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マスコミが平然と続けるマッチポンプのような世論調査の罪

2010 年 6 月 25 日 9:00 AM | カテゴリー: 一筆不乱 | by 北村　肇 |
タグ:マスコミ, 世論調査, 参院選, 民主党

　民主主義とは何か、学生時代から考えてきた。解答はまだ思いつかない。ただ、多数決主義がそれではないことは確かだ。多数派の意思が通るということは、少数派の意思が無視されることでもある。マイノリティーの声に耳を傾けることこそ民主主義なら、多数決によってことが進むのは横暴ともなりかねない。

　しかし、権力を持った少数の人間が勝手にふるまうのは、民主主義から最も遠い地点のことだ。やはり、多数の人間の意思が尊重されねばならない―― と、かように思考は堂々巡りをしていき、終着点がない。結局、「絶対的存在者に判断を委ねるしかない」という安易な方向に走った先に、最も忌むべきファシズムがあるのだろう。

　すべての個が自立し、しかも他者の存在に想像力を働かせることのできる社会なら、多数決が横暴になることはあるまい。だが、その理想ははるかだ。となれば、メディアの役割が重要となるのに、現状は薄ら寒い。残念ながら、マッチポンプのような世論調査を平然と続ける新聞・テレビには、ほとんど期待できない。
　
『東京新聞』６月１０日朝刊の「全国世論調査」をみて愕然とした。「菅首相は米軍普天間飛行場移設問題で、移設先を沖縄県名護市辺野古崎とした日米合意を踏まえて今後対応する考えです。この方針を評価しますか」との問いに、半数を超える５２．２％が「評価する」と答えた。「評価しない」は３４．５％、「分からない・無回答」が１３．３％だった。

　この数字は何を意味するのか。普天間問題が鳩山由起夫氏の致命傷になったのは、「移設先が沖縄県外あるいは国外にならなかった」からではなく、「ふらついていた」からであることを示している。このままでは、移設先が普天間に落ち着いても菅政権の支持率が大きく下がることはないだろう。沖縄はまたしても見捨てられるのだ。
　
　こうした「民意」が生じたかなりの責任はマスコミにある。『朝日』も『読売』も、「鳩山首相の腰が定まらないから、日米同盟が揺らいでいる」というトーンの報道をし続けた。“被害者”沖縄への想像力は欠如し、米国との関係が壊れたら日本の安全が守れないという、古色蒼然たる主張を振りまき続けたのだ。そして世論調査で鳩山政権の支持率が下がるたびに「それみたことか」とあおった。
　
　民主主義とは何か、メディアの役割とは何か、マスコミがこのことを真摯に考え、日々の報道に生かさない限り、この国に未来はない。（北村肇） 　

コメント
01. 2010年6月27日 05:00:26: iiRjvah6VY これが、洗脳調査・洗脳報道の実態だ！ 【積極引用、積極転載、拡散希望！】 マスメディア世論調査の問題点、報道のおかしさについてまとめてあります。 http://togetter.com/id/tokudasu ご家族・ご友人・ご親戚の説明の際にご活用下さい。 リストの古いもの（下から順に）ご確認下さい。 リストのタイトルをクリックすると、内容が確認出来ます。
02. 2010年6月27日 14:52:26: fymVQnT97k 民主主義とは何か。難しいですね。物事をどうしても決めなければならない時は多数決でいかなければ仕方が無いでしょう。しかし他者の基本的人権を犯すようなことは多数決で決めてはだめです。少数意見、特にマイナリティの意見は尊重されなければなりません。いんちき報道が蔓延するなかで何が真実なのか見極める事は非常に困難です。何者にも影響されない自立した個人の確立。ことばでは簡単ですが実に難しい。人々が日常の暮らしにおわれるという中ではほぼ無理な事でしかないかもしれませんね。プラトンのいう哲人政治。マルクスのいう前衛階級による独裁政治いずれもだめでしたね。やはりソクラテスのいうように対話を尽くす事でしょうか
03. 2010年6月27日 20:05:08: 81zW8FGBLA そして沖縄のおの字も出なくなった。
04. 2010年6月27日 22:44:15: vD9WYa3O82 今もＴＶでミヤネヤと御用経済学者が消費税増税について視聴者を洗脳してます。 このような番組が雨後の竹の子のごとく乱立し洗脳する機会を沢山作りました。 毎度のことで聞きたくない視聴者もいますがこれはマスコミの常套手段で米国従属の低開発国でよくある放送局の世論誘導洗脳です。 知らないうち何回も繰り返し聞き視聴者は能ミソに評論家やコメンテーターの言葉を信じてしまうのです。よく詐欺師がやる手法です。 今、大手マスコミは消費税を増税ありきに世論誘導を連日おこなっています。 初めて見るような増税論者の経済評論家を多用し洗脳に拍車を掛けていますが、いったい誰の号令で動いているのか不気味です。横田幕府との意見もありますが、小生にとってこの様な余計なお世話な世論誘導洗脳番組は反吐がでます。このような番組を提供しているスポンンサーは軽蔑してやみません。
05. 2010年6月28日 15:05:31: RtPyX7TGyw >>04 >知らないうち何回も繰り返し聞き視聴者は能ミソに評論家やコメンテーターの言葉を信じてしまう その通り。マスメディアによる社会的洗脳です。犯罪的です。 『週刊金曜日』はかろうじて反権力を保っている雑誌。 貴重ですが、ここまで世の中の洗脳が進んでしまうと苦しいですね。 頑張って欲しいですが、苦しい立場だと想像します。 >現状は薄ら寒い。残念ながら、マッチポンプのような世論調査を平然と続ける新聞・テレビには、ほとんど期待できない。 薄ら寒いどころの話ではありません。ほとんど期待できないどころの話でもない。 マスメディアは巨大なプロパガンダ機関です。 どこの？　一言で言うなら、自分たちマスメディアもそこに含まれるところの、 植草一秀氏が指摘する＜悪徳ペンタゴン＞のプロパガンダ機関です。 >民主主義とは何か、 主権者は民衆にあるという幻想をふりまく支配の方法。 >メディアの役割とは何か、 巨大な既成権力のプロパガンダ機関 >マスコミがこのことを真摯に考え、日々の報道に生かさない限り、この国に未来はない。（北村肇） 彼らは日々、一生懸命ですよ。 無実の政治家をリーク報道で大悪人という印象操作をし、 金持ちに有利な消費税増税＆法人税減税を異議なしで通過させようともくろみ。 北村さん、「真摯に考え、日々の報道に生かさない限り」なんて言ってても どうにもなりませんよ。彼らが真実を報道し、民衆の幸せのために働く日などは 永遠に来ないと見限ったほうが良いです。 その上で、何ができるかです。 今は、岩上安身さんの闘い方を一番評価しています。
06. 2010年6月28日 23:41:59: 60oFMlgYaA 日本でも「アルジャジーラ」のような「独立系TV報道機関」を設立しましょう。 ネットではなくて、TVとして。 必ず必要です。
07. 2010年6月28日 23:45:36: 60oFMlgYaA 当然、管政権下での総務省は決して認可しないでしょうが。 ああ、もう。今の日本には、自由など、実は無かったのです。 「独立系TV報道機関」すら、設立出来ないなんて、ああ。
08. 2010年7月11日 23:34:59: 9sWaEXIgPA 「日本人の、日本人による、日本人の為」のマスコミが一つも存在していない これは致命傷だと思う しかも媒体だけでなく広告代理店がここまで世論操作するならば民衆は無力としか言いようがない

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