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【佐藤優の地球を斬る】「反イスラエル」強い 日本のメディア(産経IZA)
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http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/mideast/229752/
【佐藤優の地球を斬る】「反イスラエル」強い 日本のメディア
2009/03/09 11:42
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【佐藤優の地球を斬る】エルサレムの大統領公邸でベンヤミン・ネタニヤフ元首相(右)と会談し、組閣を要請するシモン・ペレス大統領。選挙結果は、テロに断固たる姿勢を貫くイスラエル国民の選択を示した=2月20日(ロイター)
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中東情勢をめぐる日本のマスメディアの論調には、不思議な特徴がある。反イスラエル的傾向がきわめて強いことだ。
残念ながら、日本外務省内部にも反イスラエル的傾向をもつ外交官がいる。特にアラビア語を研修した外交官にその傾向が強い。筆者が現役外交官時代に驚いたことがある。アラブ・スクール(アラビア語を研修し、対中東外交に従事することの多い外務官僚)の中堅で、語学ができると評判の外交官と話していたときのことだ。彼女はイスラエルについて、国名をあげずに「敵」というのだ。最初、筆者は冗談と思って、話を聞いていたが、途中から「本気だ」ということに気づき、「あなたはアラビア語の専門家であるが、日本の外交官だ。ハマスのような発想をすべきでない」とたしなめたことがある。
■プロパガンダの様相
筆者が現役時代、アラビア語を専攻する日本外務省の研修生の8割がシリア、2割がエジプトに留学していた(現在はエジプト留学の比率が高まっているという)。留学先の影響を受け反イスラエル的感情をもつようになる研修生が多いのである。これでは日本の国益を毀損(きそん)するという危機意識を強くもち、筆者は外務省幹部に「イスラエルでアラビア語を研修することを真剣に検討すべきだ」と進言した。イスラエルの公用語は、ヘブライ語とともにアラビア語でもある。外国人向けの優れたアラビア語研修コースもある。当時の外務省幹部は筆者の進言を受け入れ、イスラエルにおけるアラビア語研修、さらにヘブライ語、アラビア語の双方を習得する外交官の養成する枠組みをほぼ作っていたのだが、鈴木宗男(61、衆院議員)疑惑で筆者が逮捕されてしまったため、この計画も頓挫した。
昨年末から本年1月にかけてのイスラエル軍によるハマスに対する掃討作戦について、日本のマスメディアは反イスラエル・プロパガンダのような様相を呈した。ただし、ときおり、バランスがよくとれた論評もある。現在発売中の『世界』(岩波書店)4月号に掲載された日本女子大学の臼杵陽(うすき・あきら)教授の論評「イスラエル総選挙 右派の躍進が示した和平への懐疑」がその一つだ。
■偏見にとらわれない
2月10日に行われたイスラエルの第18期国会(クネセト)選挙の結果、左派が後退し、右派が躍進した理由を臼杵教授はこう分析する。
<今回のイスラエル国会の選挙では、昨年12月27日に開始されたイスラエル軍のガザ攻撃の是非を改めてイスラエル国民に問うことになった。ガザ攻撃直後の世論調査では、イスラエル国民の90%以上が攻撃を支持した結果になった。今回の選挙結果もその世論調査の結果を色濃く反映したものとなった。というのも、テロに断固たる態度をとる右派勢力をイスラエス国民が選択したといえるからである。>
ハマス掃討作戦に対するイスラエル国民の姿勢を臼杵教授は客観的に見ている。さらにハマスによるガザからイスラエルへのミサイル攻撃についてはこう記す。
<中道政党の与党であるカディーマ党もかろうじて議会第一党を確保したが、ガザへの攻撃を行わなければ、おそらく第一党を確保できたかどうか、危うかった。パレスチナ人のイスラム主義組織ハマスがガザからイスラエルに撃ち込んでくるカッサーム・ロケットが、いかにイスラエル国民の安全にとって脅威になっており、恐怖を与えているかを示した結果になった。
もちろん、ガザ攻撃自体は半年近く前に周到に計画されたものであり、2月の選挙のために攻撃を行ったということは考えられない。しかし、ガザ攻撃はカディーマ党にとっても選挙キャンペーンにとって時期的に世論支持率の挽回(ばんかい)の好機だったことには間違いなかった。>
ハマス掃討作戦が国会選挙のために組まれたという謀略説を臼杵教授は一蹴(いっしゅう)する。イスラエルについてこのような偏見にとらわれない分析記事が掲載された意義は大きい。
(作家、元外務省主任分析官 佐藤優/SANKEI EXPRESS)
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