02. 2013年6月24日 07:28:05
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【第26回】 2013年6月24日 笠井奈津子 [栄養士、食事カウンセラー] なかなか痩せない人必見! BMIで違う本当に痩せるダイエット術 多くの人は、ちょっと(もしくは、相当に)増えた体重やお腹周りで「ダイエットをしなければ」と決意する。そして、その「まずい」という焦りは、時に急激な制限や極端な食生活によって、挙句の果てのリバウンドという過ちを引き起こしてしまう。 そんなダイエットにありがちなリスクを軽減するには、自分のBMIを把握して、ダイエットを進めるスピードを考慮しておくことが有効だ。BMIといえば、いわゆる、体格を評価する指標。身長と体重さえわかれば、下の計算式でいつでもどこでも求められる。 BMI=自分の体重kg÷(身長m×身長m) 例)体重70s、身長175pの人の場合→70÷(1.75×1.75)≒22.9 次に、出てきたBMIの数値を以下と照らし合わせてみよう。そうすると、客観的な指標で、自分が今、どのような状態かがわかる。 痩せ 18.5未満 標準体重 18.5以上25未満 肥満度1 25以上30未満 肥満度2 30以上35未満 肥満度3 35以上40未満 肥満度4 40以上 BMIを出してみると、ちょっと太り気味と思っていたけれど意外と標準体重なんだ…と思う人が少なくないかもしれない。たとえば、身長160pの人で標準体重となるBMI18.5以上25未満で計算するならば、47.4s以上64s未満の人が標準体重となるが、その数字には随分開きがある。BMIを基準に考えると、日本人が良しとする、もしくは、自身が望む体重よりも標準体重の方が少し多めに出ないだろうか? このように、標準体重といわれる数字には幅があるものの、日本人の場合、BMI22がもっとも病気になりにくく、それより低すぎても、高すぎても、病気の罹患率が高くなるとされている。ただ、中年以降の場合は、22よりも少し多め程度でも良いといわれているので、今回は、スマートでいられる上に、長く健康でいられる数値として、現地点でBMIが23以上の人をAタイプ、23未満の人をBタイプと考えて話していこうと思う。事実、この境目が、ダイエットスタート時の取り組み方の違いにもなる。 BMIが23以上の人は 「何をしても痩せる」 まずは、BMI23以上のAタイプの人がダイエットをするとき。これに該当した人は、ある意味ラッキーである。「何をしても太ってしまう」と思っているかもしれないが、裏をかえせば「何をしても痩せる」からだ。 Aタイプの人がダイエットをスタートしたときにすることは、いたってシンプル。まず、自分の体重が増加した要因となるものを思いつく限りリストアップしてほしい。この、思いつく限り、というのがポイント。書き出せれば書き出せるほど、痩せる確率は上がる。そして、できるかどうかはさておき、それらをどうしたら改善できるかの方法論も、現実的な範囲内でできるだけ書き出してほしい。たとえば、以下のようなことだ。 ・残業が多くなって、深夜の食事が増えた →途中、中抜けして夕食を食べるようにする →残業になることが読める日はランチにがっつり食べて 夜食分をコンビニで軽く買っておく ・暑くなってアイスを食べる機会が多くなった →夜中に食べるのだけは我慢する →カロリーが低いシャーベットに置き換える ・毎週やっていたフットサルをしなくなった →代わりにできる運動、エクササイズを検討する →何よりも優先してフットサルの予定を週末に入れる ・結婚して、自分で食事量がコントロールできなくなった →「夕食はいっぱい作らなくても良い」と恐れずに(!?)妻に言ってみる →コントロールできるランチにヘルシーなものを選択するよう意識する ・会社の周りに飲食店が少なく、予算内に抑えようと思うと ランチメニューがファストフードばかりになった →せめてポテトのセットはやめる →週の半分は自宅からおにぎりをもっていき、惣菜屋でおかずを購入。 ファストフードが続かないようにする。 ・毎日ポテトチップスを一袋食べている →小さいサイズに替える →ノンフライ製法のものに替える ・人より食べる量が多い →最初に野菜を食べるようにする →ごはんにこんにゃくマンナンを入れて炊く こんなふうに書き出してみたら、今一度、改善策をじっくりと見返してほしい。悩みは、頭の中にあるうちはなかなか整理されにくく、解決しにくい。でも、書き出して、そこから比較検討してみると、「これならできそうだな」というものがひとつはあるはずだ。それこそが、あなたがダイエットに成功するための“希望の星”。まずは1ヵ月間、「できそう」と思ったことだけを行動にうつしてほしい。 それが苦もなくできるようになったら、もうひとつ改善できることを付け加えよう。そうして、そのネタがつきたり、これ以上は食事内容を変えないとダメだな、というところまできたら、Bタイプのやり方に移行しよう。 え、それだけ?カロリー制限は?などと思うかもしれないが、ダイエットに焦りは禁物。最初に見直すべきは、食べ方そのものではなく生活習慣、というケースが少なくない。これまで、あなたは“太る生活”をしていただけ。リスクがひとつでも減ったら、当然太りにくくなる。BMIが23以上であれば、極端な制限をしたり、食に対して高い意識がなくとも、明らかに太る生活習慣を排除すれば、ある程度のところまで体重を落とすことができる。 運動に関しても、筋トレのような無酸素運動は、現体重と目標体重の中間地点にいってから始めるくらいがちょうど良いように思う。体重がしっかりとあるうちは膝や腰への負担が大きいのもあるが、まずは何をしても痩せる時期に最初から全力で取り組むと疲れて脱力してしまう人が少なくないからだ。 もしも、ジムなどに通っているのであれば、プログラムはトレーナーと相談してほしいが、今の時点で運動をしていないのであれば、いきなり体を鍛え始めたり、負荷が強い運動をするよりも、ウォーキングなどゆるめの有酸素運動を取り入れた方が良いだろう。 BMI23未満の人は 生野菜、果物、刺身の「酵素」で痩せる そして、目標が高くなるBMI23未満のBタイプ。「もっとお腹をひっこめたい」「下半身太りが気になる」など色々言ってみても、客観的には、BMIが23くらいまでであれば、幸か不幸か“肥満”ではない。特に太っているわけでもなく、特に太るような生活をしているわけでもないのに体重を落とすのは大変だ。それゆえ、ダイエットをしようと思うと、ちょっと極端な食事制限をすることになってしまいがち。栄養不足に陥って、結果的に代謝も落として太りやすい体になる…という“魔のサイクル”にひきずりこまれないように気を付けなければならない。 つまり、BMI23未満の人は、少し頭を使って食べる必要がある。食事カウンセリングをしていても、Aタイプであれば、1ヵ月で体重の5%ほどを落とせる可能性は高い。だが、Bタイプでは、身長に関係なく、月1〜2sくらいのペースで落としていくのがリバウンドをしない確実なダイエットの目安になるだろう。 では、一体、何に頭を使えば良いかというと、それは「酵素をいかに摂取するか」である。ダイエットドリンクとしてももてはやされている酵素は、本来、私たちは体の中に体内酵素として持ち合わせている。ただ、それが加齢によって減ってくるので、食物から補う必要があるのだ。さらにいうと、酵素は食べ物を消化吸収する際にも使われるので、日常において消費される一方である。そして、食事から充分に酵素が摂れず、体内酵素を消化にまわすようになると、エネルギー代謝など体内のさまざまな働きの方がおろそかになり、痩せにくくなるのだ。 代謝を落とさない、ということが、体型を維持する上でいかに大事か…20代後半以降の人はすでに実感しているはずだ。酵素は基本的に熱に弱いので、生の野菜、果物、刺身などから摂るのが良い。加熱した料理ばかり食べている人は、酵素不足に陥って、食べている量の割には痩せない、という人が少なくない。できれば、毎食一品。それができなければ、食べられるときに多めに摂る、というのを是非意識してほしい。 酵素に関してはまだ研究中のことも多いし、酵素やダイエットに限らず、○○が○○に効く、とは言い切れない。様々な栄養素が織りなす、様々な働きの結果だと思う。ただ、これまで担当してきた痩せる必要はないけれど痩せたい人のダイエットの多くは、生の野菜や果物を普段の食事に足してもらうことで成功してきた。もちろんそれは、不足していたビタミンや食物繊維を補ったことによる成果のひとつでもあると思う。でも、ビジネスマンが生のものを食べられる頻度も量も、意識しないとなかなか難しい。食事量を減らすのではなく、なにかひとつ、非加熱な料理に置き換える。これだけでも成果が出るとしたら、ちょっとやってみようと思わないだろうか。 |