03. 2013年6月28日 10:49:25
: niiL5nr8dQ
食の研究所 > 特集> 日本食の先端科学 長生きしたければ抗酸化食品を 酵素と生食の真相を追う(後篇) 2013.06.28(Fri) 漆原 次郎 「酵素ジュース」で酵素を体に取り込んでも、胃で自分の酵素に分解されるだけ・・・。前篇ではそんな酵素の話を、機能性食品の専門家である愛知学院大学教授の大澤俊彦氏から聞いた。 「酵素の摂取」と関係の深いのが、食材を生のまま食べる「生食」だ。「ローフード」とも呼ばれる。加熱で失われがちな酵素などの成分を体に取り込むための方法として生食を実践している人もいるという。 大澤氏の話からすれば、生食で酵素を摂取したとしても、その酵素が体に作用する望みは薄い。だが、生食にはほかの作用もあるのかもしれない。 そこで、後篇では生食に関心の眼を向けて、再び大澤教授の話を聞くことにしたい。 生食と、加熱調理した料理を食べるのとでは、それぞれにどのような利点があるのか、改めて聞いてみた。また、生食の目的の1つである「アンチエイジング(抗加齢)」についても、食の点での大切なことを聞いてみたい。 生食と加熱調理食のメリット、デメリット ──「生食」あるいは「ローフード」と呼ばれる食事を実践している人がいます。加熱すると失われがちな酵素やビタミンなどを効率よく摂取することを目的としているようです。 大澤俊彦教授(以下、敬称略) 繰り返しになりますが、酵素については、食べて取り入れても体に吸収される可能性はあまりないと思います。外から入ってきたタンパク質である酵素を、私たちのタンパク質分解酵素が分解するからです。 だからといって、加熱調理した料理ばかり取ればいいかというと、そうは思いません。生の食材を取ることには他の良い点もあるからです。 ──生食には具体的にどのような良い点がありますか? 大澤 例えばビタミンCは加熱すると壊れてしまいますが、生の食材のまま食べれば、壊れずに体に取り込むことができます。 特に、生の食材をすりつぶして野菜ジュースや果物ジュースなどにすれば、植物の細胞壁が壊れるので、成分が体に吸収されやすくなります。 同じことは、ゴマでも言えます。ゴマには、ゴマリグナンなどといった、体内の活性酸素を取り去る作用のある抗酸化物質などが多く含まれています。しかし、ゴマをそのまま食べるよりも、すり潰してから食べる方が、こうした成分は体に吸収されやすいと言えます。 ──生食は、加熱調理した料理のデメリットを避けることもできると思います。加熱調理にはどのようなデメリットがありますか。 大澤 食材を加熱すると、タンパク質の構造が熱によって変わります。タンパク質と糖から、糖化タンパク質というものができるのです。その結果、消化性が悪くなるという作用が生じます。 大澤俊彦氏。愛知学院大学心身科学部健康栄養学科教授。名古屋大学名誉教授。農学博士。1974年、東京大学大学院農学研究科博士課程修了。オートストラリア国立大学理学部化学科リサーチフェローを経て、1978年、名古屋大学農学部へ。助手、助教授、教授を経る。2010年より愛知学院大学心身科学部学部教授、2011年より同学部長に就任。日本フードファクター学会理事長、日本ゴマ科学会会長、アスタキサンチン日本AOU研究会理事長、日本食品安全協会理事などを歴任。 また、肉などに含まれるタンパク質を加熱すると、ヘテロサイクリックアミンという発がん性物質に変わることも知られています。“お焦げ”の部分がそうです。もっとも、動物に一生お焦げを食べさせたとしてもそう簡単にがんにはなりません。人間が少しのお焦げを食べるだけでがんになるようであれば、すでに人類はがんで滅んでいることでしょう。
──逆に、食材を加熱調理して食べることには、どんなメリットがあるでしょうか? 大澤 まず、風味を良くするということがあります。有名なのはメイラード反応です。先ほどは、加熱でタンパク質と糖が結びつくと消化性が悪くなるという話をしましたが、逆にこの反応によって、いい香りも生まれます。褐色に色づいている食材の多くは、この反応が起きたものです。せんべいの香ばしさもそうですし、醤油の黒さもそうです。 それに、多くの食材では、加熱をすれば食べやすい状態になるというメリットもあります。生で食べるわけにいかない食材も、加熱すれば食べることができます。 生の食材にも、加熱調理した料理にも、メリットとデメリットがあるわけで、その人が何を大事にするかという問題ではないでしょうか。 フルーツには糖分に優る利点がある ──生の食材の代表格であるフルーツについてお聞きします。ビタミン類が含まれるので、生で食べる意義はありそうですが、糖分の取り過ぎにつながらないかと心配する人もいるようです。 大澤 糖尿病の専門医などには、果糖の取り過ぎになるからフルーツは食べない方がいいと主張しておられる方もいます。フルーツが果糖の摂取源になるのは確かにそうでしょう。
しかし、フルーツには、それを考えても有り余るほどの体へのメリットがあります。 例えば、柑橘類の黄色い色素の多くはカロテノイド類という色素によるものですが、なかでも温州みかんに多く含まれる「β-クリプトキサンチン」というカロテノイドが、がん予防の点で注目されています。この色素は、発がんの初期段階や、促進段階において、強い発がん抑制作用を示すことが分かっています。 また、グレープフルーツやはっさくなどに多く含まれる「オーラプテン」という香り成分は、皮膚がん、大腸がん、舌がん、食道がん、膵臓がんなどの抑制効果を示しています。活性酸素を除去したり、解毒酵素を誘導したりする作用に基づくことが明らかになっています。 柑橘類以外に、ベリー類も注目されています。ブルーベリーの皮には「アントシアニン」という色素成分が10種類以上も含まれています。アントシアニンには、眼の網膜にある色素体の再合成を促すなど、視力機能改善作用があるのです。 フルーツには、がん予防作用を中心に多くの機能があります。糖分のことだけでなく、全体的なことを考えた場合、フルーツを取るのはとても良いことだというのが、私の考え方です。 食事で“健康な死”を迎える ──生食を実践する人の中には「アンチエイジング(抗加齢)」を目的にしている人もいると思います。そもそも、アンチエイジングを目指すには、どのようなことをすればよいのでしょうか? 大澤 アンチエイジングには、運動と食生活のどちらも大事だと思います。 運動の方は、過剰にやると体に酸化ストレスをかけてしまうので、適度にやるのがよいでしょう。 食生活の方では、いくつかの重要な物質を含む食材を取ることが大切になります。 まず、抗酸化作用を持った食材は、アンチエイジングに効果的と考えられます。例えば、ウコンに含まれるポリフェノールの一種「クルクミン」には、抗酸化作用があるということを発表しました。また、ぶどうの皮や赤ワインに含まれる「レスベラトロール」というポリフェノールも抗酸化作用があります。 脳の老化防止に関する研究も進んでいます。 よく、魚に含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」を摂取すると記憶力が増すと言われます。しかし、魚だけでなく、加えて「イソフラボン」というポリフェノールを含む大豆などを合わせて食べると効果があるという研究結果があります。 その研究は愛知県の大府市民を対象にしたもので、常的にDHAだけ、あるいはイソフラボンだけを摂取している人たちには、どちらも摂取しない人と比べて推定IQに有意な差は見られませんでした。しかし、両方を摂取している人たちの推定IQは、3〜4点高かったのです。魚も八丁味噌も食べている大府市民などは、これに当てはまります。 また、エビやカニの甲羅やサケなどの赤い部分の色素である「アスタキサンチン」に、神経細胞のアポトーシスとよばれる細胞死を抑制する効果があることが分かってきました。神経細胞のアポトーシスをもたらす「DHAヒドロペルオキシド」という物質は、その過程で活性酸素を生成します。アスタキサンチンは、過剰に発生する活性酸素を抑制する一方で、“アポトーシスの司令塔”ともされる細胞のミトコンドリアの機能は保護します。このような仕組みで、アスタキサンチンが神経細胞のアポトーシスを阻止していることが分かりました。 ──活性酸素などを抑制する「抗酸化作用」を持つ食材が重要のようですね。 大澤 ええ。老化には大きく2つの説があります。1つめは、「遺伝子プログラム説」というもの。動物には、老化の過程は遺伝子にプログラムされているという考え方です。そのため、人間がいくら生き抜いても、125歳くらいが最大限と言われます。 2つめが「フリーラジカル説」というものです。私たちの体は、生まれてからというもの、フリーラジカルや活性酸素といった物質にさらされ、これらが遺伝子を傷つけることで老化が進むとする考え方です。 遺伝子にプログラムされた老化や死には抗えないとしても、抗酸化作用のある食材を食べる生活をすれば、ずっと健康でいながら死を迎えるという、“理想的な老化”を目指すことができるでしょう。ここで挙げたような食材の成分には、健康寿命を伸ばすことの期待が持たれているのです。 前のページ 1 2 3 4 長生きしたければ抗酸化食品を(06月28日) 「酵素ジュースできれいになれる」は本当か?(06月21日) 競争激化のコーヒー市場、最前線を追う(06月07日) 芋、麦、蕎麦・・・、風味を際立たせる技術とは(05月31日) 「劣悪なる酒」を一変させた明治の技術革新(05月24日) ⇒この連載の記事一覧へ 長生きしたければ抗酸化食品を (06月28日) 京味ものがたり 高野豆腐と生麩 (06月28日) 第7回3色そうめんと野菜の揚げ浸し (06月25日) なかなか痩せない人必見!BMIで違う本当に痩せるダイエット術 (06月24日)
細菌とウイルス 二木 芳人=昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門教授 >>バックナンバー2013年6月28日(金)1/1ページ はてなmixiチェック 0 今日の診察:細菌とウイルスの違い 細菌とウイルスは、言葉としてはよく耳にするが、その性質や違いなどについては意外と知られていないことも多い。大きな違いは構造と大きさ。いずれも数百万にも及ぶ種類があり、それぞれに個性があるが、解明されているものはまだほんの一部だ。抗生物質での治療は、細菌による感染症には有効だが、ウイルスによる風邪などには効果がない。風邪には安静が一番だ。 風邪症候群をはじめとする感染症をもたらすのは病原体である。病原体の種類にはいくつかあるが、その主なものが細菌とウイルスだ。ほかには真菌、寄生虫、原虫、クラミジア、リケッチアなどがある。 細菌やウイルスという言葉はよく耳にすることがあると思うが、その性質や違いなどについては意外と知られていないことも多い。 細菌とウイルスの大きな違いは、構造と大きさだ。細菌は生物であり、細胞を持っているので、細胞分裂を繰り返して増殖する。一方のウイルスは生物ではなく、たんぱく質の固まりである。そのため自ら増殖することはできず、人の細胞などほかの生命体に寄生して増殖していく。 細菌の大きさは1〜5マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、顕微鏡で見ることができる。ウイルスは細菌よりずっと小さく、50〜100nmナノメートル(ナノは10億分の1)程度で、電子顕微鏡でやっと見える大きさである。 病原菌やウイルスには数百万にも及ぶ種類が存在する。それぞれに個性があるが、解明されているものはまだほんの一部にすぎない。細菌による感染は、細胞や組織が直接的にダメージを受けるため、症状が早く発現する傾向がある。ウイルスには人に感染するものとしないものとがあり、感染様式や経路は様々である。感染するとすぐに発症するもの、感染しても症状が表れないもの、感染してから何年も人体に潜んでいて、免疫力が落ちた時に発症するものなどいろいろだ。 ウイルスにより風邪は安静が一番 細菌による感染例としては、O-157をはじめとする腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌、ボツリヌス菌などによる食中毒、結核菌による結核、破傷風菌による破傷風、肺炎球菌などによる肺炎や中耳炎、様々な病原菌感染が引き起こす敗血症(全身性炎症反応症候群)などが挙げられる。感染経路も飛沫感染(経気道感染)、経口感染、経皮感染など様々ある。数年前には多剤耐性緑膿菌による院内感染が話題になった。 細菌による感染症と分かれば、抗生物質(抗菌薬)による治療が主になる。抗生物質を使用する限り、細菌は生き延びるために突然変異を起こす。その進化が耐性菌を作り出す。 ウイルスによる主な感染症には、風邪症候群、インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘(水ぼうそう)、ウイルス性肝炎、帯状疱疹、エイズなどがある。ウイルスに対する特効薬はまだない。人間の持つ免疫力が、体内に侵入したウイルスと闘うことが治療につながる。 その一助となるのが、特定のウイルスに対するワクチンだ。例えば、麻疹や風疹、おたふくかぜ、ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)、日本脳炎などのウイルスに対しては、ワクチンによる抗体で発症を予防できる。しかし、HIV(エイズウイルス)をはじめとする多くの感染症のウイルスに対するワクチンは、まだ開発段階にあるのが現状だ。 風邪の原因となっているのは、90%以上が細胞を持たないウイルスによるものである。よって、細胞に働きかける抗生物質では、治療効果は望めない。さらに言えば、肺炎やある種の気管支炎以外には、薬の処方は不要だろう。咳止めや解熱剤などが処方されることもあるが、それは各症状を和らげる対症療法でしかない。 だが、風邪でも抗生物質が効くと思っている人は多く、患者が要望すれば処方する医師もいる。双方の意識改革が求められる。 風邪を引いたと思った時には安静を保ち、3日経っても改善しないようなら、医師の診察を受けるといいだろう。(談話まとめ:杉元 順子=医療ジャーナリスト) 心と体(日経ビジネス2010年10月18日号より)
肩凝り・腰痛も改善! やせやすい体になる「男のほぐしヨガ」 2013年6月28日(金) 中能 泉 ※この記事は日経ヘルス for MEN「筋トレで腹を凹ます」をもとに再構成しました。 「ヨガってなんか難しそうなポーズをとる、女子がやるものでしょ」なんていってるキミ。実は、ヨガは男にこそ必要かもしれない。というのも、ヨガは肩凝り、腰痛、頭痛などの不調を改善するのに最適なのだ。そこで、誰でもできるシンプルな動作で効き目の高い「ほぐしのヨガ」を教えてもらった。仕事の合間の気分転換にも取り入れよう。 首ほぐし 首が凝ったなと思ったら、この首ほぐしを。片手で後頭部を押さえ、片手で首の凝りをほぐすだけ。凝った所を重点的によくもみほぐそう。手を逆にして同様に 片手で後頭部を押さえ、もう一方の手で首のすじをギュッギュッともみほぐす 手を逆にして、逆側の首筋をよくほぐす。あごを少し上げるとほぐれやすい 石井三郎さん ファミリーヨガ主宰 ファミリーヨガスクール主宰。国内外でヨガを指導している。「ヨガのポーズは全身のストレッチ。体と心をゆるめてほぐすので、筋肉の痛みも解消。難しく考えずにやってみましょう」 パソコンやデスク作業で首はパンパン、肩の凝りはひどくなる一方。凝りとは筋肉のこわばりのこと。悪い姿勢を長時間続けると筋肉が固まり、血流やリンパの流れが悪くなる。放っておくと痛みを引き起こす。そうなると、なかなか解消できない。 「働き盛りの男性は特に凝っている人が多い。男性はもともと女性に比べ筋肉量が多く、体が硬いため、常に体をほぐすことが有効」とファミリーヨガを主宰する石井三郎さんはいう。実は石井さん自身も体が硬く腰痛などに悩まされ、ヨガを通じてたどりついたのが「ほぐし」の動作だという。 ほぐしの動作は実にシンプルで簡単だ。大きな動作ではなく小さな動作でいい。 「男性は特に股関節(こかんせつ)と尻が硬い。ここをよく緩めてほぐすことが腰痛対策にも重要」と石井さんはアドバイスする。 「腹をほぐすことで、内臓の血行を良くし免疫力もアップする。腰痛の予防にもなる」と石井さんはいう。 まずは、簡単なほぐしヨガから、実践してみよう。 肩ほぐし 肩が凝っている人には、このほぐしが必須。両手両脚を腰幅に開き、肩を左右に揺さぶりほぐす。手のひらの向きを変えるだけで、違う部位がほぐれる。首は振らないように注意。 両手の指先を前に向けて床につき、左右に体を揺さぶる動きを20〜30回行う 両手の指先を外側に向けて床につき、左右に体を揺さぶる動きを20〜30回行う 両手の指先を体の内側に向けて床につき、左右に体を揺さぶる動きを20〜30回行う 肩甲骨ほぐし 凝り固まった肩甲骨をほぐすと肩から首にかけてがすっきり。床に座り手を後ろにつき、胸を張り、左右の肩甲骨を寄せる。肩甲骨を寄せる、開くを、蝶が羽ばたくようなイメージで繰り返し動かそう。 初めは、片方の肩だけ動かして、慣れたら左右同時に。手の幅を広げた方が効果が高まる 後ろから見ると… 腹ほぐし 前屈ができない人は、腹が凝り固まっている可能性大。入念に腹をほぐそう。立ちポーズで、腹のポイントに両手の指を当て、前に体を倒す。指は親指以外の4本をそろえて使う。各10回を目安に。 腹が硬く曲がらない 男性は特に腹の硬い人が多い。腹は普段からもんで緩めるといい 腹をもみほぐす 立ったままでも、前傾すると指に自重がかかる。しっかり押せるはずだ 脚のつけ根の鼠蹊部(そけいぶ)の腹側(1)とその上部(2)、みぞおちの下(3)、へその左右(4)、と合わせて8カ所を指でよくもみほぐす。硬い所は少し多めによく緩めよう 腹が緩んで曲がるようになる 腹を緩めると、前屈がより曲がるようになるはず。ぜひ試してみよう 足ほぐし ヨガでは手先や足先は“気の入り口”。足先が凝っていると気の巡りも血の巡りも悪くなる。足の指と手の指で握手をする感じで組み、グルグルと回して全体をほぐそう。逆の足も同様に。 足首を大きく回すようなイメージで、足全体をほぐす。冷えにも効果的だ 尻ほぐし 床に座り、両手を後ろに置き、片側の尻を上げてもう片側の尻で床をこするように前後左右に揺さぶる。20〜30回ほど行ったら逆の尻も同様に。尻が凝り固まっていると腰に負担がかかる。尻ほぐしは念入りに。 両手は体からやや離した位置に置く。尻に体重をかけるようにしてほぐそう ファミリーヨガ インストラクターの田岡智子さん ファミリーヨガのヨガインストラクター、田岡智子さんに今回教えてもらったのは、肩凝りや腰痛対策にもなる、比較的簡単にできるポーズ。実際にやってみると、普段いかに動かしていない筋肉が多いかがわかるはず。でも、体がぐ〜っと伸びて、不思議と気持ち良くなってくる。 「そもそもヨガのポーズというのは全身のストレッチ。一般的なストレッチと違う点は、動作と呼吸と意識を合わせること。それによって、筋肉が無理なく伸ばせる」と石井さんはいう。 重要なのは、動きと呼吸と意識を合わせること。これをヨガでは「三密(さんみつ)」といい、それによって生命の力をよりよく引き出せるという。 「ヨガはポーズをとるためのものではなく、呼吸と意識と体を合わせ、バランスのとれた健やかな体にすることが目的」と石井さん。現代社会は、環境も食事も偏りやすく、体は常にバランスを失いがち。仕事に追われ神経が張りつめたままの働き盛りの男性には、ヨガは効果を発揮するはずだ。少しの間でいいから、まずは深呼吸。リラックスした気持ちで、体の隅々まで意識を感じながら体を伸ばしてみよう。朝晩行うと効果が高まる。こまめに体をほぐしていこう。 ヨガインストラクターの田岡さんとポーズに挑戦! さらなるほぐしで肩や腰を軟らかく ツルのポーズ 肩や首の凝りをほぐすのに効果的なポーズ。仕事の合間などに行ってもスッキリするはず。体を倒すときに股関節を曲げるようにするといい。背中で手を組めない場合はタオルを使ってもOK。 肩幅に脚を開き、手を真っすぐ後ろで組む 脚を腰幅に開いて立ち、両腕を背中に回して手のひらを組む。息を吐きながら、体を前に倒す そのまま息を吐きながら体を前に倒す さらに額とひざが近づくように曲げていき、この姿勢のまま5回深呼吸したら、元に戻る 二の腕をぐるぐる回す、肩の凝りと背中がほぐれる 二の腕を回すポーズ 肩と背中をほぐすにはこれ。二の腕を大きく回すと肩甲骨がよく動いて緩む。周辺の筋肉がほぐれると呼吸が深くなり、首肩の血流もアップする。前に回したら、後ろにも回そう。
肩に手を添えてひじを持ち上げる 正座か、いすに腰かけ、背すじを伸ばし、両手を軽く肩にそえる。ひじを肩と水平になるように上げる ひじを前から上、上から後ろへ円を描くように ひじを前から上に、上から後ろへ円を描くように回すのを繰り返す。同様に後ろから前にも回そう 背中から肩甲骨がゆっくりほぐれる 手旗のポーズ 背中から肩甲骨にかけてをほぐす動作。片手を上げて上半身を後ろにひねることで、背中が反った状態になり、肩甲骨や背中がよくほぐれる。呼吸を気にしながらゆっくり行う。20回。
左手を上げ、体を反らしながら右後ろにひねる 左手を上げ、上半身は右後ろにひねる。顔も一緒にひねり、視線は足元へいくように 肩幅に足を開き、右手を上げ体を左後ろにひねる 肩幅に足を開き、右手を上に真っすぐ上げたまま上半身を左後ろにひねる
横から見ると… 雑巾を絞るように腕をねじり肩すっきり 腕をねじるポーズ 日常生活ではあまりしない、体をねじる動き。ここでは凝り固まった腕の筋肉をねじることで、刺激してほぐそう。雑巾を絞るイメージで、右と左の腕を逆側に回すのがポイント。 顔を左に向け、両腕を上下にひねる 顔を逆サイドに向け、同様に両腕を伸ばし、腕をひねる、元に戻す。それを繰り返す 顔を右に向け、両腕をひねる 両腕を伸ばし、右は手のひらを上から後ろ側へひねり、左は下から前側にひねる。何回か繰り返す 脇腹から腰をしっかり伸ばして姿勢も改善 つり針のポーズ 普段あまり伸ばすことのない脇から腰にかけてをストレッチ。引き締め効果もあり、姿勢や内臓の位置の偏りなども改善できる。肩凝りの解消にも◎。順番通りにゆっくり行う。逆側も同様に。
【1】脚を開いて立ち、両手を真っすぐに広げる 腰幅の2倍ぐらいに両脚を開き、親指とかかとを平行にして、両手を広げて立つ 【2】片側の腰の腸骨を突き出す 両手を横に伸ばしたまま、重心を移動して、片側の腰の腸骨を突き出す 【3】上げた腕を耳につけて伸ばす 腕を耳につけるように体を倒し、下の腕はふくらはぎの脇に伸ばす。ゆっくり元に戻り、逆も同様に 【4】上の手先を見ながら上体を横に倒す 腰を突き出した方の腕を上げながら、逆方向に体を横に倒していく。腕が真上に来たら、手のひらを返す (構成・文/中能 泉=なかよくオフィス、写真/高瀬 博、イラスト/井上コトリ) 悩み解消!自信復活!オトコの健康
健康診断が近づくと結果が怖くて夜も眠れないような、働き盛りの、主に男性のビジネスパーソンに捧げる健康コラム。人間、生きている以上は老化にあらがうことはできない。肥満や体力の衰え、血圧、カラダの臭い、薄毛・・・歳を重ねるとともに、オトコの悩みは増える一方。どうしようもないと諦めるのはまだ早い。問題解決の第一歩は、正しい情報を得ることから。カラダのメカニズムを知り、適切に対処すれば、バリバリ働けるカラダを手に入れられる。まだまだ第一線のオトコでありたいと願うすべての読者のみなさん、必読です。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20130611/249507/?ST=print |