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ベトナム戦争に関する思い出
昨夜、久しぶりにベトナム戦争に関する記事を少しだけ読んだ。そして、思い出したことがある。昭和48年の夏のことだったと思うが、湘南電車に乗っていたら、たままた、黒人兵2人と乗り合わせたのだ。僕はつたない英語で、そして彼らは訛りの強い英語で30分余り話をした。素朴な若者で20になったばかりぐらいだったと思う。これからベトナムへ行くのだと、何というのだろう、何の気負いもなく、かと言って嫌がる風でもなく、淡々と言っていたのが印象に残っている。
1960年代から70年代、アメリカで公民権法が成立し、黒人の地位向上が叫ばれた時代。地位向上と言っても、単に、白人並みの扱いを求めたに過ぎないのだが、それが希望に満ちて語られていた時代。黒人兵たちは自分たちがベトナムへ行ってベトコンと戦うことがアメリカのためになり、ひいては自分たち黒人の地位向上へつながると素朴に信じていたはずだ。そして、ベトナムでは最も戦闘のひどいところへ回され、多くは戦争後遺症を患って帰還していった。
彼らの努力は報われたのだろうか?南北戦争のときも、多くの黒人の方が北軍について南軍と戦い、奴隷解放、黒人の地位向上を目指した。それがリンカーンによる奴隷解放令に結びついたが実質的にはどれほど平等性に結びついたか、自分は疑うしかないと思っている。
ベトナム戦争後、アメリカはいわゆる麻薬の蔓延に襲われる。しかし、それによって本当に被害を受けたのは黒人層であるはずだ。そして、この20年ほど、エイズ被害をこうむっているのも主に黒人層だ。
2009年、アメリカ史上初めて黒人の血を引く大統領が誕生した。オバマ大統領がどんな形でアメリカという国を経営していくか、期待を持って見て行きたいし、何か自分が出来ることがあるなら喜んでやりたいと思っている。彼は、多分、文化の狭間に居て、それらをどう調整していくか、どう形作っていくか、そういったことを常に乗り越えてきた方だと思うから。