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2013年6月14日 日刊ゲンダイ
俳優の突然死は 人ごとではない
<家庭内トラブルで血圧上昇>
まさに突然の悲劇だった。俳優・塩屋俊さんは、東日本大震災をテーマにした舞台「HIKOBAE」の千秋楽に臨む稽古中に、急性大動脈解離で息を引き取った。享年56。ほぼ同じような病気で石原裕次郎や加藤茶も倒れたが、サラリーマンだって人ごとではない。
東京都健康長寿医療センター・桑島巌顧問が言う。
「急性大動脈解離は高血圧の人ならだれでも起こす恐れがあります。まだまだ現役の40代、50代に多く、元気なサラリーマンも要注意です」
目標に向かって、目の前の仕事をバンバンこなし、病気とは無縁。そんな人が突然倒れたら、家族も会社も大変だ。どんな生活が危ないのか? 桑島顧問に聞いた。
商社マンのAさん(47)は、現地駐在員と連絡を取りながら、ブラジルとの取引拡大を狙う。時差は12時間で、日本が夜10時なら、ブラジルは同じ日の午前10時。向こうの時間に合わせ、帰宅してから電話で現場とやりとりすることも少なくない。何かあれば、ブラジルに飛ぶ。
寝る時間はせいぜい4時間。健康診断では、毎年のように高血圧を指摘されていたが、自覚症状がなく、受診するヒマもないまま、無視していた。
血圧は140台後半/100前後。放置していた高血圧を、ホップ・ステップで引き上げたのが、自分の親の介護に伴う妻とのトラブルだった。血圧は160台/110台に上昇。久しぶりに飲みに出かけた翌朝、急性大動脈解離で倒れた。解離した部位が、発症15分で20%が命を落とす危険なタイプだったが、九死に一生を得たという。
高血圧に睡眠不足を重ねて仕事をするのは、サラリーマンなら当たり前。家庭内トラブルだって、避けて通れない。でも、それがこの病気の下地をつくる。
「高血圧で動脈硬化を起こした血管は、ゴムが劣化したホースのように傷ができやすい。血管はバウムクーヘンのような3層構造になっていて、あるとき突然、内側の傷口から血液が流れ込み、2層目がはがれるのが、急性大動脈解離です。Aさんは、高血圧を放置して血管が劣化した。家庭内トラブルがダブルパンチになり、さらに飲酒が発症の引き金を引いたのでしょう」
30代以上の2人に1人が高血圧を発症しているが、治療を受けているのは2割のみ。8割の人は、血管が慢性的にダメージを受け、ボロボロのホースのようになっている。Aさんと同じだ。
「高血圧を悪化させる材料は、飲酒や喫煙、睡眠不足、家庭内トラブル、上司のストレス、部下の突き上げなど、サラリーマンにありふれたものばかり。Aさんのように〈オレは大丈夫〉と甘く見ている人は、無理をしてリスクを重ねやすいから危ないのです」
普通のサラリーマンは仕事量を減らすことはできないから、せめて食事や薬で血圧を下げた方がいい。
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