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日本の新聞社で、その分析とか見方に対して信頼度のある新聞ってどれだけあるのかというとあまり思いつかないですね。佐々木俊尚 http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/531.html
株式日記と経済展望 2010年4月8日 木曜日 ◆新聞はジャーナリズムでもネットに負けるのか 佐々木俊尚インタビュー 4月2日 現代ビジネス (記事の一部のみ) 朝日がこう言っているけれど、それが本当に正しいのかどうか。ひょっとしたら違う見方もあるんじゃないか。そう思ってネットを見ると、「朝日が言っていることはおかしい」と書いているブロガーとかいっぱいいて、「なるほど、こういうことなのか」と初めて納得する。 もちろん一次情報は新聞で提示されているんだけれど、それをどう意味づけるのかという部分は新聞ではカバーしきれなくなってきている、という状況があるんです。 佐々木 ニューヨークタイムズ(NYタイムズ)やウォールストリートジャーナル(WSJ)は、どちらかというと通信社の配信記事を元に、その物事はどういう意味なのかという見方を提示するスタイルがメインで、それに対する信頼感があります。 一方、日本の新聞社で、その分析とか見方に対して信頼度のある新聞ってどれだけあるのかというと、まああまり思いつかないですね。 佐々木 そうじゃなくて、ある事象について、例えば何か静観できない事があると考えたブロガーが、それについてどう考えるかという見方を提示するとします。もちろん、一人ひとりのブロガーやインターネットユーザーすべてが、見識を持って書いているわけではありません。 ただそういうブロガーがものすごくたくさんいるわけです。その中かから一つ、二つでも、「あの人の記事面白い」とみんなから評価される記事があると、その面白い記事がドンドンみんなに読まれていく。つまり集合知ですよね。 何十万人、何百万人の人がやっているから、その中には優れた見方、分析をする人も常に現れてくるわけです。それによってネット空間では物事の多様な見方っていうのが、きちんと確保されている。 だからエキスパートである新聞社の記者が書いていることよりも、何百万人かの人たちが書いて、その中から抽出された記事のほうがおもしろいということが完全に起きちゃっているんだと思うんです。 田原 ネットの映像の分野に関して言うと、ユーチューブが非常に浸透していますね。あれは、テレビ局がカネをかけて作り放送したものの面白いところを抜き取ってドンドンながしているわけだけど、あれは本当は著作権法違反ですよね。 佐々木 そうです。 田原 誰も著作権法違反でうるさく訴えないよね。 佐々木 結局テレビって、広告で成り立っている無料の放送ですよね。アメリカなんかだと、放送が無断でユーチューブにアップロードされたとしても、そこに広告がちゃんと張り付いて一緒に見られれば、クライアントも「それでいい」となるわけです。 田原 ああ、そうか。別にユーチューブは広告を抜くんじゃないからね。 佐々木 そうなんです。逆に、広告を抜いてアップロードされても、ユーチューブの場合、後からCMを加えて、ということまでやっているわけで、そうすると広告主側なんて文句いわない。だったら別にテレビ局もそれでOKだという話になっている。 田原 クライアントが文句言わないわけだ。 佐々木 なおかつユーチューブの影響力が大きくなってきていて、テレビ局も敵に回すより、そこで「ああ、この番組は面白いんだな」と思ってもらい、地上波で本放送の視聴に繋げようと。そういう広告効果を期待したほうがいいんじゃないかということにもなっていると思います。 ◆新聞、テレビ、雑誌から報道が消える日 佐々木俊尚インタビュー vol.2 4月7日 現代ビジネス 佐々木 今年の末ぐらいに日本語版が出るという話もあるみたいですね。キンドルの出現で一番大きい変化は、セルフパブリッシング、つまり自費出版が簡単に出来るようになることなることなんです。 自費出版というと、これまではアマチュアが高いカネを払ってやるというイメージですよね。でもキンドルの場合、キンドルストアという書籍を買うオンラインストアに、書き手が直接本を提供できる仕組みがあるんです。印刷や配本などの初期費用ゼロで、売れた分だけ、アマゾンと書き手の間で分配しましょうという仕組みです。 そこでは、従来10%だった印税率が、キンドルストアでやれば印税率70%になる。 田原 ぼくはキンドルが普及すると、日販やトーハンという書籍の取り次ぎ会社や全国の書店が困ると思っていた。それだけじゃなくて出版社も困るんだ。 佐々木 ものすごく困ります。 田原 出版社を経由する必要がないんですね。 佐々木 実際アメリカでは、サイモン&シェスターという出版社と契約し、長年そこから出版していたスティーブン・R・コヴィーというビジネスのベストセラー作家が行動を起こしました。 佐々木 例えば最近だとアメリカで、AOLっていう、一時はタイムワーナーと合併していた会社がありますが、そこが最近、自前で報道機関を持つということを始めたんです。 田原 持つって、どういうことをするんです? 佐々木 クビになった新聞記者や新聞社が潰れて放り出された記者がアメリカにはいっぱいいるんです。その人たちを雇っている。すでに500人くらい雇っていて、それが数年後には5000人くらいに増やすとも言われています。AOLは80くらいの専門的なサイトを会社の中に持っているんですが、そういうところに記事を書かせようというんです。 佐々木 あのヤフーのニュースチームって自分たちで取材しているわけじゃないんです。単にいろんな新聞社などが扱っている記事を載せているだけなんですけど、あそこのチームで30人くらいいて、ほとんどが元新聞記者とか元テレビ記者という布陣です。 田原 ああ、そうなんですか。AOLと同じことをやっているわけだ。 佐々木 自分たちは取材しないというところは違いますけどね。でもあそこは、もう自前で報道機関を持つくらいの余力はあるんだし、やってもいいんじゃないかと思います。 ヤフーとしては、新聞社とかから記事をもらっている関係上、自分たち自前で報道機関を持つようになったら、そこは敵対関係になってしまうので、それは一応出来ないという態度ですけど。でもいずれそういう時期が来るかも知れない。 (私のコメント) なぜ新聞、雑誌、テレビ離れが続くのだろうか。一つは不況のためであり一つはネットに広告が流れている為だ。メディア産業は情報産業でもあるのですが、テレビや新聞に広告を出しても売上げにあまり影響がないことがばれてしまった。むしろネットに絞って広告を出した方がいろいろなデーターが返って来るからネットに広告が流れている。 ネットは読者が特定されているから、どのサイトに広告を出せば効果的であるかのデーターがすぐに分かる。新聞や雑誌もネット化すればいいのでしょうがネットにおける課金モデルがまだできていない。新聞などにおける有料サイトはまだ成功していない。日経新聞もネット化しましたが月に4000円もする。これでは上手く行かないだろう。 新聞や雑誌が電子化はすぐにでも可能ですが、既存の印刷業や製本業や書店や宅配業者を切れないから電子化がなかなか進まない。経営が不振にもかかわらず新聞社やテレビ局は1000万円以上の高給取りであり、かなり大胆なリストラをしないと電子化は無理だろう。電子新聞や電子雑誌はきわめて少数のスタッフで出来るから新しく始めた所が電子化をリードするだろう。 『株式日記」も電子新聞のようなものですが、一人で編集から発行まで全部出来る。つまり電子新聞の発行コストは限りなく安くて只みたいなものだ。もし電子新聞の有料化が軌道に乗れば売上げ=利益になるわけだから、これほどおいしい商売はないのではないだろうか? しかし毎日コンスタントに面白い記事を書くには才能がいる。 現在の新聞が成り立っているのは宅配システムがあるからですが、駅売りだけになったら多くの新聞社が潰れるだろう。民間のテレビ局もスポンサーが付いているから経営が出来ますが、有料テレビになったらNHK以外はほとんどが潰れるだろう。NHKだって強制徴収だから成り立っていますが自由徴収料だったら金払う人がどれだけいるだろうか? ネットの登場によって情報のインフラのコストが非常に安くなって、現在の新聞、雑誌、テレビがそれに対応が出来ていない。あまりにも多くの人がそれらの業界にぶる下がっているから販売価格を下げる事ができない。アメリカでは新聞社が次々に潰れて新聞記者がリストラされている。有能な記者なら独立して電子新聞を発行すれば食っていけるだろう。 AOLでは500人くらいの記者を集めて電子新聞を作ったそうですが、電子新聞では記者の書く記事が一番の勝負だから優秀な記者を集められるかが勝負になる。日本で個人で勝負が出来る新聞記者がどれだけいるだろうか? 私は「株式日記」を書くために多くのサイトやブログを読んでいますが、プロの新聞記者のブログは数えるほどしかない。 特に経済記事などは専門知識が無いと書けないから力量あるベテラン記者でないと無理だろう。アメリカと比べると政治経済関係のブログが質量共に劣るのはアメリカでは独立したプロの記者たちがブログで記事を書いている。日本では新聞者も倒産はしていないからリストラされた記者や倒産した新聞社の記者がいないから差が出ているのでしょう。 最近の多きな流れとしてはアマゾンのキンドルやiPadなどが出て来て、電子書籍が本格化しつつあることだ。携帯電話を薄く大きく軽くしたようなものだから新聞や本などを読むのに適している。弱点だった課金システムも携帯電話と一緒に徴収できるからブログの有料化も軌道になるだろう。 佐々木氏も言っているが、村上春樹氏のような流行作家がキンドルで新しい小説を出すといったらキンドルが売れるだろう。私のような読書家にとっての一番の問題は本を置く場所が無い事であり、電子書籍なら数千冊の本もキンドル一つに納まってしまう。今まで絶版になっていた本でも何時でも買うことが出来るし好きな時にどこでも読むことが出来る。 『株式日記」も1997年以来、13年間も書き続けていますが、始めた頃はまだパソコン通信が主流で、ネットのEメールやホームページは出来て間が無い頃だ。ブロードバンドも無くて電話回線も繋ぎっ放しでは無いからネッ通信をする時間は限られていた。それでも電話料金だけで月に数千円もかかった。 僅か10年余りの間にネットは新聞を脅かす存在となってきましたが、書き手の方は10年前と大して変わらないのは不思議でならない。田中宇氏やビル・トッテン氏などお馴染みですが、プロの記者やプロのライターの参入が少ないからだ。しかしブログや電子書籍の有料化が本格化すればネットの世界もかなり変わるだろう。
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