投稿者 南青山 日時 2010 年 2 月 15 日 21:46:58: ahR4ulk6JJ6HU
http://japanimate.com/Entry/1344/
広告収入の激減に苦しむテレビ局。総務省が発表した2008年度の「一般放送事業者(地上系)収支状況」によれば、民放127社のうち60社が最終赤字を計上した。
スポット収入の下げ止まりと地デジ放送などの設備投資がヤマを越えたことにより、やや明るさも見え始めた。しかし放送収入全体の減少は歯止めがかからず、費用を削ろうにも番組制作費の大幅な削減は質の低下や視聴率低迷へとつながる負のスパイラルを加速させてしまう。人員削減などに手を付けることも視野に入れざるを得ない状況だ。
放送収入の減少の先にあるのはテレビ局の淘汰だ。その予兆はキー局のスポット収入の二極分化に見ることができる。
「まさかここまで広告が入らないとは思わなかった。番組の編成についても情勢を読み違えた」と語るのは「負け組」のTBS役員。2009年度の営業利益は21億円を見込むが、「赤坂サカス」の不動産収入の副業で稼いでいるに過ぎず、本業の放送事業では113億円の巨額赤字が見込まれている。
本業不振の最大要因は昨年4月の番組改編。ゴールデンタイムではテレ朝より下の4位が定位置となり、スポンサーが離れた。制作費の高い平日19時台を生放送のニュースにすることで、タレントのギャラやスタジオ代などを大幅に削減すると同時に視聴率も狙ったのだが見込みを誤った。
「われわれは小さな会社ですから、普通にやっても生き残れないですよ」テレ東のある社員は自嘲気味に話す。番組制作費は他社の半分以下、コスト削減の余地もほとんど無い。
強みを持つ経済やアニメ、旅行、演歌などと他社との差別化で勝負してきたが、視聴者層が50代以上に偏ってしまった。この世代はBSの視聴者層ともバッティングする。スポンサーニーズの高い若者の視聴者の少なさがスポット広告の低迷につながった。
「勝ち組」といえど大きな課題を抱えている。
フジ・メディア・ホールディングスは2009年度の営業利益予想を大きく引き下げた。子会社のフジテレビの放送収入は順調なものの、ニッポン放送、ポニーキャニオン、扶桑社、ディノスなどの子会社は収支トントンか赤字見込みと、足を引っ張っている。
さらにキー局は系列ローカル局の救済問題も迫られようとしている。
2008年の放送法改正で、認定持株会社になれば傘下に最大12局のテレビ局を持つことが可能となった。ただキー局によるローカル局再編は進んでおらず、総務省では放送持株会社の形態をとらなくとも33%までの出資を認める法案を今国会に提出する。
しかし「ローカル局の面倒を見る余裕などどこにもない」とキー局幹部は吐き捨てる。
民間の営利企業と免許事業の公共性との狭間で折り合いを付けることが今まで以上に難しくなっている。
週刊東洋経済2010年2月20日号(2月15日発売号)より
(南青山コメント)
新聞、雑誌に続いて、TVにもついに冬の時代がやってきた。
地デジ化とローカル局の凋落がキー局の足を引っ張り、ボディブローが効いている状態で、大量のスポンサー離れが襲っているのだ。
原因は簡単だ。世界を、日本を覆う不況である。
不況の原因は何か。一概にはいえないだろうが、大きな要因として、アメリカが中心となって推し進めたグローバリズムと金融資本主義、新自由主義、格差社会に有効な手だてを講じてこなかったつけが、世界を、日本を襲っているのだ。
そして、新聞も、TVも、そうしたグローバリズムと金融資本主義、新自由主義、格差社会の助長に手を貸してきた。
要するに、共犯関係にあったということだ。
新聞やTVが好きな言葉言えば、自己責任である。自業自得ということである。
これまでは、社会的弱者、経済的弱者が一方的に被害を受けてきたが、世界駆け巡る大津波は、新聞社やテレビ局にも、容赦なく襲いかかっているようだ。
状況を見ると、タレントの格下げや外注下請け会社の切り捨てではすまなそうで、本社のリストラ、給与カットも進む気配だ。
新聞やTVの地盤沈下は、何も不況のせいだけではない。
飛躍しすぎかもしれないが、百貨店がユニクロや無印、ファストファッションショップの登場で存在意義を失ったように、新聞やTVというマスメディア、エンターテインメントメディアも、twitterやブログ、ケータイやゲーム機、iPhone、iPodなどのパーソナルメディア革命によって駆逐されるのかもしれない。
世界的な不況は、そうした流れを後押しし、加速させているだけなのではないか。
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