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2009-11-19 06:18:55 ----------------------------------- 「しんぶん赤旗」2009年11月18日 「坂の上の雲」何が問題か 二つのシンポジウムから(下)/司馬さんは映像化を拒み続けた 司馬遷太郎氏の小説「坂の上の雲」のNHKテレビドラマ化には、どんな問題があるのでしょうか。神戸市内で8日に開かれたシンポジウム「なぜ、いま『坂の上の雲』かを考える」では、中塚明・奈良女子大学名誉教授の基調講演後、各界のパネリストたちが多彩な視点から解き明かしました。 出席者は、石川康宏(神戸女学院大学教授)、土橋亨(映画監督)、羽柴修(弁護士)、牧俊太郎(元「大阪民主新報」編集長)の各氏。司会は湯山哲守さん(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表)が務めました。 司馬氏の小説を研究してきた牧さんは、司馬氏が生前、「ミリタリズム(軍国主義)を鼓吹しているように誤解される恐れがある」と語り、「坂の上の雲」の映像化を一貫して拒否してきたと指摘。「その理由が大事」だと語りました。 改憲論に批判的 なぜ映像化を拒んだのか。牧さんは、「坂の上の雲」が明治国家を賛美し国内の反戦・非戦の動きを描いていない一方、司馬氏自身が晩年に改憲論に批判的な言動をするなど、「『坂の上の雲』と乖離(かいり)した心情のゆらぎがあったのではないか」と推測します。 「極道の妻たちU」など、数々の作品を手掛けてきた土橋さん。制作者の視点から「司馬さんの作品はドラマチックだが、あくまでドラマであって、ドキュメンタリーではないということを押さえなくてはいけ 「ここ10年の改憲の動きと呼応するように、戦争を賛美するような映画が次々と作られてきた」という土橋さん。NHKが「坂の上の雲」の映像権を得た2001年は、日本軍「慰安婦」問題を扱ったETV番組が、自民党議員の圧力で改変された事件が起きた年と重なることなども指摘し、「危険で、うさんくささを感じる」と言います。 石川さんは、「坂の上の雲」で示されている「明治栄光論」は、「東アジアで起きている交流と平和の流れに、逆流を起こす役割を果たす」と、経済学の視点から解明します。 「中国を中心とした東アジア経済の台頭が著しいなか、地位が低下している財界もアメリカも、金もうけのためにも東アジアと仲良くする方向に向かわざるをえなくなっている。しかし、順風満帆でなくなった『明治栄光論』を仕掛けてくるところに、反動側の役割とあせりがある」 歴史知る好機に 「九条の会」で活躍する羽柴さんは、「来年5月に国民投票法が施行され、いよいよ改憲手続きができる政治情勢となったこの時期に、NHKが『坂の上の雲』を放送する影響は大きい」と言います。 羽柴さんは、「坂の上の雲」への批判だけにとどまらず「とくに若い人との議論は大きな課題。NHKドラマの放映を好機にしていきたい」と対話活動を提起。石川さんも「事実を知ることは大きな力になる。国民の話題になるのを機に、学びを広める取り組みが必要」だと語りました。 シンポジウム終了後、「坂の上の雲」の映像化にあたって「軍国主義賛美や他国への侵略を正当化するなどの描き方にならないこと」を求めた、福地茂雄NHK会長あての要望書が確認されました。 (おわり) 【関連ブログ記事】 問題を軍事的実利に還元し、思想を封印するレトリック〜『坂の上の雲』は軍国日本をいかに美化したか(第1回)〜
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10391708542.html から転載。
「坂の上の雲」何が問題か 二つのシンポジウムから(下)【しんぶん赤旗】
テーマ:電子版にない「しんぶん赤旗記事」
gataro-cloneの投稿
ない」と、「映像」の持つ強大な力と影響力を懸念します。
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戦争の不条理を問わず戦果に執心する好戦趣向〜『坂の上の雲』は軍国日本をいかに美化したか(第2回)〜
職業軍人の国家への至誠を美化する戦時思想〜『坂の上の雲』は軍国日本をいかに美化したか(第3回)〜