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2009.12.11 「知日派」の正体をごまかすNHK
坂井定雄(龍谷大学名誉教授)
普天間基地移設問題で、自公政権とブッシュ政権が06年に合意した辺野古移設計画の実施表明を鳩山首相に性急にせまる、米国の傲慢な前政権の生き残りの“知日派”“専門家”たち。
その“正体”を読者・視聴者に知らせずに、数多い彼らへの批判を黙殺して、彼らの主張・発言ばかりを取り上げる読売、朝日など。NHKでは、「解説」はともかく、ニュース報道は自公政権が崩壊後、公正な事実報道への変化があるなと思っていたが、8日の「ニュース9」はひどかった。
この日、日経と米国の保守系有力シンクタンク(CSIS)の主催で日米関係をテーマにしたシンポジウムが東京で開かれた。米国側主催者、パネリストの顔ぶれは、ブッシュ政権の戦争推進に尽くした人たちで、シンポジウムが、日本政府に、自民党政権時代の日米合意実施を約束させ、鳩山首相の「自主的な日米関係」論を攻撃するのが目的だったことは、はじめから明白だった。シンポジウムでは、米側パネラーたちが恥じることもなく、「合意の実施なければ、合意そのものが崩壊し、日米関係に大きな打撃となる」「普天間基地はいつまでも残る」「合意が実施されなければ、米軍は有事に即応できなくなる」(坂井注:嘘だ。沖縄に海兵隊の基地を置く必要性など全くない)「一月の地元選挙まで待てば反対派が勝って、移設実施は不可能になる」などなど、発言した。
NHKはこのシンポジウムを午後7時のニュースで頭出しし、9時のニュースで「今日都内で日米関係をテーマにしたシンポジウムが開かれ、アメリカを代表する知日家が顔をそろえました」「アメリカ切っての知日家マイケル・グリーン氏が司会をつとめ・・・」と持ち上げ、普天間問題で鳩山首相を攻撃するこれら“知日家”の発言を伝えた。
だがこういうブッシュ政権の戦争に奉仕した“知日家”に「アメリカを代表」されてはかなわない、と思う知日家も、米国には多くいるはずだ。日本のメディアが外務省お好みの“知日家”に頼っているだけなのだ。
一例をあげると、ワシントンポスト紙電子版は5日、普天間問題を詳しく伝えた記事の中で、スタンフォード大学の日本専門家ダニエル・スナイダー氏のコメントを次のように伝えているー
「米国はまだ、八月の日本総選挙がもたらした重要な変化を、現実的に評価していない。日本の政治はいま、50年間に及んだ実質的な1党支配体制にはなかった道にいるのだ。
米国では、選挙と国内政治が外交政策に影響を及ぼすことはないのか?もちろんある。日本でもいま、それが行われているのだ。米国の当局者たちは、日本にもっと時間を与える必要がある」
各紙もNHKも十分承知なはずの、おもな米側パネラーの正体を紹介しよう・・・
マイヤーズ元米統合参謀本部議長:ブッシュ政権時代の米軍トップとして、イラク戦争を指揮した。元在日米軍司令官。
アーミテージ元国務副長官:ブッシュ政権時代の国務副長官。日本に対して湾岸戦争のときには「ショー・ザ・フラッグ」、イラク戦争では「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と再三発言して、自衛隊派遣を露骨に要求した。親子ブッシュ政権で日本に対するムチ役。イラク戦争を煽ったネオ・コンそのもの、あるいはそれ以上の好戦派。
グリーンCSIS上級顧問:ブッシュ政権の国家安全保障会議(NSC)日本・朝鮮担当部長。安全保障問題を専門にする研究者で、アーミテージに取り立てられ、ブッシュ政権に加わった。(了)