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産経新聞が1日付で、政府が<代替施設の現行計画を、沖合に移動させて危険性を弱めることで「年内決着」する方向で、 最終調整が進められている>と書いていたが、内閣は2日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題について、 結論を来年1月以降に先送りする方向で調整に入った(→朝日新聞)。 朝日新聞の3日付「普天間移設、年内決着断念へ 首相、与党連立を重視」の記事は、<ただ、年内決着を先送りしても、 防衛省が概算要求している名護市辺野古への移設関連経費は来年度予算に計上する方針。 米軍再編に関する日米合意そのものを破棄するわけではないとの姿勢を示すためだ。米側は日米合意の早期履行を強く求めており、 結論の先送りで日米関係が大きな影響を受けるのは必至だ>と書いた。 (JCJふらっしゅ:Y記者のニュースの検証=小鷲順造) こうした論調には私は実に疑問を感じる。早朝のテレビ朝日の番組でも同局のコメンテーターという肩書きの人が、 沖縄の実態を知れば知るほど、早期解決が大切だという趣旨の発言を勢い込んでやっていたが、その手の姿勢に私は到底納得できない。 沖縄タイムスの1日付社説「鳩山・仲井真会談 知事の真意が見えない」は、<仲井真知事に欠けているのは基地問題で、 将来展望を示すことができていないことだ>と指摘、 <大田昌秀元知事には2015年までに全面返還を目指す基地返還アクションプログラムがあり、辺野古移設を容認した稲嶺恵一前知事は、 15年使用期限、軍民共用などの高いハードルを設定した。仲井真知事は沖合にずらす以外、何の縛りも付けていない>とする。 その仲井真知事の姿勢は、<県外、国外移設がベストだが、これから作業を始めると時間がかかり、普天間が固定化される。 次善の策として辺野古沖合案を受け入れる>というものである。 これに対して同社説は、<最初から県内移設ありきであっては検証の意味がない。普天間を抱える伊波洋一宜野湾市長さえ 「必ずしも年内に決める必要はなく、いろんな道を探してほしい」と要望している。外国軍隊を60年以上も駐留させ、 しかも沖縄に集中させる基地のあり方が21世紀の市民社会に沿うものなのかどうか、 仲井真知事が鳩山首相に問うべきはそこではなかったのか>と指弾する。 まさにそういうことだろう。朝日新聞やテレビ朝日までがなぜ、「早期決着」を声高に叫び、米側の要求に擦り寄ろうとするのか、 まったく理解できない。あるいは与党・民主党内部の揺れる姿勢に翻弄されているのだろうか。 基地問題を解決するための姿勢のようにみせかけて、実は、在日米軍基地の問題を沖縄に押し込めて先送りしようとする姿勢でしかない。 そこにはオバマ米政権の核廃絶への道筋をどうかんがえるのか、それと太平洋地域に広がる米軍基地の問題はどうかかわるのか、 どう解決していくのかというビジョンが存在しない。テレ朝コメンテーター氏は、自分たちジャーナリストは政治家に説明を求める人間であって、 自分たち自身の側にビジョンはなくてもよいのだと突き放して考えているのだろうか。 これも日本の放送ジャーナリズムが陥っている蛸壺コメンテーターの寄せ集め状態を象徴するにほかならず、 責任回避と生き残りに汲々とする姿そのものなのだろうか。 琉球新報の2日付社説「橋下知事発言 本土も当事者意識が必要だ」は言う。 <日米安保が大切と言いながら、自らは痛みを引き受けず、沖縄に基地を押し付け我慢を強いる。 そんな心ない政治家が増えているとしたら、この国の政治は危うい>――この社説の指摘を全国で共有する必要があるだろう。 (こわし・じゅんぞう/ジャーナリスト会議会員) |