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知的障害のある男性を栃木県警が誤認逮捕した事件で、自らの調査報道にもとづいてスクープ記事を書いた下野新聞の板橋洋佳が朝日の『社会部』に移って検察不祥事のスクープ記事を書いたんですね。
暴走検察の走狗に成り下がり、偏向報道の影響で購読中止が加速して半期で100億円の赤字計上し、早期退職を募集した朝日新聞も、『社会部』を中心に従米官僚、財界のお先棒担ぎの『政治部』と『経済部』をたたき出して『ジャーナリストの魂』を見せて欲しいものだ。
「週刊朝日」や「北陸朝日放送」のように本体から排除されたところに、微かに『ジャーナリスト魂』が残っているようなので、「新たにす」のお仲間の、ヤクザが書いてヤクザが売る「CIAポダム新聞」や「アメリカ=ユダヤ=財界新聞」と経営統合なんてことにならないことを祈ります。
「永田町異聞」から
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10655648808.html
(転載開始)
朝日のスクープに乗った検察の組織防衛
2004年8月に知的障害のある男性を栃木県警が誤認逮捕した事件で、自らの調査報道にもとづいてスクープ記事を書いた記者がいた。下野新聞の板橋洋佳という。
昨日、朝日新聞の一面、社会面に書き分けられた検察不祥事のスクープ記事に、同姓同名の記者の署名があった。
筆者は下野新聞に電話をし、板橋記者がすでに退職していることを確認した。
地方紙や、大手紙の支局勤務をしている優秀な記者を朝日や読売などが即戦力として引き抜くことは、しばしばある。板橋記者は朝日に移ったのだろう。
昨日のスクープ記事は、「関係者」ではなく、「朝日新聞の取材でわかった」と書いている。
無罪が確定し、復職する厚労省元局長、村木厚子さんの事件に関して、元部下の上村勉被告宅から押収したフロッピーデスクのデータを、検察側が、その見立てに合うよう改ざんしたというニュースだ。
板橋記者らは大手情報セキュリティー会社に依頼して、上村被告に返却されたFDを解析してもらったところ、書き換えの事実が分かったという。
板橋氏はかつて「捜査員にべったり張り付いて得る情報ではなく、権力と対峙して報道していくことに書きがいを感じる」と語っており、彼らしさが発揮された記事といえる。
これまで検察のお先棒を担いでばかりいた朝日として、少しばかり汚名返上といきたいところだろう。
しかし、筆者の腑に落ちないのは、この記事が出るやいなや、朝日と示し合わせたかのように、最高検が、しらばっくれた大芝居を打ってきたことだ。
大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦を、記事が出たその日のうちに逮捕し、最高検が直接、捜査に乗り出して、検証チームも発足させることを早くも発表している。この素早さ、セレモニーのような賑々しさはいったい何なのだろう。
本来、村木冤罪事件の総責任は最高検が負うべきである。その立場にある者が、その指揮監督のもとで手柄を立てようとした検事を、いっせいに袋叩きにし、一人悪者に仕立て上げようとしているように見える。
第三者機関に捜査を委ね、最高検の責任も含めて、国民の判断を仰ぐべきではないのか。
前田検事が私用のパソコンでFDの改ざんをしたという、朝日のスクープは、村木冤罪事件の全責任を前田検事になすりつけ、組織そのものは正常だったと宣伝したい検察に利用されつつあるのではないか。
検察上層部と朝日の最近の異常な接近は、9月9日の当ブログ「村木判決を前にした朝日の弁解代弁記事二本」 で指摘した。これを要約して下記に掲載する。
(村木事件で)民主党議員の関与を伝えるなど、暴走報道を繰り返した朝日新聞は、一見、検察批判風の記事を昨日、今日と二日続けて掲載した。いずれも、「朝日新聞の取材」に対し、複数の検察幹部が答え、それに基づいて記事にしたという体裁である。
まず8日の記事。
「関係者の取り調べの際につけたメモ(備忘録)を廃棄していた大阪地検特捜部の検事の対応が、最高検の通知に反するものだったことがわかった」
「聴取メモ廃棄 通知違反」と見出しがついているように、この記事はメモの廃棄という、検察の取り調べの根幹にかかわる問題に正面から切り込むことを避け、廃棄が最高検の通知違反であるというニュースに仕立てあげていることがわかる。
皮肉っぽく言うと、最高検はちゃんと通知していたのだという言い訳を、新聞が代弁しているように見える。最高検の権威を守ると言う前提のもと、取材する側、される側の暗黙の了解で書かれた記事ではないかというのが、筆者の疑うところである。
9日の記事はこうだ。
石井一議員への事情聴取を大阪地検特捜部が昨夏の総選挙を理由に遅らせていたことがわかった。この結果、石井議員が口添えをしたとされる日に千葉県のゴルフ場にいたことが、村木被告の起訴後に発覚。特捜部が描いた事件の構図が崩れる一因になった。
これを起訴前にやっておけば、村木氏の起訴方針を見直すことができたのではないかという記事だと読める。
すべては総選挙への配慮のせいだと言わんばかりの、見苦しい言い訳の代弁を朝日新聞がやっているというふうに思えるのだが、穿ちすぎだろうか。
このころから、朝日はさかんに検察の上層部と接触していたことがわかる。もちろん、村木無罪判決を予想して、取材活動をしていたのだが、取材される検察上層部は、いかにして組織を防衛するか、つまり、一部の不心得者のやったことだと逃げる方法を模索していたはずだ。
そこに、強引な取調べで知られる前田検事のFD改ざんを、朝日が独自取材しているという情報が入り、それに飛びつくことを思いついたのではないか。
つまり、前田をスケープゴートにして、得意の捜査手法により一人の不埒な検事の悪だくみというシナリオを描くことで、国民の目を検察組織そのものからそらすという計略である。
村木さんへの不当な捜査は、誰が見ても組織ぐるみだ。前田検事が一人、FDの改ざんをして個人的にどんなメリットがあるというのか。
大坪弘道特捜部長、林谷浩二検事、国井弘樹検事らは無関係で、前田一人がやったことと逃げられるだろうか。
予定した筋書きに合わない話はバッサリと切り捨て、意図的に聞き出した断片的な材料を、むりやりつなぎ合わせて、あらかじめ考えた通りの調書を作文し、心理的、肉体的疲労状態に追い込んで、署名を迫る。それが、検察の常套手段だ。
FD改ざんもその延長線上のものでしかない。取り調べる人間の言葉は好きなように変えて作文してもOKで、フロッピーのデータはダメというのでは道理が通らない。
何度も書くが、「検察の正義」の象徴であるロッキード事件以来、検察は供述調書の恣意的作文や、強引で無茶な取り調べを繰り返してきているのである。
その事実を、おおっぴらにせず、検察や警察の発表は「客観」であり、自らの調査報道は「主観」であるとして、もっぱら捜査機関の発表やリークに依存してきたマスメディアの大罪は、いまさら言うまでもない。
西松建設の献金問題で逮捕された小沢一郎の秘書、大久保隆則の公判で、裁判所は小沢事務所からゼネコン談合への「天の声」があったとする検察主張を退けているが、そのことをどれだけの国民が知っているだろうか。
そういえば、当の前田検事は大久保秘書の取り調べにあたった検事だった。
いずれにせよ、最高検は、これを機に「取り調べの全面可視化」を自らが積極的に推進する姿勢を示すべきだ。 トカゲのしっぽ切りでは、誰も納得しないだろう。
(転載終了)
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