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なぜ新聞社はツイッターを恐れるのかITジャーナリスト・佐々木俊尚インタビュー【郷原氏を出すなとSPに圧力あったと田原氏】
http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/551.html
投稿者 一市民 日時 2010 年 4 月 16 日 17:38:55: ya1mGpcrMdyAE
 

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/460

なぜ新聞社はツイッターを恐れるのかITジャーナリスト・佐々木俊尚インタビュー vol.3


田原 民主党の小沢幹事長の「政治とカネ」の問題では、新聞・テレビ・雑誌の論調とネット上のそれはずいぶん乖離がありました。
既存のメディアは大半が小沢氏に批判的だったのに、ネットは逆に検察に批判的でした。なぜ両者に開きが出るのでしょうか。

佐々木 ちょうど先日、毎日新聞が「政治とカネ」に関する報道について、同社の「開かれた新聞」委員会というオンブズマンによる検証記事を掲載していました。
上智大学の田島泰彦教授やノンフィクション作家の吉永みち子さんなどがこぞって検察リークに基づく報道を批判しています。
しかし新聞側は一貫して「リークはない」という言い続けている。さらに、検察捜査自体が正当な捜査なのかどうかという可能性には一切言及していません。もっと突き詰めて言えば、記者クラブの開放問題もそう。民主党政権になってからこの問題についてほとんど報道していない。
しかしネット側では、記者クラブ問題もジャーナリストの上杉隆さんが積極的に発言したことなどをきっかけに徹底的に議論が広がっている。それから検察捜査に関しても、「検察と小沢のどちらが正義なのかは分からない。しかし、事態は明らかに検察対小沢というのは政治闘争になっている。
それなのに検察側に一方的に与して報道するマスメディアってどうなんだ? 小沢と検察とバランスよく報じるべきじゃないか」という声が圧倒的に多かったんです。


■郷原弁護士を出すなという圧力

田原 『サンデープロジェクト』は検察批判、リーク問題をやっていました。『サンプロ』には元検察官の郷原信郎弁護士が出ていた。検察捜査に批判的な郷原さんは、他のテレビ、他の番組には一切でない。なぜか。テレビ局が出さないからです。

佐々木 なるほど。

田原 「サンデープロジェクトも郷原を出すな」という圧力が来ていた。

佐々木 そうなんですか?

田原 もちろん。
だけど僕は、「誰を出そうと勝手だ。文句を言うな」とはねつけました。じゃあなぜテレビ局が、郷原さんをどの番組にも出さないようにしたか。郷原さんを出したら、その局の司法記者に検察が意地悪して取材させないからです。
新聞を見ると小沢さんについての記事で検察側の情報については「関係者によれば」と書いてある。明らかに検察情報ですよね。僕はベテランの新聞記者に聞いたんです。検察官の個人名は書けないだろうがが、なぜ「検察関係者」と書けないのかって。

佐々木 新聞社の公式見解的に言うと、「関係者が少なくて特定されやすいから」じゃないですか。

田原 全然違う。「検察関係者」と書くと、その新聞社が検察を出入り禁止になって取材できなくなるからだというんです。

佐々木 警察に関しては、いまは「警察関係者」って書いていますね。

田原 そうです。ただ検察が扱う事件に関しては、情報源は検察しかないじゃないですか。だから新聞は情報源をボカすために「関係者によれば」と書くんです。
「恥ずかしいぞ」って僕は言ったんです。「なんで検察関係者って書けないんだ」って。そうしたらやっぱり「書いたら取材できなくなる」だって。
彼らが「検察のリークじゃない」と言うのなら、じゃあ検察関係者からの情報のウラを取ったのか? 取ってませんよ。検察関係者が言った内容を、小沢一郎にぶつけて取材しているか。あるいは小沢一郎に極めて近いところに取材して反論を書いているか。なんにも書いていません。こんなの「リーク」に乗っかっているだけですよ。

佐々木 そうです。岸井成格さんが「リークじゃない。検察官の顔色を読んで書いているんだ」と言っていましたけど、ネタをぶつけて相手の顔色を読むというのは特捜部長とか副部長に当てるときの話なんです。実際に記者がその材料をガサッと抜いてくるネタ元がヒラ検事クラスにいるわけです。その話には一切触れないで、最終的に特捜部長などに当てるときの話をしているんです。


■新聞記者は検察の派遣労働者か

田原 岸井さんがそれを言ったのは『サンデープロジェクト』なんです。その時に枝野幸男氏が「どうもこのところリーク情報が多い」と言ったら、岸井さんが「これはリークじゃない。記者が努力して取ってきたネタだ」と反論した。
そうしたらいくつかの新聞が、「枝野は反小沢だと思われてきたが、テレビで小沢ヨイショの発言をした」と書いたんですよ。


佐々木 なぜそこまで検察に与しなければいけないのかというと、新聞もテレビも横並び報道だからです。役所から情報が取れなくたって夜回りだけできればいいんです。

田原 だいたいこういう事件ではね、出入り禁止を喰らう新聞社が出てくるものなんです。つまり、先回りして書きすぎるからでするからです。捜査当局が一番いやがるのは捜査情報が漏れることですからね。

佐々木 ええ。

田原 それが今回は一社も出なかった。あんなに連日、新聞各紙が捜査の行方について、明日は誰を事情聴取するなんて書きまくっていたのにですよ。

佐々木 なるほど。

田原 だから僕は言うんです。「新聞記者は検察の派遣労働者か」って。

佐々木 以前よりも検察に迎合する姿勢が加速していますね。

田原 マスコミが弱くなったんです。

佐々木 なんで弱くなったんですか?

田原 景気が悪いからです。企業というのは景気が悪いと保守化するんです。元気がなくなるんです。乱暴なことはするな、余計なことはするなって話しになる。

佐々木 新聞社が横並び報道を止めて、昼間の検察庁の会見に出入り禁止になったって、結局失うものってたいしたものじゃないはずなんです。

田原 いや、そんなことはない。

佐々木 そうですか。

田原 新聞社が横並びを続けているのは、一社だけ落ちこぼれるのが怖いんです。

佐々木 特オチですね。

田原 そう。それを怖がっている。

佐々木 特オチしたって、営業的にそれほど損することにはならないんですけどね。

田原 だけど記者は特オチっていうのを一番嫌うんです。


■ツイッターを恐れる新聞社

佐々木 結局、その横並びこそが検察にすべて操作される原因を招いているわけです。そこを捨てる決心をすればもっと身軽になれるんじゃないかと思いますけどね。

田原 そういうものがどんどん広がっていくと、これまでの政治家や役所の発表報道も、これまでのままじゃすまなくなりますね。

佐々木 そういうことです。
いま民主党に対するものすごい逆風が吹いていますよね。でもその逆風を吹かせている中心は実は新聞社・テレビ局というマスメディアである、という認識が民主党の側には結構ある。そこで結局、民主党の議員は何を始めたかというと、ツイッターとかを使って有権者にダイレクトに接続しようと試み始めたんです。
そうすると有権者の側には案外民主党支持者が多くて、マスメディアとは違う言論空間があるということに民主党議員は気づきはじめているんですね。
今までは政治家−マスメディア−有権者っていう形で、必ず真ん中にマスメディアがあったわけですよね。その関係から、とりあえずマスメディアを外して、政治家と有権者がツイッターとかブログとかで直接繋がるという状況が起きてはじめているんです。

田原 鳩山首相もツイッターをやっていますからね。

佐々木 ええ。一方で新聞社の側からは、「原口大臣がツイッターで津波情報を流したのはけしからん」「なりすましがいたら誰が責任をとるんだ」とか、「有権者と直接繋がると衆愚政治になるんじゃないか」なんて批判が出ていますが、実はそんなことは全然ない。
いかにダイレクトに政治家と有権者がツイッターで繋がったといっても、政治家が変なことをすればみんないっせいに批判するわけです。そこには専門家もたくさん参加しているので、その専門家から原口さんに「こういうことはおかしいんじゃないですか」とツッコミが必ず入るわけですし、そのツッコミが入ったことも全部丸見えになっているんですから。

田原 ツイッターが普及するのを、新聞やテレビっていう既成メディアが恐れているんですかね。

佐々木 そうなんです。読売新聞なんかのツイッターに対するネガティブキャンペーンはものすごい。一面でツイッターのなりすまし問題を報じています。ツイッターで直接繋がられると、自分たちの存在意義がなくなっちゃうから怖いんです。

田原 ツイッターというのはもともとアメリカから来たわけでしょう。アメリカでは政治家もツイッターをやっているんですか。

佐々木 一番有名なのは、オバマが当選したときの選挙キャンペーンです。オバマ本人が直接つぶやいていたかどうかは分からないですが、それによってみんなが「オバマは今日何を言っている」とか関心が広がりました。


■namataharaが誕生した理由

田原 なんでツイッターは一つのつぶやきって、上限が140文字と少ないんですか。

佐々木 もともとは携帯のSMSを想定しているからですが、少ないことによるメリットも結構あるんですよ。

田原 そこを聞きたい。

佐々木 ブログを書こうとすると、結構気合いを入れて書かなきゃいけない。そうなると結構書くのが億劫になっちゃう。だけど140文字だと結構気楽に書ける。書くことに対するハードルがすごく下がるんです。

田原 そうか、本当のつぶやきでいいんだからね。5分でも10分でもあれば十分出来るから。

佐々木 そうなんです。だから政治家もやるようになったんです。これまで秘書にブログを書かせていた政治家も結構いるかもしれません。ブログを書くというのは結構大変です。そんなの政治本人はなかなか出来ない。でもツイッターだったら政治家本人が携帯電話からチョロッと出来るわけです。

田原 たしかに僕もブログをやっているけれど、ブログをやろうと思うと1時間近くかかる。

佐々木 かかりますよね。気合いを入れて。それに変なことを書いたら怒られるんじゃないかと構えちゃいますから。
で、ツイッターというのはやりとりが、わりに瞬間瞬間に変わっているので、多少失言しても許されるみたいなまだありますね。

田原 すぐ訂正すればいいんだし。

佐々木 そうです。ブログはへんなことを書くと、ものすごい粘着的に批判されるという不安があるんですけど、ツイッターにはそれがない。メリットはいくらでもあります。

田原 僕もツイッターを「やれやれ」とみんなに言われているんです。

佐々木 ぜひ、それで直接、政治家とやりあって下さいよ。

田原 分かりました。じゃあ今日からやりましょう。

※この対談終了後に田原総一朗さんがツイッターを始めました。(アカウントnamatahara http://twitter.com/namatahara)


佐々木俊尚(ささき・としなお)
1961年、兵庫県生まれ。
早稲田大学政治学部中退。毎日新聞社、「月刊アスキー」編集部を経てフリージャーナリストに。IT分野を精力的に取材している。
著書に「マスコミは、もはや政治を語れない 徹底検証:「民主党政権」で勃興する「ネット論壇」」(現代プレミアブック・講談社)、「2011年新聞・テレビ消滅」(文春新書)、「ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語」(アスキー新書)など多数。  

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コメント
 
01. 2010年4月16日 20:12:16: GaSTZOivpk
田原総一郎齢(よわい)七十のつぶやきの手習い、ですか。
いいじゃないですか。俺もこの偏屈爺の悪口を阿修羅でたまに書くけど
心底嫌いで書くわけじゃない。
上のインタビューでいみじくも新聞社の実情を田原が看破しているが、速報性かつ即応的なツールが出てきたら従来のメディアは対応できないのは当然で、昨日からフジテレビの新ドラマでツイッターを絡めた作品が放映され始めたが、脚本家のツイッター観が文字数の制限されたSNS的なミニブログというよりチャットに近くオフ会で知り合った若者の出会いと葛藤といういかにも感が反感を呼んだようでそれに対する反論でツイッターをシステムと呼び、あくまでツールであることを理解できていないので反対になにかとんでもないチグハグ感をドラマに反映させて不評を買いちょっとした騒ぎになっている。

これは単なる例として出しただけだが、ツイッターに限らず既存マスメディアはインターネットへの敵意というか反感がむき出しだ。
それは権力監視のシステムが機能しなくなるからである。つまり、権力監視に名を借りた情報の独占に穴が開くことを恐れているのである。
だれでも容易にアクセスできてヴィヴッドに反応が返ってくるネットでは新聞記事やテレビのような一回性(報じたら容易に訂正が効かない)の旧メディアは放りっぱなしのいい加減メディアと捉えられ置き去りにされてしまう。

真贋含めてさまざまな検証や批判、激励も含めて反応が各自に返ってくるので政治家が既存メディアより、より新しいツールに自身の情報発信を託そうと思うのは当然であろう。
ただしもちろんいいことばかりでもない。プロバイダが管理していれば批判的なつぶやきは削除の対象になるのは有名人ブログの例を見るまでもなく、荒らし目的でなく真剣に提言や反論を送信してもそれを管理人が跳ね除けてしまえば意味の無いマンセー翼賛コメントで埋まってしまい緊張感のない、なあなあのつぶやきが繰り返されるだけとなる。

何事も過ぎたるは及ばざるが如し、ではある。


02. justice 2010年4月16日 22:52:13: 1WHCZw9hn00Nw: ii7hk9tezo
既存マスメディアは、戦後、自分たちが、第4の権力者ごとく、情報操作、世論操作、社会操作、いわゆる、あたかも、準国家機関として君臨するがのごとく、錯覚と妄想の中で生きてきた。

電通にしてもしかり、全国ネットのTV局、新聞はこの妄想、幻覚がはなはだしい。

それに変わる地位をネットツールに取って代わることを認めることが怖くてできないのだろう。

また、自民党の利権議員、利権官僚、大学の理事、教授連、どこかの教祖、金融資本が当該享有主体と同視することができる。

権力と利権=金・・・それは一度得たらその魅力と魔力に取り付かれ、決して離すことのできない、麻薬と同じ。

教養の低い平民を操作、コントロールして金と権力を得られる職業はどの国でもどの民族でもその地位はきわめて高い。

宗教家=教祖、政治家、官僚、TV局、新聞紙、金融、・・・全て、思想、洗脳、操作という、キーワードが重要な意味を持つ職業だ。


03. 2010年4月17日 18:01:05: NDI4G977CI
TVは速報性で新聞は記録性に優れた媒体と言われましたが、ネット環境とプリンターがあれば、両方可能です、おまけに、個人のブログやツイッターにアクセスすれば、新聞やテレビで流せない情報を得ることもできます、

ただ、情報の量が多すぎて消化不良ぎみで、個々の情報が真実なのかそうでないか判断に困る毎日でもある。


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