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【上杉隆氏】呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更 日本の新聞に未来などない!【読売による原口大臣攻撃の裏事情も記述】 http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/448.html
http://diamond.jp/series/uesugi/10116/ 3月1日、3回目の総務省ICTにおける国民の権利保障フォーラムが開催された。前2回のアジェンダセッティングを受けて、この日からヒアリングが開始された。 この日、構成員でもある筆者は、ある組織の説明中、怒りの退席を行なった。抗議の意味を込めてである。理由は、言論の自由を話し合うはずのこの会合で言論封殺とも受け取れる指示があったからだ。 この日のフォーラムでは、原口一博大臣の発言の後、音好宏構成員、NHK、民放連(TBS、テレビ朝日、石川テレビ放送)、日本新聞協会の順にヒアリング説明が行われるはずだった。その後に出席者からの質疑応答が予定されていた。 問題は、日本新聞協会の説明の冒頭に発生した。大久保好男新聞協会メディア開発委員会委員長(読売)の発言直前、突如、浜田純一座長がメモを読み上げたのだ。 「日本新聞協会からのメモを代読します。今回のヒアリングにおいて、個別の記者クラブ・記者会見について当新聞協会はコメントしない。記者クラブ・記者会見等についての質疑応答は一切受け付けない。このフォーラムで記者クラブ問題について議論するのは違和感を持たざるを得ない」 自らの意見を開陳しながら、他者の意見を予め封じこめる。言論機関に身を置きながら、そして報道の自由を謳いながら、なんという厚顔な振る舞いであろうか。 筆者は、日本新聞協会のヒアリングが始まった瞬間、席を立ち、抗議の意味で退席した。 ドアの外のソファに座ってツイッターに怒りをぶつけた。衆議院予算委員会での答弁のために中座した原口大臣のアカウントに、フォーラムの進行方法に対する疑義を綴り、送信した。そして、日本新聞協会の話が終わった後、職員の呼びかけで再入室したのだ。 質疑応答が始まっても、記者クラブの代弁者ともいうべき構成員たちからの攻撃は止まなかった。 記者席で取材をしていたフリーランスの畠山理仁記者のツイッターを見てみよう。 〈丸山構成員、羽石構成員から「記者クラブ問題についてはアジェンダから外してほしい」との趣旨の意見。上杉隆構成員「このフォーラムには国民の権利保障等、とついている。記者クラブ問題を入れないというのは、非記者クラブメディア、通信、フリーは国民に入らないということなのか」〉 筆者は、過去2回のフォーラムにおいて、「記者クラブ」をアジェンダ設定の中に入れるよう、繰り返し主張した。 その結果、今回のフォーラムの冒頭に配布されたアジェンダ文書には「記者クラブ」がきちんと盛り込まれたのだ。 ところがこの日、既得権益にしがみつく「抵抗勢力」はそれをアジェンダから外すよう繰り返し発言したのだ。 筆者に発言の機会が回ってきた。まず、座長の進行方式に対して疑義を呈した。その上で、「言論封殺」を行なった日本新聞協会の横暴に対して、抗議の退席を行なったことを明かした。 もしかしてこのフォーラムは「国民の権利保障」を謳いながら、その実は「記者クラブの権利保障」を話し合おうとしているのではないか。 怒りの収まらない筆者は、その夜、欠席していたオブザーバーの孫正義ソフトバンク社長にツイッター上で会議の様子を報告した。 〈記者クラブ問題。アジェンダから外してほしい、という意見が各構成員から続出。しかも日本新聞協会のヒアリングでは、記者クラブに関する質問の事前差し止め。言論の自由を話し合うフォーラムなのにいきなりの言論封殺、と本日欠席の孫正義さんに軽やかにチクってみる〉 仮にこれまでのこうした政府関連の会議であるならば、筆者の今回のような言動は、欠席した同志に伝えられることなく、すぐに抹消されたであろう。ところが、今回は違った。 ツイッターを代表とするメディアの登場によって、即時の連携が可能になり、さらに「抵抗勢力」の横暴を世に知らしめることもできるのだ。その強力なメディア、とくに15万以上のフォロワーを持つ孫氏のツイッターからの返信の影響は小さくなかった。 〈特定の記者以外に参加資格を与えない記者クラブの人々に「言論の自由」を語る資格無し。カルテルは、法律違反〉 筆者のツイッターのTL(タイムライン)に日本新聞協会の言論封殺を批判する言葉が連なった。だが、現実政治はそれほど甘くない。記者クラブ側の陽に暗に繰り返される抵抗は続いた。 〈総務省に指示をして調査をしている記者クラブの開放状況。そろそろ調査結果が出てくると思います。枝野さんが内閣に入ってくれたので、様々な改革を実現する道筋を立てやすくなりました〉 原口大臣憎しとばかり 騒動後、記者クラブ改革の旗手とも言える原口大臣は、直接的な表現を避けながら、このようなツイートを行った。そのためだろうか、翌日、原口大臣は露骨な嫌がらせを受けはじめる。それも実はツイッターを使いこなすジャーナリストの林信行氏が教えてくれたものだった。 〈読売新聞の原口大臣記事 「原口総務相釈明…ツイッターで津波情報流してた」 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100302-OYT1T00431.htm 何を釈明する必要があるのかわからない〉(林@ツイッター) チリ大地震の発生を受けて原口大臣は日本への津波対策にあたった。所轄大臣としては当然である。その際、原口大臣は、津波情報を自身のツイッターを通じて、早朝から深夜まで不眠不休で流し続けたのだ。 詳細な避難状況や政府の対応を逐一伝えた行為は褒められこそすれ、決して批判されるべきではない。だが、記者クラブメディアにしてみれば、原口大臣はいまや最大の「敵」である。どうにかして足を引っ張ろうという強い意志が見出しに現れたのだろう。 〈原口総務相釈明 ツイッターで津波情報流してた 原口総務相は2日午前の閣議後記者会見で、チリで起きた巨大地震に伴う津波の関連情報を自らのツイッター(簡易投稿サイト)に書き込んだことについて、「正確な情報を国民に伝えることを優先した」と述べ、理解を求めた。 そのうえで、NHKなど災害情報を発信する放送機関について、「もっと適宜適切に、公共放送も含めて横並びでない細かな情報が流れるように、双方向のシステムがあればいい」と指摘した。放送行政と総務省消防庁を所管する総務相が、災害放送が義務づけられる放送機関より、ツイッターの利用を優先させる考えを示したことは、今後、論議を呼ぶ可能性がある。 総務相は、地震発生後から、政府の対応策について平野官房長官らと行った協議など、計70件以上の情報を書き込んでいた。〉 だが、ネット上の批判を受けたためだろうか、読売新聞はすぐに自らの姿勢を改めた。といっても、その見出しを「釈明」から「弁明」に変えただだけである。その対応には、もはや姑息を通り越して呆れてしまう。 これは読売新聞の常套手段なのだろうか。言論機関でありながら、堂々と言論で勝負することを避ける。事前の質問封じ、見出しの姑息な変更――。そこには自由な言論を作ろうという意思も、読者のために事実を伝えようという姿勢も、微塵も感じられない。自らのつまらない既得権を死守しようとする必死さのみが伝わるだけだ。 記者クラブがどうなろうと筆者には一切関心はない。そうしている間にも日本のメディアの存亡の危機が迫っている。 先週と同じ言葉を繰り返そう。時代遅れの既得権を守って「ガラパゴス島」に閉じこもっても、その断崖の先に日本のメディアの未来はない。早く世界の現実に目を向け、本当の陸地を探す旅に出かけるべきなのだ。
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