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正しい水分補給法を専門家が指南!これで夏を乗り切れ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120813/dms1208131225001-n1.htm
2012.08.13 夕刊フジ
連日の猛暑で熱中症でダウンする人が後を絶たない。消防庁によると7月中に病院に搬送された患者数は2万人突破が確実となり、集計を始めた2008年以降で最多となった。予防するには、こまめな水分補給が大切だが、ノドを潤すうちに腹がゴロゴロするだけでなく身体がむくむこともある。「適度」な水分補給で熱中症予防をするにはどうすればいいのか。専門家に話を聞いた。
■水分補給の適量とは
一般的には、1日1・5〜2リットル程度は水分補給をした方がいいとされる。しかし、デスクワークで机の上にペットボトルを置いてゴクゴク飲んでいると、身体がだるく足がむくんでパンパンになる。これは水分の取り過ぎ。では、どの程度が適量なのか。
自ら50歳でトライアスロンに挑戦するなど健康体作りに造詣の深い帝京大学医学部外科の新見正則(にいみ・まさのり)准教授(53)がアドバイスする。
「屋外で作業をしている人とデスクワークの人では、汗の出方が異なります。また、身長も体重も同じではありません。水分補給の適量は人によって違うのです。熱中症を予防するには、汗で失われた水分を補う必要がありますが、適量は、尿の色が黄色くなりすぎない程度が目安。室内にいる人なら、30分〜1時間にコップ1杯程度を飲むことを意識し、尿が黄色くなってニオイがきつければ、水分が足りないと思ってください」
■塩分の取り過ぎは×
屋外作業をしていると、汗を拭いた後に塩分が肌に残る。この状態で水だけを飲んでいると、体内の塩分が薄まって不足し細胞にダメージを与える。これは「低ナトリウム血症」という症状で、意識がなくなり命に関わることもあるだけに注意が必要だ。
「汗で失われた塩分を水分補給と同時に補う必要があります。しかし、塩分を過剰に摂取すれば高血圧などの生活習慣病に結びつきます。屋外作業の人は、塩分やミネラルの補給を意識する必要がありますが、屋内作業であまり汗をかかない人は、少しの塩分補給で十分です。ご自身の汗を舌でなめて、しょっぱいなら塩分が失われていると考えて少し補給しましょう」(新見准教授)
高血圧治療ガイドラインでは、1日の塩分摂取量は6グラム未満。1日3食の食事でもオーバーしやすい量だけに高血圧の人は熱中症予防のための過剰な塩分摂取にご用心。
■何を飲めばいいか
一般的に塩分やミネラルが入ったスポーツドリンクが勧められている。だが、こうした飲料は、スポーツのときの補給を考慮しているため、100ccで25キロカロリーと高め。ダイエットを意識して、カロリーゼロの炭酸飲料水を好む人もいるだろう。
「カロリーゼロの炭酸飲料水は、甘い味がするため甘味への欲求が高まりやすく、お菓子などに手が伸びやすくなる。特にダイエットをしている人は過信してはいけません。水分補給をするなら、屋内作業の人は水と少量の塩分がいい。屋外作業の人は、スポーツドリンクがお勧めです」(同)
尿の色、汗の味をチェックして、自分の身体に合わせた水分補給こそが不可欠。これで熱中症を撃退しよう。
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