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増える“多重がん”の恐怖!飲酒×喫煙で危険度UP
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120921/dms1209210745011-n1.htm
2012.09.21 夕刊フジ
先ごろ政界引退の意向を示した与謝野馨前経済財政担当相(74)や女優の大空真弓(72)は複数のがんに見舞われ、それぞれ闘病体験を著書で明らかにした。1人の患者に、転移や再発ではない2つ以上の独立したがんが生じた場合を「多重がん」と呼ぶ。近年、多重がんの報告が増えているという。
■発見20回
長い闘いの始まりは2001年12月、49歳の時だった。都内に住む小曲一之さん(60)は、職場の定期健診で食道がんを指摘された。総合病院で調べると、がんは2〜3センチの幅で食道のほぼ全周にわたっていた。翌年2月、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で内視鏡による粘膜切除術(EMR)を受けた。
同病院での検査の際に告げられたことがある。「食道に前がん状態の細胞が多数あり、がん化の可能性があります」。7月、その言葉通り新たながんが数個発見され、再びEMRで取り除いた。
「食道がん患者は、ほかの消化器系にもがんができやすいと知り、主治医に喉もよく診てくれるよう頼みました」。不安は的中し、ごく初期の下咽頭がんが見つかった。
05〜09年、食道と下咽頭で次々にがんが発見された。さらに10年に口の奥と胃に、11年には舌にも。「がんの発見は約20回。この先どこまで続くのか」。これまでは比較的初期に発見、対処できたが、果てしない治療に心が折れそうだという。
■頭頸部と食道
地域がん登録のデータなどから、多重がんの増加が指摘されている。
国立がん研究センター東病院頭頸部外科長の林隆一医師によると、背景の一つに高齢化がある。治療法の進歩とも相まって、一つのがんを克服しても次のがんを患うケースが増えてきた。
また、技術が進んで微小ながんの検出力が向上したことも大きい。「がんの初期には粘膜の表層で血管が増えてきます。これをとらえるNBI内視鏡などにより、特に食道・咽頭領域のミリ単位の早期がんが発見されるようになりました」と林さんは解説する。
林さんが専門とする口腔や咽頭などの頭頸部は多重がんの頻度が高い。03年に同病院など全国7施設が頭頸部がん565症例を分析した結果、82例の多重がんが確認された。口腔と口腔、口腔と咽頭のような頭頸部同士のほか、頭頸部と食道の組み合わせも多かった。
■発がん物質が上昇
「頭頸部から食道にかけては、同じ『扁平上皮』という組織が続いています。そこに飲酒や喫煙などの危険因子が働いて前がん病変が多発し、同時または時間を前後しながら、がんが発生するのではないかと考えられています」と林さん。
特に日本人にはアルコールを代謝する酵素が遺伝的に欠損していたり働きが弱かったりする人が多く、発がん物質アセトアルデヒドの血中濃度が上昇しやすい。さらに喫煙が加わると、危険性は相乗的に高まる。
小曲さんも発症前、1日にたばこを20本吸い、酒を3合飲んでいた。その後の検査で、アルコールの代謝能力がかなり低いと指摘されている。
頭頸部や食道の多重がんは、先に発生したがんの経過観察中に早期発見されることが多く「部位にもよるが、内視鏡で部分的に切除するなどの対応も可能」(林さん)という。一方、共通の危険因子が見当たらず、偶発的に生じた多重がんは発見が遅れがちになる。
がんの宣告は衝撃だ。それが繰り返される患者の心の負担は計り知れない。だが、小曲さんは「現在の標準治療の進歩に加えて免疫療法などの新しい治療法が確立し、多重がんを根治できる日が来るはず。それまで努めて淡々と治療に向き合っていきたい」と語った。
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