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ニューヨーク・タイムズ東京支局長らが告発 「カルテル的な利益集団」記者クラブを放置すれば日本は海外メディアから捨てられる http://www.asyura2.com/09/hihyo10/msg/388.html
ニューヨーク・タイムズ東京支局長らが告発
岡田・亀井両大臣の例外を除き一向に進展を見せない鳩山政権の公約「記者クラブ開放」。これがいま、海外で大変な反響となっていることをご存じだろうか。この問題は、世界から新政権の実力を測る試金石と見られているのだ。 ニューヨーク・タイムズ東京支局長をはじめ、外国特派員記者らを直撃。記者クラブ問題への見解を聞いた。 日本の新聞、テレビは記者クラブ問題の存在を国民に知られることを恐れるためにほとんど紹介しないが、民主党政権になり、岡田外相、亀井金融相ら一部閣僚が記者会見を開放したことは、実は海外メディアから大きな注目を集めている。 例えば11月21日付ニューヨーク・タイムズは、国際面のトップに〈New Leaders in Japan Seek to End Cozy Ties to Press Club〉(日本の新しい指導者たちは記者クラブとの癒着関係に終止符を打とうとしている)という長文記事を掲載した。他にも、「元ニューヨーク・タイムズ東京支局記者(注・筆者のこと)が訴える 日本の官僚は記者クラブを通して全国民を洗脳している」と見出しを打った台湾の中国時報を始め、シンガポール国営放送、イギリスのBBCやエコノミストなど多くのメディアが筆者などを取材し、「キシャクラブ」問題を取り上げている。 海外メディアでこれほど関心が高いのは、「キシャクラブ」という異様な制度によって、外国特派員たちが実体験として取材の機会を阻まれてきたからでもある。 例えば、09年7月、麻生首相が衆議院の解散と総選挙の実施を示したあとの記者会見は世界的にも注目された。そこで、イギリスのインディペンデント紙東京特派員のデイヴィット・マクニール氏は、首相官邸に記者会見への出席を申請した。ところが官邸からは、出席はできるが質問はできないというオブザーバーでの参加しか認められなかったのだ。 「私は抗議の意思表明として30分間の記者会見の間、ずっと挙手し続けましたが、結局一度も指名されず、記者クラブの記者たちからも無視され続けました」(マクニール氏)
同年5月に行なわれた鳩山首相の民主党代表就任記者会見を思い出す。私が何度挙手しても一向に指されず、首相が「何で上杉さんを指さない? 最初からずっと挙げているじゃないか」と党広報スタッフを叱責したことで、ようやく記者クラブ問題に関する質問ができ、首相から「オープンにする」との言質を取れたのだ。 後日、会見を中継していたNHK報道局の幹部に私はこう言われた。「あの会見では絶対に上杉隆にだけは当てないようにクラブ側で事前に取り決めていたんだ」と。 私が1999年から3年間、ニューヨーク・タイムズ東京支局で記者として働いていた時代にも、記者クラブの壁にぶち当たった経験がある。 当時の支局長だったニコラス・クリストフ氏が、「君が代・日の丸法案」を国会で通過させようとしていた小渕恵三首相(当時)への単独インタビューを企画したことがあった。そこで、私が議員秘書時代の人脈を使って小渕事務所に取材を申し込んだところ、了承が得られたが、「ただし、新聞の『首相動静』欄のために、内閣記者会にインタビューの日時と場所を知らせておいてほしい」と求められた。そこで内閣記者会に連絡したところ、「インタビューは認められない」と拒否された。記者クラブになぜそんな権限があるのかと質問すると、「もし首相を単独インタビューしたいなら、内閣記者会に加入申請してくれ」と言われ、なんと申請の条件から、加入が認められてから首相への単独インタビューを実現するまでの手順を説明された。これでは、実現まで一体何年かかるかわかったものではない。 こうした事情は、鳩山首相が記者クラブの開放を公約に掲げた今も、全く変わっていない。
「カルテルに似た最も強力な利益集団」 今回、先のニューヨーク・タイムズの記事を書いた現在の東京支局長、マーティン・ファクラー氏にインタビューした。海外メディアの記者の生の声を聞いていただきたい。 記事の中で私は、記者クラブのことを「1世紀続く、カルテルに似た最も強力な利益集団の一つ」と書きました。記者クラブは官僚機構と一体となり、情報に関して独占的で、排他的な利益集団を形成しています。官僚機構に奉仕し、その意向を無批判に伝え、国民をコントロールする役割を担ってきたのです。これは、個々のメディアの政治的立場が保守かリベラルかに関係ありません。そのことをあらためて実感したのが、西松建設事件を巡る報道です。 記者クラブによるほとんどの報道が検察のリーク情報に乗るだけで、検察の立場とは明確に一線を画し、なぜこの時期に検察は民主党代表の小沢氏をターゲットにしているのか、自民党の政治家は法律上問題のある献金を受けていないのか、といった視点から独自の取材、分析を行なうメディアはなかったように思います。
西松建設事件の時、私も東京地検に取材を申し込みました。しかし、「記者クラブに加盟していないメディアの取材は受けられない」と拒否されました。以前ウォールストリート・ジャーナル東京支局の記者だった時には、日銀総裁の記者会見に出席しようと思い、日銀に許可を申請したところ、記者クラブに申請するよう求められました。記者会見への出席をメディアがメディアに依頼しなければならない、というのは異常なことです。仕方なく日銀の記者クラブに連絡したところ、当時の幹事社だった日本経済新聞社から「出席は認めるが、質問はできない」と言われました。 私は今回記者クラブに関する記事を書くため、金融庁記者クラブの幹事社である毎日新聞の記者に、開放を拒否する理由を聞きました。彼は「記者会見に出席した誰かが焼身自殺をしようとしたらどうするのか。誰がそのことに責任を取るのか」と言いました。彼自身は、記者クラブの問題を理解しているように見え、立場上仕方なくそう言ったのかもしれません。 記者クラブがカルテル状態にある限り、権力との間に適正な緊張関係を保ち、建設的な批判を行なうことはできず、必ず権力との間に馴れ合いが生まれます。最大の被害者は我々海外メディアではありません。日本の民主主義と日本国民なのです。 このニューヨーク・タイムズ東京支局には、私が在籍していた当時10人以上いたスタッフがいまは3人しかいない。ワシントン・ポストは東京支局の機能を支局長の自宅に移し、ロサンゼルス・タイムズにいたっては日本から完全撤退。いまや「民主党が記者クラブを開放しても外国人記者の数は減っているので、手遅れ」(アメリカ人の元在日ジャーナリスト)と言われる有り様なのだ。日本は記者クラブの壁に阻まれて取材がしにくいというのが、大きな理由のひとつだ。記者クラブ制度が日本からの情報発信を妨げている。
世界に記者クラブがあるのはガボンとジンバブエと日本だけ 海外に「キシャクラブ」は存在するのか。 アメリカの場合、ホワイトハウスでの会見は、日本のように記者クラブが仕切ることはなく政府主導。参加も基本的にオープンで、事前に申請して許可を得れば、どの国のどのメディアでも参加できる。「ホワイトハウス記者協会」なる団体があるが、日本の記者クラブとは違い、単なる親睦団体だ。 フランス、ドイツなど欧州各国も同様だが、イギリスには、英国議会にだけ記者クラブに類似したロビー記者と呼ばれる存在がある。ロビーパスにより議会への出入りを許された一部記者だけがオフレコ会見などで情報を得ていたのだが、97年に誕生したブレア政権によって、会見の一部が外国メディアなどにも開放された。ただし、議会を除けば省庁への取材はオープンである。 韓国でもかつては日本に倣って記者クラブが存在したが、03年に誕生した盧武鉉政権が記者クラブ廃止を宣言、影響力の強いネットメディア・オーマイニュースなどに門戸を開き、省庁の記者室を全廃し会見を合同ブリーフィングセンターに集約するなどした結果、記者クラブの解体が進んだ。 現在、日本に似た記者クラブ制度が残っているのはガボンとジンバブエ。先進国では日本だけという特殊な制度である。
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