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【第768回】 2012年11月21日 週刊ダイヤモンド編集部
ノンシリコン vs シリコン
効能をめぐりシャンプー論争勃発
薬局やスーパーの店頭を占拠し、ネット上でも話題となっている「ノンシリコンシャンプー」。髪や地肌にやさしいという宣伝や口コミで人気を集めてブームになっているのに対し、シリコン入りのシャンプーを多数販売している大手メーカーは「シリコン入りでも問題はない」と見解を出して反撃している。消費者は何を信じてシャンプーを選べばいいのだろうか。
ノンシリコンシャンプーのブームが始まったのは、2〜3年前のこと。当初は、美容室が顧客に販売しているプライベートブランドの高級シャンプーや、頭皮をケアして育毛を支援する男性向けのプレミアシャンプーとしてじわじわと人気が出た。1本当たりの価格は数千円と非常に高額だった。その後、薬局やスーパーで購入できる比較的安価な商品が登場したことで全国的なブームとなった。女性の場合は美しい髪を求める層に、男性の場合は薄毛対策を求める層の心を掴んだ。
ノンシリコンの宣伝はやや過激な場合がある。従来から販売されているシャンプーの多くはシリコンが配合されており、シリコン配合のシャンプーを“悪者”として扱っている。「シリコンは地肌の毛穴に詰まる」「シリコンはパーマ・ヘアカラーに悪影響を与える」「シリコンは有効成分の浸透を妨げる」などのトラブルが発生しやすいと指摘し、ノンシリコンは髪や地肌にやさしいと主張するわけだ。
ノンシリコンシャンプーで現在、ヒット商品となっているジャパンゲートウェイの「レヴール」は「1000円以下のノンシリコンシャンプー」をキャッチフレーズとし、ユニセックス向けの「スリーボム」ブランドとともにスーパー、薬局に並んでいる。同社はホームページで「シリコンは(中略)その後のトリートメントなどの成分の浸透を妨げてしまうこともあります」(スリーボム)、「ノンシリコンだから美髪成分(保湿成分)が浸透しやすい」(レヴール)と謳っている。
一方で、シリコン入りシャンプーを多数販売している大手メーカーの花王と資生堂は、シリコン入りに問題はないという見解をホームページに掲載。ノンシリコン派の主張と大きく隔たりがある。
花王は昨年末にシリコンに対する見解を公開した。「通常の使用方法で、地肌の毛穴のつまりを起すことはなく、成分の浸透を妨げることがないことを確認しています」「シリコン配合有無によるパーマ・ヘアカラーの効果の違いは見られません」と主張している。
資生堂も同様に、「シリコンが抜け毛やダメージの原因になるという考え方が広まっています。しかし実際には、シリコンが毛穴に詰まったり、毛髪や地肌に悪影響を及ぼすことはありません」「シリコン配合のシャンプーとシリコンを配合していないシャンプーでは、どちらも毛髪や地肌に悪い影響を及ぼすことはありません」と記載している。
いったい、どちらの主張が正しいのだろうか。
大手化粧品会社の研究員の経歴を持つ、コスメコンシェルジュの小西さやかさんは「シリコンが髪や頭皮に悪いという論文は見当たりません」という。むしろ、「シリコンが、髪のダメージによるキューティクルのリフトアップ(剥離)の防止に有効という論文があります」と小西さん。つまり、データに基づく学術的な世界では、シリコンが悪者であるという学説は今のところ市民権を得ていない。シリコンを利用するようになって数十年を経てもそうした論文が発表されていない状況からみて、今後も有力な学説となる可能性はあまり期待できない。
ノンシリコンを中心に販売するジャパンゲートウェイに、シリコンが有効成分の浸透を妨げているデータや根拠を問い合わせたところ、「(製造を委託している)OEMメーカーが効能などについては検証しているが、データの開示はできない」と回答するにとどまった。
花王は「シリコンが髪や頭皮に悪影響を与えているという学術論文は見たことがなく、問題はないと考える。少なくとも自社の製品については、通常の使用方法であれば、毛穴につまりを起すことはないことを確認している」と説明する。
結論として、シリコンが髪や頭皮に悪影響を与えるという説は、今のところ根拠が薄い。シリコンの有無で商品の優劣は決まらないということだ。
宣伝文句に振り回されないためにも、シリコンの役割を知っておこう。シリコンは有機化合物の一種。熱や光に強くて、化学反応しにくいという特徴を持つ。シャンプーに入れた場合には、洗髪やすすぎの際に髪同士の摩擦を減らすことができるので、いわゆる「髪がきしきしとする感覚」を軽減することができる。髪が乾いた状態では、髪の表面を滑らかにする機能を持つので、見た目がきれいになり、櫛通しもよくなる。使い勝手のよい素材として1980年代以降に多くのシャンプーで使用されるようになった。シャンプーボトルの裏に書かれてある成分表示で「ジメチコン」「シロキサン」「シリカ」などが含まれているものが、シリコン入りシャンプーだ。
一般に洗浄能力の高い成分を配合している場合、脂質を大量に落として髪同士が絡み付いて指通りが悪くなるので、シリコンを配合することが多い。対して、洗浄能力が低い洗浄成分を配合している場合、脂質がある程度残るのでシリコンを配合しなくても指通りは滑らかだ。どちらが優れているということはなく、自分の頭皮や毛髪の状態に応じて、適切なシャンプーを使うことが重要だ。
上手なシャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメントの選び方としては、「シリコン、ノンシリコンにとらわれず、仕上がり具合で選ぶのが1つの方法です」と小西さん。髪が細くてボリュームがない人は、しっかり洗えてハリ、コシがでるものがオススメだ。逆に髪が多すぎて落ち着けたい人は、髪がまとまりやすい商品を選ぶといい。また、「育毛効果を期待したいのであれば、医薬部外品などで、育毛成分が入っている商品がオススメです。髪のダメージが大きい人は、シリコン入りでキューティクルをケアできるトリートメントなどもいいでしょう」。
ノンシリコンを前面に打ち出しているのは中堅や新興企業が多く、シリコン派の大手メーカーのシェアを奪うかたちで成長している。それだけに、「シリコン派」対「ノンシリコン派」という対立構図で語られがちだが、実は大手もノンシリコンシャンプーを販売している。花王の「メリットシャンプー」、資生堂の「スーパーマイルド」はともにノンシリコンタイプのロングセラー商品だ。単にノンシリコンを前面に打ち出していないだけで、品揃えとしては古くから存在しているのだ。
シリコン入り、ノンリシコンという言葉に振り回されず、効能を見て、実際に使いながら、自分に合ったシャンプーを選ぼう。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)
http://diamond.jp/articles/print/28226
知って、なるほど化粧品 シリコーンについて
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近年、シャンプーやコンディショナーに含まれるシリコーンが、抜け毛やダメージの原因になるという考え方が広まっています。しかし実際には、シリコーンが毛穴に詰まったり、毛髪や地肌に悪影響を及ぼすことはありません。資生堂の研究員が、詳しく解説します。
一般的に「シリコン」と呼ばれていますが、正式には「シリコーン」と表記します。人気の調理器具シリコンスチーマーも、シリコーンを原料とする製品です。シリコーンは、酸素とケイ素と有機基からなる有機化合物で、熱や光に強く、柔軟性があり、通気性が高いなど、さまざまな特長をもっています。とても安全な素材のため、日用品や食品、工業や医療の分野などで幅広く活用されています。
シャンプーやコンディショナーなどのヘアケア製品にも配合されているシリコーン。その効果としては、洗髪やすすぎの際に毛髪どうしの摩擦を軽減すること、そして、つややしっとり感のような仕上がりの質感をコントロールすることなどがあげられます。
シャンプーやコンディショナーに配合されているシリコーンは、その特長である安全性をいかした独自の配合を実現しています。そのため、頭皮や毛髪に負担をかけることはなく、かゆみや抜け毛の原因にはなりません。
シャンプーに配合しているシリコーンは、非常に細かい粒子のため、毛髪に過剰に付着することはありません。また、コンディショナーの成分として毛髪に残ったシリコーンも、次の洗髪時には洗い流されるため、毛髪に蓄積したり、毛穴に詰まることもありません。よって、シリコーンが地肌や毛髪にダメージを与えるという事実はありません。毛髪に残ったコンディショナー成分中のシリコーン次の洗髪時に洗い流されます。
毛髪が濡れた状態では、シリコーンが毛髪表面を隙間なくおおうことはないため、浸透成分も十分いきわたります。また、パーマやヘアカラーにも影響を及ぼすことはありません。
シャンプーやコンディショナーに配合されているシリコーンは、洗髪中に毛髪のきしみを抑えながら、すすぎ時の指通りをなめらかにし、洗髪時の毛髪ダメージを軽減する効果があります。また、ロングヘアでからまりやすい髪や、枝毛などのダメージが気になる髪も、シリコーンによって摩擦が減り、なめらかな仕上がりを実現することができます。さらに、シリコーンは髪につやを与える効果にも優れているため、多くのコンディショナーにはシリコーンが配合されています。シリコーン配合のヘアケア製品を使用することで、ダメージを受けてパサついた髪にも美しいつやをよみがえらせることができます。
シリコーン配合のシャンプーとシリコーンを配合していないシャンプーは、どちらも毛髪や地肌に悪い影響を及ぼすことはありません。一般的には、シリコーン配合のシャンプーは、洗髪中の摩擦を軽減しながらなめらかな仕上がりを実現し、一方のシリコーンを配合していないシャンプーは、細かな泡立ちで、さっぱり、サラサラとした感触が得られるという特長があります。それぞれの違いは、洗髪時の感触や仕上がりに現れるため、資生堂には、シリコーンを配合した商品とシリコーンを配合していない商品の両方がそろっています。まずは、シリコーンの特長や効果を正しくご理解ください。その上で、お好みに合わせて最適な商品をお選びいただくことをおすすめします。
http://group.shiseido.co.jp/rd/topic/silicone.html
ヘアケア製品の選び方
リンス・コンディショナー・トリートメントの機能
・リンス・コンディショナーの機能
リンス・コンディショナーは、主に髪の表面に保護膜を作って、髪のすべりをよくし、髪のパサつきを防いだりするもの。髪のすべりをよくすることで、髪の流れを整えやすくなり、キューティクルの傷みも防げます。
最近では、髪の内部に浸透し、髪の傷みを補修するトリートメント機能を併せ持つタイプもあります。
・トリートメントの機能
トリートメントは、髪の内部に成分を浸透させて、髪の状態を整えるもの。髪の傷みをケア・補修したり、髪の質感をコントロールするものなどがあります。
家庭向けのトリートメントは、リンス・コンディショナーの機能を併せ持つタイプがほとんどです。
しかし、リンス・コンディショナー・トリートメントの定義やおすすめの使用方法は、メーカー間で統一されているわけではありません。製品に表示されている使用方法を確かめてください。
花王のリンス・コンディショナー・トリートメントの選び方と使い方
花王のコンディショナーには、髪の表面に保護膜をつくるだけでなく、髪の内部に浸透し、髪の傷みを補修するトリートメント機能を併せ持つものがあります。
トリートメント機能あり:
アジエンスコンディショナー
エッセンシャルコンディショナー
セグレタコンディショナー
トリートメント機能なし:
キュレルコンディショナー
メリットリンス
サクセスリンス
花王の製品では、トリートメントの補修・保護機能は、コンディショナーより高いように調整していますので、コンディショナーとトリートメントの違いは、効果の程度の違いと考えてかまいません。髪が傷んでいると感じた場合に、トリートメント類の使用頻度を上げるといった具合に、髪の状態によって、どちらかを使うことをおすすめします。もちろん、コンディショナーとトリートメントの両方を使っても問題はありません。 髪の内部への成分の浸透作用がある製品は、塗布したあと、すすぐまでの間に髪になじませる時間をとることで、効果が高まる場合もあります。
シリコーンの性質と役割
シリコーンは、酸素とケイ素と有機基からなる有機化合物です。シリコーンは、柔軟性が高い、熱や光に強く変質しにくい、水や他のものと反応しにくい、気体や湿気を通しやすい、物の表面に薄く広がりやすい、という特徴的な性質があります。 ヘアケア製品におけるシリコーンの役割は、主にすすぎ時の髪の感触向上と仕上がり感のコントロールです。濡れているときは髪の表面にとどまって摩擦抵抗を下げ、乾いた後は、髪の表面をなめらかにすることで、ブラシや髪同士の摩擦を抑えたり、髪の流れを揃えやすくしてまとまりの良い仕上がりにします。1980年代後半に発売されたリンス・イン・シャンプーや様々なヘアケア製品の枝毛防止成分として使われ、特徴的なさらさら感が多くの人に好まれて、ヘアケア製品に盛んに使われるようになりました。 化粧品(ヘアケア製品を含む)に使用されるものは、ジメチルシリコーン(ジメチルポリシロキサン)、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどで、成分名表示では、「ジメチコン」または「シロキサン」を含む名称で記載されます。 なお、シリコーンは、太陽電池や半導体に使われる「シリコン(金属ケイ素)」とは異なります。
花王製品はシリコーンを配合しているの?
花王では、すすぎ時の髪の指通りや髪の感触、すすいだ直後や乾燥後の仕上がり感によって、シリコーンの配合有無や配合量を調整しています。シャンプーでは、「洗い上がりのさっぱり感」を特に求める場合には、シリコーンを配合しないこともあります。しかし、シリコーンの配合有無に関わらず、適度な洗浄性があるように調整しているので、洗浄性が低いということはありません。
また、リンス、コンディショナー、トリートメントには全てシリコーンを配合しています。
花王ヘアケア製品のシリコーン配合一覧
シリコーンは毛髪や地肌に影響を与えるの?
ヘアケア製品を含む化粧品には、肌や髪に対して負担を与えないことを確認された原料が使用されています。シリコーンも同様です。さらに、花王では、シリコーンを配合している花王のヘアケア製品ついて、通常の使用方法で、地肌の毛穴のつまりを起こすことはなく、成分の浸透を妨げることがないことを確認しています。
・地肌の毛穴につまりを起こしません
通常のシャンプー方法(髪にやさしいシャンプー方法をご覧下さい)で、1ヶ月以上連続使用した地肌の毛穴に、シリコーンがつまる兆候は見られません。また、シリコーンの配合量や残留量、皮脂となじまず髪表面に薄く広がりやすいというシリコーンの性質からも、毛穴につまりを起こすとは考えられません。
・パーマのかかりやヘアカラーの染まりに影響を与えません
ダメージ毛・健常毛の双方に対し、シリコーン配合油剤、ノンシリコーン油剤で処理したのちに、パーマのかかりやヘアカラーの染まりを調べた結果、シリコーン配合有無によるパーマ・ヘアカラーの効果の違いは見られませんでした。
・毛髪への他の成分の浸透を妨げません
シリコーンは、洗髪中など、水のある状態では、球状の油滴として髪の表面にあるため、過剰な量でなければ、他の成分の毛髪への浸透を妨げません。
関連項目リンク
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