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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20121204/dms1212040712005-n1.htm
2012.12.04 夕刊フジ
冷え込んで肌の乾燥状態が続くと、顔や手などの露出部分がガマンできないほどかゆくなることがある。この「寒冷じんましん」には、時として命にかかわる大きな病気のシグナルが隠されているというから油断大敵だ。
【中高年は要注意!】
冷たいコップを手にしたり、寒い季節の外気に顔や唇が触れたりしたときなどに、強烈なかゆみや発疹、皮膚の腫れが起きる。これを「寒冷じんましん」という。
ビールなど冷たい飲み物をよく飲む夏にも発症するが、気温が低下する11月頃からは、病院を受診する患者が増える。
通常のじんましんと異なり、中高年には大きなリスクが潜んでいることがある。たとえば、梅毒やヘルペス、リウマチやウイルス性肝炎、がんや悪性リンパ腫などが隠されているかもしれないのだ。
三鷹はなふさ皮膚科(東京都三鷹市)の花房火月院長が説明する。
「若年者の寒冷じんましんは原因不明だが問題はなく、半年から数年で完治することがほとんど。怖いのは中高年。普通のじんましんと異なり、患者の5%程度にリスクの高い病気が見つかることがある。寒冷じんましんは、普通のじんましんと異なり、血液系の病気との合併頻度が高いのが特徴。原因の病を治療すれば寒冷じんましんもよくなる。血液検査などで異常値があれば、さらに詳細な検査をして、原因疾患を見つけることになる」
まさに、「皮膚は内臓の鏡」というわけだ。
【素人診断は禁物】
「寒冷じんましん」は、ラップに包んだ氷を前腕に当てて、5分以内に氷の形で発疹や強いかゆみが出るかどうかで医師が診断する。「つい自分でやってみたくなるかもしれないが、絶対に自宅ではやらないでほしい」と花房院長。
急性アレルギーの一つであるアナフィラキシーショックを起こし、まれに命を落とす可能性もあるからだ。
病気に気づかないまま、ジョギング後に汗のついた衣服を着替えずにいたりプールで泳いだりして、結果的に身体を冷やし、ショック死してしまった例も中にはあるという。
次の症状が同時に起きたら、すぐ皮膚科専門医の診断を仰ごう。
コップに入った冷たい飲み物を持ったり、水で皿を洗ったり、寒い部屋に入ったり、外出したりしたとき、手や顔など露出した個所が急にかゆくなった。これに加え、腫れや発疹が出た、という症状だ。
この病気と診断されたら、「寒くて湿度が高く風の強い日には特に注意する。外気温が4度を下回るときには外出は控えること」(花房院長)。
どうしても外出する際には、皮膚が外気に触れないように手袋やマスク、マフラーなどで皮膚を防御する必要がある。
【治療法】
梅毒やヘルペス、リウマチやウイルス性肝炎、がんや悪性リンパ腫などが原因でなければ、抗ヒスタミン薬の投与で症状が抑えられる。
続けて服用することで、半年から数年で完治する。抗ヒスタミン薬は種類が多いので、個人に合うものを処方してもらう。
やってはいけないのが「身体を温める」ことだ。絶対に入浴やカイロなどで体温を上げてはいけない。寒冷刺激で血管が開き、ヒスタミンの分泌が増えてかゆみが出ているのに、さらに血管を開かせ、悪化させてしまうのだ。
たかが「じんましん」と思うなかれ。あなたの身体が発する叫び声かもしれない。
■こんなときに出やすい「寒冷じんましん」
□冷たいコップを手に持つ
□冷たい飲み物を口にした後の唇
□水で皿を洗った手
□暖かい部屋から寒い部屋に入ったときの手や顔、足
□ジョギングのあとで冷えた身体
□気温の低い日に朝一番で外に出たとき感じる息苦しさ
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