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「ネット空間にはびこる正論原理主義は怖いと思う」――村上春樹さんがエルサレムに行った理由を『文藝春秋』誌上で告白
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http://book.asahi.com/news/TKY200903080140.html
村上春樹さんがエルサレムに行った理由 誌上で告白
2009年3月9日
2月15日に開かれたエルサレム賞授賞式のスピーチで、イスラエルのガザ攻撃を批判して話題になった作家村上春樹さん(60)のインタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」が、受賞スピーチ「壁と卵」(全文)とともに、10日発売の「文芸春秋」4月号に掲載される。昨年11月の授賞の打診、発表前のガザ攻撃で悩んだ経過やペレス大統領の表情、スピーチで明かした昨年90歳で亡くなった父親の戦争体験などを率直に話している。
村上さんは、国ではなくブックフェアの賞であることや、過去の受賞者のパレスチナ政策批判スピーチも内容が公開されていることから、授賞式で話すという「ポジティブなメッセージ」を選んだ。
授賞式にはペレス大統領も出席。式の前に「僕は14年前に『ノルウェイの森』を読んだ」と言われた。しかし、「スピーチの途中から最前列に座っている大統領の表情がこわばってきました」。終わると、多くの人が立って拍手したが、大統領はしばらく席を立たなかったという。
一方、エルサレム市長は「あなたの意見は小説家として実に誠実なものだ」と、積極的に握手を求めた。村上さんはイスラエルにもいろんな考えをもった人がいて、そういう人に会えたのが「大きな収穫」としている。
ウェブを中心に受賞辞退を求める動きもあったが、パレスチナで起きていることへ関心を集めた点で「有意義」な問題提起だったと見る。他方、「ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思う」とも語っている。
文藝春秋 2009年 04月号 [雑誌]
出版社:文藝春秋 価格:¥ 750
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