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ザクロ果汁に糖尿病予防効果の可能性
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120718-00000001-natiogeo-int
ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 7月18日(水)16時38分配信
ザクロの果汁成分に、生活習慣に起因する糖尿病(2型糖尿病)の発症に関わる悪玉ホルモンの分泌を抑える効果のあることを、近畿大学農学部の河村幸雄教授と森山達哉准教授の研究グループがマウスを使った実験で突き止めた。
2型糖尿病の発症要因としては、肥満に伴う「インスリン抵抗性」の病態が重要視される。これは血糖値を抑えるインスリンの効きが悪くなり、インスリンの無駄使いが起きている状態で、最終的に膵臓からのインスリンの分泌がなくなり糖尿病になってしまう。そのインスリン抵抗性が起きるのは、肥満によって肥大化した脂肪細胞で善玉ホルモンの「アディポネクチン」の分泌が減り、「レジスチン」などの悪玉ホルモンが増えるからとされる。
研究グループは、培養した脂肪細胞からのレジスチンの分泌を抑制する植物由来の食品成分を探索し、ザクロから抽出した果汁成分に強い分泌抑制効果のあることを見いだした。この果汁成分を、血中のレジスチン濃度が高いマウスに摂取させたところ、有意にレジスチン濃度が低下したほか、善玉のアディポネクチンの分泌には影響を及ぼさなかった。また、有意差は見られなかったが、血糖値などの糖尿病に付随する病態も改善傾向を示した。この有効成分を詳しく調べたところ、「エラグ酸」という、抗酸化作用をもつポリフェノール化合物であることが分かった。
「エラグ酸」にレジスチンの分泌抑制効果のあることが分かったのは、今回が初めて。糖尿病の予防に役立つサプリメントや機能性食品の開発につながる可能性があるという。
今回の研究は、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「環境調和を志向した革新的植物アグリバイオ技術の統合型研究拠点の形成」の一環として行われ、研究成果は米国の生化学専門誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」に発表された。
※この記事はサイエンスポータルで配信された記事の転載です。
National Geographic News
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