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http://mainichi.jp/select/world/news/20090613ddm004070113000c.html
グローバル・アイ:「新移民の時代」と文化 「寛容と哀愁」にじむ歌声=西川恵
カナダ大使館ホールでつい最近、同国のジャズ・シンガー、ソフィー・ミルマンさん(26)の公演があった。のびやかでハスキーな歌声は日本でもファンを増やしているが、ロシアに生まれ、イスラエルに移住し、さらにカナダへと移り住んだ彼女の足跡は、グローバリズム時代の「新移民」の典型でもある。
ミルマンさんは83年、ロシア(当時ソ連)のウラル山脈の町に生まれた。一家はユダヤ系で、彼女が7歳の時、差別から逃れるためイスラエルに移住した。
両親が音楽が好きで、ロシア民謡は小さい時から聞いていたが、イスラエルではミュージカルのオーディションで、「1000人の子供の中の10人」に選ばれた。ジャズを聞き始め、マヘリア・ジャクソン、レイ・チャールズなど、アフリカ系米国人の音楽に傾倒。しかし16歳の時、今度はカナダに移住した。
「イスラエルでは常に最悪のことを考えていました。不透明な状況から逃れたかったのです」と語っている。イスラエルを取り巻く中東情勢は、彼女の心理に暗い影を落としていた。「移民への差別もあった」という。これもあって、イスラエルではある時期以降、音楽から遠ざかった。
彼女は多民族・多文化主義のカナダで、ブルース、ラップ、クラシックと、多様な音楽と出会い、才能を開花。04年、最初のアルバムでブレークし、米国、日本でもジャズアルバムのダウンロード1位を記録した。
ポスト冷戦の世界を「新移民の時代」と呼ぶ識者がいる。第三世界から先進国への伝統的な経済移民に対し、新移民は自分の才能や技能を生かすため、母国以外に移り住む人々のことだ。経済的には困っておらず、知識や熟練した技量を身につけ、多言語を話す。先進国間の水平移動が多いのも特徴で、経済移民と比べ目立たないが、大きな潮流となっている。
ミルマンさんは英、仏、露、ヘブライ語の4カ国語を操るが、彼女を通して「新移民の時代」の相対化された文化のありように思いがいく。
彼女は生来のスラブとユダヤ文化を核に、アフリカ、欧米の文化を広く受容してきた。カナダの音楽評論家は「彼女の歌にはたどった道と経験が色濃く投影している」と語る。私にはカナダの寛容性やスラブの哀愁といった複雑な要素が、そののびやかな歌声ににじんでいるように感じた。
彼女はカナダでその才を開かせた。移民として受け入れたカナダも、その文化に豊かなものを加えることになったのである。(専門編集委員)
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毎日新聞 2009年6月13日 東京朝刊
[新世紀人コメント]
この記事の扱いの感覚を疑うものである。まあ糟塵(マスコミ)の扱いだから深刻な事態を無理やりに厚化粧して美しく描き出す事はザラである。
「新移民」なんて暗いテーマに過ぎないのだ。
生まれ故郷で幸福に暮らせない世界の実情が覆い隠された欺瞞的な詐欺用語でしかない。
彼女はイスラエルに移民してもそこに疑問を抱き、見切りをつけて別の地に移住したのだ。もとのロシアにも戻っていない。
彼女のように才能に溢れていないイスラエル国民は彼女の様な選択は出来ないのだ。そして戦争参加の選択に追いやられるのである。
彼女の運命は、そんなに遠くない時期においてのイスラエル国民の多くしかも才能に溢れる事のない人達の運命を暗示しているように私には思えるのだ。
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