47. 2010年2月18日 00:46:00 肉食は、体も行政も蝕んでいるようですね。「肉食が地球を滅ぼす」中村三郎・著 ふたばらいふ新書 より引用する。リンク ------------------------------------------------------- 【肉食が生活習慣病を増やしていく】 ●戦後日本では、GHQ(連合司令部)の思惑と、アメリカ風 の生活を進歩と見る風潮が重なり合って、食生活の改善(改悪 )が奨励されてきた。米を主食とする日本の伝統食は、欧米の 食事に比べて栄養的に問題があるとされ、また欧米人並みの体 位への向上を図るために動物性タンパク質を多く摂る食生活の スタイルが植えつけられていった。 そのため、肉や卵、牛乳、バターといった高タンパク質食品が 急速に普及していく。なかでも肉の消費量は、驚異的な勢いで 増加していくことになる。1955年の年間消費量は20万ト ン足らずだったのが、小麦食が定着した65年には100万ト ンに達し、その後も消費を伸ばし、2002年現在では560 万トンにのぼっている。50年の間になんと30倍にも増えた のである。 ●肉はたしかにうまい。そのうま味が、まず好まれるのだろう 。肉がうまいのは、そこに脂肪が含まれているからだ。だが、 この脂肪がくせものなのだ。肉の主成分はタンパク質と脂肪だ が、分子構造上、高分子のタンパク質は味がなく、低分子の脂 肪は味があるのでうまく感じる。牛肉でも豚肉でも、ロースの ほうがモモ肉よりもうまいのは脂肪が多いからである。(中略 )肉を食べる際には、うま味のある脂肪の多い肉を、つい選ぶ ようになる。するとタンパク質よりはるかに多く脂肪を摂取し てしまう。 脂肪は、植物性と動物性に分けられる。植物性には、必須脂肪 酸であるリノール酸が多く含まれ、体内のコレステロールを下 げる働きを持つ。コレステロールはご存知のように、血管内に たまって動脈硬化の原因となる物質である。動物性には飽和脂 肪酸が多く、コレステロールを体内に蓄積しやすい。(中略) 動物性脂肪を摂りすぎると、コレステロールの蓄積によって動 脈硬化性疾患を引き起こし、心疾患や高血圧症、糖尿病、脳血 管障害などの生活習慣病にかかることが、すでに指摘されてい る。アメリカ公衆衛生局の報告によると、アメリカ国内の病気 による死亡者の70パーセントが動物性脂肪の過剰摂取が要因 と思われる生活習慣病で死亡しているという。 ●食肉消費国の欧米では、こうした動物性脂肪の摂取過多によ る慢性病が大きな社会問題になっているが、さらに最近増加し ているのが、ガンの発生である。ガンの発生は、もちろん脂肪 の摂りすぎも関係しているが、動物性タンパク質も、また大き な要因となっている。タンパク質が体内に多くなると、トリプ トファンという必須アミノ酸が腸内の細菌によって分解され、 発ガン物質あるいはこれを生成する物質が促進されるからだと いう。 近年、アメリカでは肥満や生活習慣病を防ぐために、脂肪の少 ない赤身の肉を食べる女性が多い。しかし、赤身の牛肉を毎日 食べている女性は、肉を全く食べないか食べても少量の女性に 比べ、大腸ガンにかかる確率が2.5倍も高かった。動物性タ ンパク質とガンの関連性を調べた調査では乳ガンの発生率も多 かったという。また、肉の中に含まれる多量の鉄分も発ガンを 促進するといわれる。つまり脂肪の多い少ないにかかわらず、 肉食自体がさまざまな病気を引き起こす原因になりうるという ことなのである。 ●日本でも、肉食の増加にともなって生活習慣病が確実に増え てきており、ガンの発生も多くなっている。それまで日本人に はほとんど見られなかった大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンなど 、食肉消費国の欧米に多いガンが顕著な増加をしている。たと えば、大腸ガンによる死亡率は、まだ肉食の習慣がなかった1 944年には、10万人にわずか2人だった。当時、アメリカ では10万人に16人と日本の8倍におよんでいた。その後、 日本での大腸ガンによる死亡は68年に4人、88年には12 人にのぼり、そして2000年には30人と、50年でほぼ1 5倍に増えているのである。 アメリカやイギリスなど食肉消費国40カ国を対象に、統計調 査が行なわれたことがある。その結果、肉食による脂肪とタン パク質の摂取は、いずれの国でも動脈硬化にともなう心臓疾患 、大腸ガン、乳ガン、子宮ガンなどと強い相関関係があること が示された。そして、とくにガンにおいて、米、大豆、トウモ ロコシなどの穀物は、その発生を抑制する働きを持つことも明 らかになったという。 また、カナダの専門家による調査報告では、食肉(特に牛肉) が、ガンの発生、進行を促すことは否定できないとし、野菜や 繊維質食品を多く摂取する食生活に変えなければ、ますます病 気が増えていくおそれがあると警告している。 (引用終わり) ------------------------------------------------------- 現代の食生活の問題点 タンパク質は動物からではなく植物から(1) http://healthy7755.com/shokuyoujou- macrobi/cat309/cat310/1_1.html 戦後欧米風化された私たち日本人の食生活。 戦前は太った方もいたでしょうが、メタボリックシンドローム などは 問題にもならなかったでしょう。 メタボリックシンドロームだけじゃなく、広く私たちの心と身 体の 健康増進という観点からも欧米風化された食生活には色々問題 があります。 その中でも、第一に問題なのはタンパク質のとり方といえまし ょう。 欧米型の食事では、動物からタンパク質を取ろうとします。
牛、豚、鶏など家畜の肉や鶏卵、牛乳などが食卓の中心と なっています。 でも、これはあまり自然なタンパク質の取り方ではありません 。 こうした食生活は歴史が浅く、人類が近代に入ってからのもの で、 ここ100年ほどの間に広まったものです。 その原動力となったのは近代の栄養学ですが、 この学問はまだ始まってから日が浅いのです。 カロリーと栄養素を中心にして考える近代栄養学はヨーロッパ 、 主としてドイツにおいて発達した考え方です。 食物というのは考えてみれば、それぞれの土地の気候風土と 密接な関わりをもっているものです。 ドイツは日本より北に位置するため、比較的寒くて穀物が生育 しにくい 土地柄ですから、その考え方をそのまま日本にもってきても、 すべてが適応できるものではないとといえましょう。 日本ではもともと肉食の習慣は一般的ではありませんでした。
明治以後、西洋の近代栄養学を学ぶ中で積極的に肉食を取り入 れて きましたが、現在では、西洋でも多くのベジタリアンを生むほ ど、 肉食の問題点が明らかになりつつあります。 糖尿病・動脈硬化・痛風・関節炎・脂肪肝・脳梗塞など、 肉の摂りすぎに関係があるとされる疾病は枚挙にいとまがあり ません。 ですから、食に関する知識の体系が、まだ充分に整備されてい
ると はいえないようです。 そのため、人の食生活を少し誤った方向に導いてしまったので す ------------------------------------------------------ 具体像不明 募る危機感 県食肉価格基金問題 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-157673-storytopic- 4.html 2010年2月17日 行政刷新会議が昨年の事業仕分けの一環で打ち出した方針に基 づき、県食肉価格安定基金(県拠出35億円、国拠出70億円 )への国拠出分を政府が引き揚げる方向が判明した。農林水産 省は拠出分の引き揚げと同時に「必要額を毎年度の予算措置に 切り替える」として事業の継続を強調するが、具体像は不明で 、県内の畜産関係者には危機感が募る。 県独自の基金は沖縄の畜産振興事業費を安定的に確保する“担 保”としての側面もあったが、その担保を失った格好。今後は 全国横並びで毎年の予算措置を受けることになるのか、現段階 では不透明だ。 県食肉価格安定基金は1991年に創設されたが、起源は本土 復帰前。米国統治下で安価な肉を大量に輸入していた沖縄では 、地元畜産農家を保護するために輸入牛肉から調整金を徴収し 、食肉の需給調整に充てていた。 制度は復帰後も沖縄の特別枠として日本の仕組みに組み込まれ て継続したが、91年の牛肉輸入自由化に伴う代替措置として 基金が創設された。 ■特殊性 15日に山田正彦農林水産副大臣と民主党の一川保夫副幹事長 に基金引き揚げの中止を要請したJA沖縄中央会の赤嶺勇会長 は「全国制度の基金とは性質が違う」と県基金の「特殊性」を 強調する。ドル高で輸入中心だった復帰前の産業構造、米国統 治で本土より遅れた生産基盤、離島県の流通の不利性などの格 差是正を目的に創設されたもので、全国一律の基金事業とは異 なるとの立場だ。 これに対し、農水省は県基金も全国の基金と同様に国庫返還 を進める方針。ただ一川副幹事長は「政治的な判断が必要だ」 とも述べており、赤嶺会長は「政治決着の余地はある」とみて 今後も要請を続ける。 ■基金も岐路に 一方、基金自体も岐路にある。 設立当初は年間6億〜7億円程度の運用益で事業費を賄ってい たが、バブル崩壊後の低金利時代到来により、現在は約1億円 。 「事業規模も年々縮小している」(県畜産振興基金公社)ため 、JAや県は基金を取り崩し、食肉の県外出荷の支援にとどま る現在の事業規模の再拡大に充てることを国に打診していた。 農水省は基金引き揚げについて「事業をなくすわけではない」 と強調する。だが「設立の趣旨に立ち戻れば、本来は年間6億 〜7億円の事業費が必要だ」と強調する畜産関係者は、国によ る毎年の予算措置が現水準を踏襲する形になり、1億円が“既 成事実化”することも懸念する。 赤嶺会長は、畜舎の衛生環境改善や肉を高付加価値化する加工 場の整備などを進めれば、県内の生産条件や流通構造の不利性 は克服でき、基金の目的達成につながると主張。基金の帰属や 今後の畜産振興事業の形態をめぐり、綱引きが続きそうだ。 (島袋良太) |