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検察とマスコミの創作した「政局」共同幻想
http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/516.html
投稿者 加藤 日時 2010 年 4 月 04 日 19:27:06: ZcB0xpcLKA8ZE
 

企業における団塊世代は全共闘世代と重なる。世代人口の多さという意味の団塊世代は、全共闘運動が終焉した次の世代である。ここで言う団塊世代は、高度成長が爛熟しはじめたころに大量採用された企業の内の団塊世代である。殻らは社会人として三度の共同幻想を生起させ、破壊だけしか残さなかった。

今、四度目の共同幻想が生起している。民主党を中心とする連立政権に託した世直しである。今度こそ世直しが成功しますように願う者ですが、しかし、団塊世代の関心が「政局」に集中して、破壊的であり、若い人たちを押しつぶすのではないかと危惧する。

阿修羅に朝日新聞の社説と関連する紙面構成の批判を投稿した。そのコメントで「未だに朝日新聞読んでいる投稿者は馬鹿で時代遅れ」と批判された。アイロニーかと思うけ一方で「虐げられる側の目線」を完全に無視した排他性をも感じた。

普天間問題の処理を誤ると内閣総辞危機という趣旨の阿修羅投稿には1万に近いアクセス。しかし、沖縄現地の苦しみや本土への訴えを投稿すると数百アクセスしかない。

「私たちは旧体制派の知性を馬鹿にした強欲資本主義を打倒すべく戦っているのです。それに異論を唱える方はこのサイトから去ってください」と、言いながら辺野古通信や等には目もくれない。

普天間問題をテーマとしながら、現地の苦しみの声を聞いてどうすべきかを問うのかに関心は薄く、民主党が普天間問題を解決出来なかったら政権の命運は? という政局にしか関心が無い。

この現象は、旧体制の上から目線を非難しながら、自らも「上から目線」。上から目線の旧体制を厳しい言葉で論破し非難するが、ではどうするのかと問うと別の上から目線を持ち出す。

岡田外相の評価にも同じ現象がある。核密約の暴露には一時的に喝采するが、普天間に関する沖縄現地説明や対米交渉の「現実として成し得ること」には驚くほど無関心である。

私も全共闘世代。演劇部で失われた世代の演劇をやっていた。すぐにノンポリになった。理由は活動家達が鼻持ちなら無くなったから。

小田実のいう「虐げられる側の目線」からどんどん逸脱して閉鎖的になり、異論を排除軽蔑するようになった。そして、共産党系の民主主義青年同盟との闘争を経て、全共闘内部の内ゲバを起し、ついには浅間山荘へ。

60年安保闘争、70年安保闘争と二度続いた労働組合を核とする革新の敗北と挫折を見た団塊世代は小田実達のベトナム反戦運動(ベ平連)に共感した。アメリカは悪である、従属する日本政府も悪をなしている、悪をなすアメリカと日本政府を打倒しなければならないと。

なるほど、アメリカも日本政府も確かに悪をなしていた。しかし、全共闘世代は日本政府が倒れるほどの政局を起そうとした。広く民衆の共感を集めて、持続的に拡がる民衆運動には全く関心がなかった。

日本共産党は二度の安保闘争を失敗させた悪である。労働組合もまたしかり。悪の根源の全てを打倒しなければ自分達の未来は無い。打倒すべきは、米政府、日本政府、日本共産党、労働組内である。

彼らを打倒すれば、新しい未来が開ける‥‥それは共同幻想の遊びに過ぎなかった。「政局」は起こらず、体制は微動だにしなかった。

新しい社会とそれを支える政治権力の樹立には、現実的で沢山の妥協を含む調和点を見出すという苦痛に満ちた作業がある。そのような議論を行う人は「日和見」と罵倒された。全共闘世代の一生続く錯誤がここに始まっている。

団塊世代は真摯な総括をすることなく、就職してたやすく企業戦士になった。そして、彼らが課長部長クラスになって起したのが1992年に破裂したバブル。

その10年以上も前にオイルショックが起こっていた。高度成長は見果てぬ夢と消えて、大量生産・大量消費が地球を食いつぶしていることを教えた。もはや高度成長はありえず、豊かさとは何かを問われていた。しかし、団塊世代は一顧だにしなかった。

彼ら団塊世代が企業内部の権力者になったとき、「製造業中心の高度成長は飽和し終焉した。これからは、金融取引事業で新しいパラダイムを作ろう。東京を世界の金融センターに」が彼らの編み出した二度目の共同幻想であった。

製造業は本来「一物一価」であるが、金融取引の商品化は「一物多価」または「実在しない架空の価値におびただい付加価値を共同幻想」するものである。

団塊世代はこの共同幻想に酔いしれひと時の夢をむさぼったが、残されたのは幻想ではなく現実に存在する巨大な負債であった。

一方、一度目の共同幻想が誤りであったが故に、打倒されなかった自民党政権、日本共産党、労働組合は内部堕落に陥り長期低落と自己崩壊へのの道を歩んでいた。

三度目の共同幻想は小泉竹中の為した「偽改革」であり、政治権力の場における「中身の詰まったバブルならぬ大風呂敷」である。大風呂敷には庶民から巻き上げた財が詰まっていたからだ。庶民は一挙に貧しくなり、大学は出たけれど‥‥という100年ぶりの地獄図となって、現在に至っている。

結局団塊世代は三度の共同幻想を撒き散らして、何も生み出さず、破壊しただけであった。最初の共同幻想において価値観の転換を拒否したた生き方である故に、二度三度の共同幻想においても破壊しかもたらさなかったのである。

昨年、民主党を中心とする政権交代が実現して、民衆の「世直し」の期待を一心に担っている。この新政権は四度目の共同幻想である。

政権が発足して半年が過ぎ、支える支持者は二極分化している。少し長い目で見ながら、現実的で着実な世直しを良しとする支持者と、それに対して原理原則的で現実的妥協を厳しく非難する支持者とである。

政権を担う政治家は若者に自己責任を問うか、閉鎖的な仲良しクラブで政局を乗り切ろうとする。弱者に同情を表明しつつ、本質は無関心である。彼らもまた団塊世代である。

検察やマスコミの幹部達もまた団塊世代である。検察とマスコミは政局を共同幻想しようと腐心する。そして、検察は究極の自己中心主義を異常なる権力で具現化しながら、政局を共同幻想にすることに半ば成功した。

マスコミはその共同幻想の結果である政局に対する読みだけを自己存在の糧にして、既得利権をむさぼっている。両者共に、世直しのあるべき方向には一切無関心である。

大量生産・大量消費は地球を食いつぶす。金融取引商品は本来貨幣経済における必要悪にすぎないが、強欲を極限にまで膨れ上がらせて、人間の生活と精神を破壊する。もはや高度成長はありえない。

軍事は肥大化した巨大産業となって、資本の自由を妨害する政権を地球上から葬りさってきた。そのためには手段を選ばない。闇の勢力を利用したテロ育成支援を経て局地紛争を起させ、軍の需要を作り上げもする。

豊かさとは何かを問い直すべきである。日本において、その問いを妨害するのは「政局」だけに関心が向う団塊世代の権力者とマスコミおよび企業の幹部である。

こころある人はマスコミの作り話である「政局」に乗ってはならない。

(おわり)  

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コメント
 
01. 2010年4月05日 23:30:13: GPBx5
ある世代をひと括りにして槍玉に挙げるのはどうかと思うが、
それ以外の主張部分については自分も同意する。
阿修羅に限ったことではないが、「あいつが悪い」「こいつが悪い」と
常に誰かを血祭りに挙げようとする意見が多く、やっていることは本質的に
大マスコミと何も変わりはない。
また、どこのサイトでも声の大きい奴や徒党を組みたがる奴が常連化して、
異なる意見を排除しようとする空気が強くなる傾向がある。
こういったことは、悪い意味での「ムラ社会」の延長なんだろうと思う。
「自立した個人達による普通の民主主義社会」への道のりは遠い。

02. 2010年4月06日 02:35:13: T3SCm
>新しい社会とそれを支える政治権力の樹立には、現実的で沢山の妥協を含む調和点を
>見出すという苦痛に満ちた作業がある。

労甚大にして得るもの寡少な、過酷な世界。この度の政権交代は、そのような厳しい
現実に向かいあわされる機会なのだけれど、それから逃げてしまった人も結構多い模
様。とはいえ、そんな政治の世界に飛び込んで何かなし得る能力があるわけでもない
漏れは人様をとやかく言える身でもない。最近、政治家なんて好き好んでなる人間の
気が知れないという意識がますます強くなってきたのは確か。

 しかし、こんなことを考えた様子もなく、好き好んで政治家になった人間の集団が
政権末期の自民党だったりするわけで、やはりこれはいかんという事になった結果が
昨年の選挙なんだろう。人を取り替えるためには民主党に入れるしかなかったわけで、
実のところ、選択の余地など存在しなかったのだと思う


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