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〜全戦線にわたって崩壊―テレビ制作現場〜個人加盟のジャーナリスト・ユニオンそしてジャーナリスト教育を! http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/523.html
放送を語る会報告:〜全戦線にわたって崩壊―テレビ制作現場〜: NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ 民放の報道番組制作現場では働く人の88%が制作会社所属。使い捨ての雇用形態が常態化、キー局社員も含めて多忙な中でひた走り、疲れて意欲が低下し考える力を失っていると指摘、「あるある」「バンキシャ」問題など不祥事が相次ぐ異常事態だが、表に出るのはほんの一部で問題は日常茶飯に起こっているという。制作現場ではジャーナリズムとしての内部的基準がなく、記者として取材経験のないまま現場に行かされるようなことが平気で日々行われているとも。 処遇の面での格差も紹介され参加者を驚かせた。野中氏の調査では、キー局社員(40歳前後)が年収1500万円前後に対し、制作会社社員(26歳)340万、契約社員300万。一方、生涯賃金で見るとキー局社員は6億2200万〜5億5500万。これに対し、日本の男性の正社員の生涯賃金は2億3500万、非正規社員1億3500万。それがテレビ番組制作現場ではフリーや制作会社の契約職員はおそらく一億円前後から1億数千万に過ぎず格差は歴然、フリーの番組制作者はワーキングプアすれすれという驚くべき数字だった。氏が教鞭をとる大学のジャーナリズム演習でも近年は志を持ってフリーのジャーナリストを目指す学生はゼロだという。メディア現場の悲惨な実態が心ある学生たちの希望を失わせているのだ。 野中氏は、現場の制作者たち自身が当事者として闘ってこなかった問題点を指摘した上で、次のように提言した。 第二部の討論では、野中氏の問題提起を受けて会場からの発言、ブックレット「NHK番組改変事件」の感想も交えながら議論を交わした。 NHK元プロデューサー永田浩三氏は、NHKでも現場の制作体制の転換とともに現場が尊重されない傾向が強まっていると指摘、「ベルリンの壁が崩壊した1989年ごろから制作現場も転換期を向かえ、番組の大型化とともに取材が一人のディレクターだけでは対応できなくなり多くのディレクターの取材をプロデューサーがまとめる方法に変ってきた。同時に現場を直接取材するディレクターの意見が尊重されずプロデューサーによる番組管理が強まってきた」と語った。「ETV2001」改変事件でも現場取材は制作会社のディレクターに任せ、プロデューサーの永田氏は一度も女性国際戦犯法廷の現場に足を運ぶことができず番組改変の修羅場で「足腰が弱くて頑張れなかった」と自戒をこめて語った。現場に根ざさない制作体制が「政治介入」への抵抗力を弱めジャーナリズムを衰退させる一因であることを実感させる発言だった。 野中氏の提言を受けて、個人加盟のジャーナリスト・ユニオン、ジャーナリスト教育のシステムをどのように作っていくのか、私たちはいま厳しく問われていることを実感した。
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