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京大、万能細胞からの卵子作製に成功―不妊症治療に期待
2012年 10月 5日 12:20 JST
京都大学の研究グループが、マウスの万能細胞から生殖能力のある卵子の作製に成功した。これは、ヒトの不妊症治療に新たな道を開く可能性がある。
今回の実験成功により、培養皿の中で精子と卵子を作製するという長年の生殖生物学上の目標が達成された。京大チームは1年前にマウスの健康な精子の作製に成功している。
Courtesy of Katsuhiko Hayashi
Baby mice born from eggs created in a lab.
今回の研究では、培養皿で作製された卵子を、人工的でない自然の精子と受精させ、健康で生殖可能なマウスを誕生させた。この結果は科学誌サイエンスに掲載された。
論文の主執筆者である林克彦・京大准教授は、マウスの卵子作製は「少し難しかった」と述べた。卵細胞は精子と違って「大きくて壊れやすく、長く複雑なプロセスを経てのみ成熟する」からだという。
このプロセスをヒトで再現するのはずっと困難だろう。しかし実現すれば、生殖医療が変わる可能性がある。不妊症に悩む男性と女性の両方が血のつながりのある子をもうけられるようになるからだ。
しかし、こういった医療技術のどのような進歩も、極めて厄介な倫理上の問題を突き付けるだろう。少なくとも理論上は、男性と女性が年齢を問わず子をもてるようになるほか、死後でも、組織が保存されていれば、子が生まれるといったことさえあり得る。
ボストン小児病院幹細胞移植プログラムの責任者を務めるジョージ・デイリー氏は、「これは驚くべき功績だ」と述べた。同氏は10年前に人工的な精子について先駆的な研究を行った人物だ。同氏は「しかし、多くの生物医学的技術と同様、この技術ももろ刃の剣だ」と付け加えた。
この種の研究では、科学者たちはまず、どのタンパク質が始原細胞(幹細胞と、特殊化した細胞の間の段階)を卵子ないし精子に変えるのかを見極める。その後、同じタンパク質を培養皿の中の幹細胞に加え、同じ結果が出るかを調べる。
研究に使われる初期段階の細胞には2種類ある。一つは胚から採取した幹細胞(胚性幹細胞=ES細胞)で、マウスの全ての組織に分化できる能力を持つ。もう一つは大人のマウスの成熟細胞をリプログラムしたもの(人工多能性幹細胞=iPS細胞)だ。この手順を踏むことにより、成熟細胞は胚のような状態に戻る。これは精子ないし卵子になるよう誘導され得る状態だ。
これまでの研究では、精子や卵子を作製できたものの、誕生した子マウスが健康で長期間生命を維持するまでには至らなかった。これが、人工的に作製した卵子ないし精子が完全に機能し、生殖可能かを判断する上で決定的な関門だった。
今回、林准教授らの研究グループはマウスの卵子を新たに作製し、それを使って健康で長期間生存する子を誕生させることができた。ES細胞とiPS細胞の2種類の幹細胞両方で成功した。このため、少なくともマウスにおいてはこの技術の有効性が高まった。
記者: Gautam Naik
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