、近い将来、24時間ハローワークなどのサービスもネットカフェで展開できれば。人の役に立つ新しいビジネスにチャレンジしていかないと、商売としても面白くないんですよ」(若松さん) 住処のない人々と だが、きめ細かな運用をもってしても、入店できなくなる利用者は出てくることだろう。こうした人々の受け皿がないまま条例が施行されれば、ファミレスやファーストフードで夜を明かす人が増える。そこもいづらくなれば、今度は路上に出ざるを得ない。 いちおう、東京都では2008年度より住居を失った人を対象に住宅資金や生活資金を融資している。東京の場合は総額で、最大60万円だ。この事業に寄せられる期待は熱く、当初1年間の問い合わせは3498件にものぼったという。 「しかし融資には審査があり、東京都に6ヵ月以上滞在していない人ははじかれてしまう。また一定の収入を満たしていなければならない。結局、同年度、住宅資金の貸付を受けられた人は177件にとどまっています」(稲葉さん) また、ホームレス向けの緊急一時保護センターはキャパシティが小さく、450名程度しか受け入れられない。自立支援センターに滞在できるのも原則2ヵ月までだ。 そうした一方、増える空室に悩んでいるのが民間の賃貸住宅である。 総務省の「平成20年住宅・土地統計調査」によると、賃貸住宅の空き家は全国に409万戸。3大都市圏全体の空き家率も総住宅数の12.1%に上っている。 「『アパートがガラガラで困り果てている。このまま家賃収入が減れば飢え死にしてしまう』ともやいに駆け込んでくる大家さんまでいるほどです。こうした民間の住宅ストックを活用しない手はありません。具体的には自治体やNPOが借り上げ、困っている人に格安で貸し出すという方法が考えられます」(稲葉さん) ワーキングプアの救世主!? 実際にこうした方法で誕生した格安の賃貸住宅がある。東京・四谷にある「自由と生存の家」だ。 東京メトロ丸ノ内線・四谷三丁目駅から徒歩2、3分。新宿通りから裏路地に入ると、2棟の古いアパートが目につく。 家賃は4畳弱の個室が3万5000円〜。礼金はなく、敷金は積み立て方式で、月に3000円〜だ。個室以外に風呂、トイレ、キッチンが共同のフロアと、独立した1DKがあるフロア、ルームシェア式のフロアがある。 運営しているのは、フリーター全般労働組合の有志が立ち上げた「自由と生存の家実行委員会」。 プロジェクトに関心を示してくれた大家さんから築40年のアパートを借り、みんなで刷毛や金づちを手に改装をおこなった。土台工事などでプロの手も借りているため、かかった改装費用は約500万円。半額は有志たちが自腹を切っている。 メンバーのひとりで、フリージャーナリストの清水直子さんは次のように話す。 「都会の家賃はとにかく高い。といって、交通の不便な郊外に引っ越せば、夜間勤務など、変則的な働き方をする人は、体力的な負担が重くなる。そこで、2008年、組合で「住宅部会」を立ち上げ、組合員が住める住宅を作ろうと考えました。しかし、同年秋にリーマンショックが起こり、派遣切りが横行。急きょ。組合員だけでなく、住まいを失ったワーキングプアなども広く受け入れることにしました」 現在、入居者は15名。月1回、有機野菜を売る「野菜市」をアパート前で開いたり、定例会でアパートの運営方針を話し合ったりして、互いの交流を深めている。「単なる消費者としてではなく、住み手として住民自ら運営に関わることが入居条件です」と清水さん。 「ネットカフェから入居された方もいました。義父や母親と折り合いがよくなく、実家には戻りづらい。とはいっても、住み込みの仕事は条件が悪く、なかなか続かないと悩んでいた。孤立無援状態で転職を繰り返し、心も体もすり減らしていたので、『ここなら近くにいくらでもアルバイト先がある。自分のペースで働きながら体を慣らしては』と入居をすすめました」 現在、2軒目の建設に向けて動き始めているとのことだが、ネックは改修費用。有志の力では、どうしても限界がある。「せめて国や自治体の支援があれば」(清水さん) 仕事を失えば家も失う――。 ネットカフェに集まるワーキングプアたちは、この現実の象徴ともいえる存在だ。事は非正規社員だけの問題にとどまらない。 正社員でも、けっして年功賃金や終身雇用が約束されない今、35年間にもわたる住宅ローンを支払い続ける暮らしに、大勢の人々が精神的な圧迫を感じ始めている。かたや賃貸住宅も、家賃や更新料、敷金・礼金など、借り手の負担はあまりに重い。これまでは、賃貸アパート、マンション、持ち家と、「住まいの梯子」を上がるのが当然とされていたが、今後は、いつ何時、誰が転がり落ちるかわからないのである。 「安心して暮らせる住まい」から締め出しを食らうかもしれないのは、ネットカフェを常宿とする人たちだけではないのだ。 条例施行後の受け皿問題はもちろんのこと、自分たち自身のためにも「住まいの問題」そのものについて考えるべき時なのかもしれない。
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