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血筋ということでは、現在の首相である麻生氏の祖父は吉田茂(土佐)、しかしながら曽祖父は牧野伸顕、高祖父は大久保利通(薩摩)、そして遠縁に安倍晋三。 その安倍氏といえば、ご存知の通り、この一族は、昭和から平成に掛けての、”長州閥”の頂点に居る。 そうして小泉はといえば、日韓首脳会の場所にわざわざ父祖の地を選んだことに表れてるように、薩摩との繋がりを強く意識している。
ご覧の通り、これら三政権のトップは薩長に強い所縁がある。 つまり自民党という権力与党=統治勢力の4割を「世襲」が占め、その中心に居るのが明治維新を主導した勢力=<維新主体勢力>なのです。
それに対して、田中角栄氏から小沢一郎に至る、この間、東京地検特捜部によって、政治的に打撃を受けたり、権力から遠ざけられた有力政治家を見ればいい。 田中角栄(新潟)、橋本登美三郎(茨城)、金丸信(山梨)、額賀福志郎(茨城)、中村喜四郎(茨城)、鈴木宗雄(北海道)、小沢一郎(岩手)
見られる通り、東日本或いは旧幕府勢力、乃至奥羽越列藩同盟の地域に偏っている!
つまり、「改革勢力」とは薩長を中心とする<維新主体勢力>であり、「抵抗勢力」とは<旧幕=奥羽越勢力>なのである!ーこれは、果たして、偶然なのでしょうか?
-などと言えば、早速次の様な反論が出て来ることでしょう。 それらの政権の中にも、旧幕=奥羽越勢の有力政治家は大勢居るではないかと。 無論、居てもいい、というより寧ろ大歓迎でしょう「偉大なるイエスマン」(武部勤)であれば!
すぐ分かるように、この図式は敗戦後の日米関係における日本の位置なのであり、「偉大なるイエスマン」とは親米派、つまり日米関係の図式が国内の図式に転位しているわけです。 そうしてイエスマン勢力=佐藤派の中から食い破って出て来たのが田中角栄氏を中心とする勢力であり、その原動力となったのが「ジャパンアズNO.1」を実現させた日本型システム、即ち上記の「1940年体制」だったわけです。 そして上でも述べたように、この日本型システムの行き詰まりによって、イエスマン勢力(その中心に居る薩長勢力)との間に、再び激しい内ゲバというか主導権争いが起きているーということことなのです。
これらをたまたま偶然と言われるなら、戦後(独立後)の首相を見れば更にそれはハッキリする。
吉田茂(高知、妻が薩摩閥)、鳩山一郎(東京、出自は岡山)、岸信介(山口)、池田隼人(吉田茂の最側近、妻が長州閥)、佐藤栄作(山口)。
ごく短期に終わった石橋湛山(東京)は別にして、見られる通り、鳩山一郎を除くと田中角栄以前は薩摩や長州及び土佐、即ち明治維新を主導した、勢力で占められてる。
それに比して、角栄氏以降、殆ど上記とは異なる、特に東日本を中心にとする非エスタブリッシュメント勢が強くなって来る。
実はこの図式は明治以来、即ち薩長中心の藩閥政権から「大正デモクラシー」「平民宰相」の原敬(岩手)、そしてその後の東日本を中心にとする非エスタブリッシュメント勢が強くなって来るという図式の反復なのですね。 つまり柄谷行人のいう反復、それを深く分け入ると、その中心に戊辰以来の倒幕(薩長)対佐幕(奥羽越)の対立・葛藤があり、それを軸に日本の近代は動いてきたわけです。
そして実はアメリカも、冒頭で述べた如く、南北戦争以来の対立・葛藤があり、それを軸に動いてきたと言える。
更に言えば、日米は、H.ミアーズのいう鏡(「アメリカの鏡日本」)とは別の意味で、合わせ鏡のようなところがあるのです。
次はその辺のところを書いてみますが、所用が出来たので、暫しのご猶予を。