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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121218-00000000-sasahi-hlth
週刊朝日 2012年12月28日号
激しい下痢や嘔吐を引き起こすノロウイルスが全国を席巻している。患者数は2006年に次ぐ史上2番目のペースで急増中だ。
国立医薬品食品衛生研究所第四室長の野田衛氏は、「ノロウイルスの変異が、今年の流行につながっているのではないか」と指摘する。
「ノロウイルスには約40種類のタイプがあるのですが、06年に大流行したのは、『GII/4』と呼ばれるタイプでした。そして今年1月に、その『GII/4』が変異したウイルスが北海道や大阪市で見つかり、その後も全国各地で散発的に見つかりました」
10月に新潟県長岡市の福祉施設であった集団感染の患者からも、変異した「GII/4」が見つかっているほか、全国18都道府県で変異タイプが見つかっている。
「06年の大流行では、老人ホームでの集団感染が多く発生しました。今年も老人ホームでの集団感染が目立ってきています。高齢者は、抵抗力が弱いうえ、ウイルスが変異すると、免疫も効かないことから発症してしまうのです」(野田氏)
感染力が非常に強いのもこのウイルスの特徴だ。わずかな量が食べ物に付着したり、患者の排泄物が飛沫とともに口に入ったりしただけで感染してしまう。たとえば、患者から排出された大便の耳かき一杯ほどの量の中に、200万人を感染させるウイルスが存在するのだという。
国立感染症研究所感染症情報センター主任研究官の安井良則氏は、こう話す。「保育園や幼稚園など小児の集団施設でウイルスが流行しています。感染した子供の嘔吐物や下痢便を片づけるとき、ウイルスが手に付着して、施設で働く人や子供の口に入って感染してしまうことが多い。非常にやっかいなウイルスです」。
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