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■巧みな戦略で勢力拡大、多くの政党が存在
不気味な動きを見せている政党がある。アメリカ共産党である。私たち日本人は、アメリカでは共産党は禁止されていて、アメリカには共産党は存在しないと思っている人が多い。しかし、事実は違う。アメリカには、合法のものも含めて十近くの共産主義政党が存在し、アメリカ共産党のように地方議員を持つものもある。アメリカ共産党の幹部は、昨年一月、アメリカの大手のテレビに堂々と出演し、ベネズエラのチャベス大統領の石油産業の国有化を弁護している。そのようなアメリカの共産主義政党が、少しずつ、影響力を増やしている。要注意である。
一九二〇年代から四〇年代まで、アメリカ共産党はアメリカの労働運動に一定の影響力を持っていた。しかし、ソ連のためのスパイ活動や破壊活動のために組織は破滅した。その後、アメリカ共産党の幹部は組織防衛を図るとともに、「帝国主義」との平和共存路線を主張したために、過激な共産党員はアメリカ共産党を離脱し、たくさんの毛沢東主義政党などが誕生した。そして、現在の共産主義政党の乱立に至る。
アメリカ共産党は、そのメンバーを一万五千人以上と発表している。「人民世界週報」や「月刊政治」などの発行物がある。アメリカ共産党のホームページには、党に関係した著名な人物として、片山潜(「日本の共産主義者。アメリカ共産党の創設を援助」と紹介されている)の名がある。進歩労働党のように、アメリカが本部であるがコロンビアやエルサルバドル、メキシコ、パキスタンに支部があるものもある。革命労働組織のように南部の黒人地帯に独立の権利を主張するものもある。革命共産党は、ブッシュ政権をファシスト政権と呼び、過激な実力闘争を繰り広げている。キューバ政府を支持したり、プエルトリコの独立闘争を支援したりしているものもある。
それぞれの共産主義政党は、機関紙を発行し、集会を開催している。何も知らない日本人が、うっかり機関紙を購読してしまったり、集会に参加してしまったりしないように、注意したい。
これらの共産主義政党は、アメリカに共産主義国家を実現することを呼びかけずに、貧しい人たちに、貧困からの「解放」を訴えたりしている。差別反対や環境問題などを訴えている。いくつかの共産主義政党は、一九九〇年代までは、アメリカ大統領選挙に独自の大統領候補者を擁立していたが、最近では、民主党を応援している。たとえば、アメリカ共産党は、今、行われている大統領選挙を、アメリカの右翼を破る歴史的な選挙にしようと呼びかけている。
アメリカの共産主義政党は、黒人やヒスパニックの「解放」を訴えているので、若い黒人やヒスパニックが共鳴して入党している。その結果、アメリカの共産党など勢力を増大させている。要注意の理由である。
■中国と交流深める
しかも、中国共産党と交流を深めているものもある。たとえば、アメリカ共産党の最近の月刊誌には中国共産党の資本主義化を支持する論文が掲載されている。また、アメリカ共産党の幹部が中国を旅行し、中国共産党を賛美するような論文が掲載されたりもする。アメリカ共産党のホームページの掲示板に、中国共産党員のエールが書き込まれたりしている。アメリカの共産主義政党が勢力を伸ばすことが懸念される。
革命共産主義政党のように、無神論をふりまくだけではなく、宗教を敵視して攻撃する共産主義政党もある。日本では、教育における宗教の役割など討議されているが、アメリカにおいて、共産主義の恐ろしい全体主義的な性格を知らない若い世代などに、共産主義政党が勢力を拡大しないことを望む。