投稿者 加藤 日時 2010 年 4 月 01 日 18:07:03: ZcB0xpcLKA8ZE
まずは、郵政決着―擦り切れる「首相の資質」と題する社説から。(全文を最後に貼付けました)
この中で、鳩山総理に対しては、
@見当違いのリーダーシップ
Aもはや「首相としての資質」が疑われるところまで来ている
B「綸言(りんげん)汗の如(ごと)し」という言葉をご存じない
C有権者は鼻白む
D首相の資質への期待が擦り切れかかっている
と、殆ど罵詈増減言いたい放題。
言われる鳩山総理も情けないが、それなりに頑張って首相らしくなってきたという評価の方が多いのではありませんか?
一方、谷垣氏には、
@谷垣禎一自民党総裁が言う通り、もはや「首相としての資質」が疑われるところまで来ている
A谷垣氏の(問題発生と混乱の原因は)「首相の言葉」は的を射た指摘である。
と、絶賛している。
これを補強する記事が二面と四面にある。
ひとつは、(2面)時々刻々 郵政マネー再膨張と題する記事。
この中で、「民主党が郵政金融縮小論を封印し、郵政赤字に恐れて、金融頼みを加速している」と揶揄し、日本郵政グループ労働組合による小沢鋭環境相、赤松農水相、中井国家公安委員長への支持を固めるために、参院選対策に利用したと非難したうえで、西川前社長が主導したゆうパックと日本通運のペリカン便との宅配便事業統合を破談させた民主党が郵政赤字の原因を作ったとあてつけている。
更に、ゆうちょ・かんぽの総資産は280兆円で、ピーク時に比べ100兆円近く減ったのは官から民への資金の流れの効果である。今回の限度額引き上げて、預金は民から官に逆流し、その結果、不要な公共事業などを拡大させかねない。そもそも、郵政民営化は日本の資金の非効率な流れを改めるのが最大の狙いだった。財投は段階的に廃止された。原口私案に「財投復活」であるとの批判が強まるのは必至だ。と記事を結ぶ。
原口氏や亀井氏による次の説明を全く評価していない。
原口「従来のように国債を買い続けるのでは「官から民へ」の資金の流れは進まない。「民間金融機関の協調融資や連携投資という形をとれば、「民業圧迫」の批判も回避できる。公共事業投資は選挙目当てなどでなく、放置され危険化した公共財や、困窮化した地域へ、また新しい時代が要請する新規事業に振り向ける。その際には、国民に公開された事業仕分けを受けさせる」(一部、私が捕捉追加した文章です)
亀井「電線地中化、太陽光発電」などに投資すれば国民のためになる」
二つ目の記事は、(四面)谷垣氏猛攻 守る首相、と題する記事。
昨日行われた党首討論の記事である。
この中で朝日は、谷垣氏がケネディの党首討論法を学んで討論の臨んだこと褒め、質問内容を工夫し、冒頭において首相元秘書の偽装献金問題で首相を動揺させた上で、政治とカネ問題に多くの時間は割かず、政権の弱みである普天間問題に絞って、首相にたたみかけていたことは、思わぬ健闘ぶりと紹介した。
約5段抜きの記事のうち、首相発言は1段未満。残り5段は谷垣氏と山口氏(公明)の攻めを紹介している。首相発言の2倍も公明党首発言を紹介しているのも異例である。山口氏が小沢氏に擦り寄ったが、色よい返事を貰えなかったので、一転反抗に転じた。参院選にも影響がでる、と言いたいのだろう。(「どうだ、俺の読みは」である)
朝日は、連立政権をつぶすためには、あるいは御しやすい仲良しクラブ的閣僚の支配する政権に内閣改造させるためには、公明でも共産でも、もちろん検察でも、手当たり次第に利用する新聞と見受ける。
今日の1面「天声人語」が泣いています。
せっかく良い内容なのに、その指摘の全てを朝日新聞幹部にお返ししたい。
その内容を列記すると以下の通りです。
@松本サリン事件について、「オウム憎し」で突き進んだ社会の危うさを感じ、
A警察庁長官銃撃事件で「オウムの組織的テロ」と断定した警視庁公安部長記者会見は、警察組織の私情丸出しの印象であり、
B「やったのは某」とネットで公表する暗い顔の「仕置き人」さながらである。
Dたとえオウムに対しても、法や公正さを軽んじるべきではないと、かって河野さんは小紙に寄せたが、揺るがぬ背骨が法治国家の警察にはほしい。
「社会」「警察」「暗い顔の仕置人」を「朝日新聞幹部」に置き換えると、妙に合点が行きます。
テレ朝に出た星編集員の発言と今日の社説はそっくりです。日常の断片的な言葉に対してあれこれ批判するだけで、この国初の民主政治が根本においてどうなるべきか、そのために今は何をすべきか、ついて一切論考しません。あるのは「どうだ、おれの政局の読みは深いだろう」という唾棄すべき発言ばかりです。あなたの政局の読みは「不快」です。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥(貼付け開始)‥‥‥‥‥‥‥‥‥
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
朝日新聞社説(4月1日)郵政決着―擦り切れる「首相の資質」
見当違いのリーダーシップだと言わざるを得ない。鳩山由紀夫首相が主導した郵政改革案の決着のことである。
閣内や与党内にも異論があったが、亀井静香郵政改革相らの案に沿って進めることを決めた。ゆうちょ銀行への預け入れ限度額を2千万円に倍増、かんぽ生命保険の保障限度額を2500万円にほぼ倍増するという内容だ。
手っ取り早く規模を拡大して収益を増やそうという安直な路線である。
弊害ははっきりしている。郵貯は資金の大半を国債で運用している。資金が民間金融機関から郵貯に移れば、企業の設備投資などに回る資金が減り、経済の活力がそがれる。「中小企業をいじめるような法案」(山口那津男公明党代表)と言われても仕方がない。
民主党はもともとは郵貯の規模縮小や簡保の廃止を掲げていた。首相はなぜ逆方向の改革案をのんだのか。
亀井氏らを抑え込もうとすると、連立政権の危機につながりかねない。かといって、「学級崩壊」の様相すら呈する閣内の対立を放置すれば、イメージダウンは深刻になる。その一方、特定郵便局や労組などの郵政ファミリーを引きつければ参院選には有利だ。そんな事情があったのだろう。
政策判断より政局判断を優先した、後ろ向きの「裁定」というほかない。
鳩山氏のリーダーシップの迷走は、谷垣禎一自民党総裁が言う通り、もはや「首相としての資質」が疑われるところまで来ているのではないか。
きのうの党首討論で谷垣氏は、いろいろな問題を引き起こし、混乱を生んでいる真の原因は、「首相の言葉」そのものにあるのではないかと述べた。的を射た指摘である。
好例が米軍普天間飛行場の移設問題だ。首相は3月中に政府案をまとめることを「お約束する」と述べてきた。だが、3月末が近づくと「法的に決まっているわけじゃありません」などと言い訳し、「1日、2日ずれることが大きな話ではない」と言い放つに至った。「綸言(りんげん)汗の如(ごと)し」という言葉をご存じないのだろうか。
これでは、5月末までに「命がけで」決着させると聞かされても、有権者は鼻白むしかない。
この問題では、首相は「腹案」なるものがすでにあることを明かし、「考え方は一つだ」と語った。しかし、岡田克也外相は現時点で一案に絞るのは「ありえない」と述べたばかりだ。二人は口をきかない間柄なのか。
改めて指摘するのは残念だが、首相はともかく言葉をもっと大事にするべきである。自分の発言がどういう政治的意味を持つか、無頓着すぎる。
最高指導者として政策の方向性を定め、責任ある言葉で政権内を調整し、引っぱっていく。そんな首相の資質への期待が擦り切れかかっている。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥(貼付け終了)‥‥‥‥‥‥‥‥‥
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