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厚労省研究班が作成、CT・MRIなどによる漏出所見で診断 「脳脊髄液漏出症」の診断基準
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/412.html
投稿者 sci 日時 2011 年 10 月 21 日 11:23:36: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/int/201110/522025_2.html
2011. 10. 17
厚労省研究班が作成、CT・MRIなどによる漏出所見で診断 「脳脊髄液漏出症」の診断基準がまとまる

大滝 隆行=日経メディカル

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頭痛
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研究班研究代表者の嘉山孝正氏。

 脳脊髄液の減少や低髄液圧により起立性頭痛やめまい、全身倦怠感などが起こるとされる病態について、厚生労働省の研究班は、CT・MRIなどで脊髄液の漏出が確実に認められる場合を「脳脊髄液漏出症」と新たに定義し、その診断基準を決定した。第70回日本脳神経外科学会学術総会(10月12〜14日、横浜市)の最終日に、同会会長で研究班研究代表者の嘉山孝正氏らが記者会見で明らかにした。

 嘉山氏らは今後、「脳脊髄液漏出症」と診断された患者に対する硬膜外自家血注入(ブラッドパッチ)などの治療法を「先進医療」として申請し、保険適用を目指してその有効性と安全性を検討していく考えも示した。

 この病態をめぐっては、「脳脊髄液減少症研究会」が2007年に独自の診断基準を作成している。交通事故などを含む外傷を契機に脳脊髄液が漏出し減少することで頭痛や頸部痛、めまい、耳鳴り、視機能障害、倦怠感などの症状を呈する病態を「脳脊髄液減少症」と定義。最も信頼性の高い画像診断法としてRI脳槽・脊髄液腔シンチグラフィーを位置づけている。

 また、同研究会のガイドラインは、交通事故などに伴う頸椎捻挫やむち打ち症によっても脳脊髄液減少症が起こり得るとしている。このため、むち打ち後遺症などの患者団体が、後遺症は髄液漏れによるものとして昨年、治療法の保険適用を求める約10万人の署名を集めて、厚労大臣に提出したことは記憶に新しい。

 しかし、保険病名や国際疾病分類に脳脊髄液減少症という病名はなく、その疾患定義や診断法に疑問を呈する専門家は多い。交通事故後、脳脊髄液減少症と診断された患者の検査・治療費の支払いを損害保険会社が拒否するケースも少なくない。

 国際頭痛分類第2版には、起立性頭痛もしくは体位を変えることで症状が増悪することを前提基準とした「特発性低髄液圧性頭痛」の診断基準がある。日本脳神経外傷学会は、それに従って「低髄液圧症候群」の診断基準を作成しているが、外傷後に低髄液圧症候群が発症することは極めてまれだとしている。

 そこで2007年に、学会の垣根を越えた関連学会合同のガイドラインを作成することを目的に、厚生労働科学研究費補助金「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究班」(研究代表者:国立がん研究センター理事長の嘉山孝正氏)が組織された。

 研究班では、まず診断基準の対象となる疾患概念を明確化。「現在、脳脊髄液量を客観的に測定する方法はなく、現在の診断法で脳脊髄液が減少しているかどうかは診断できない」(研究班分担研究者の山形大総合医学教育センター教授・脳神経外科科長の佐藤慎哉氏)ことから、「脳脊髄液減少症」ではなく、画像検査上で髄液漏出所見が認められる「脳脊髄液漏出症」を対象とした診断基準を作ることに決めた。

 また海外では最近、疾患の本態は髄液漏出であることから「脳脊髄液漏出症(CSF leak)」という疾患名の使用が提唱されている(Schievink WI. Spontaneous spinal cerebrospinal fluid leaks. Cephalalgia. 2008;28:1345-56.)。国際疾病分類(ICD-10)やNIH(米国立衛生研究所)のWebサイト「MedlinePlus」にも「CSF leak」が掲載されているなど、「『脳脊髄液漏出症』は世界的にも認められている疾患名である」(佐藤氏)とした。

 基準では、CTミエログラフィー、脊髄MRI/MRミエログラフィー、RI脳槽シンチグラフィーの3つの検査法を挙げ、それぞれの画像判定基準と解釈を記述。それらの判定基準による判定結果を組み合わせた脳脊髄液漏出症の画像診断基準を定めた。

 例えば、CTミエログラフィーで硬膜の欠損やクモ膜下腔と連続する硬膜外造影剤漏出所見が特定できれば、脳脊髄液漏出『確定』と診断する。また、CTミエログラフィーで硬膜外に造影剤の漏出を確認できた場合や、脊髄MRI/MRミエログラフィーで病変が造影されず、かつクモ膜下腔と連続している場合、脳脊髄液漏出『確実』と判断する。RI脳槽シンチグラフィーでは、片側限局性のRI異常集積かつ円蓋部のRI集積遅延(脳脊髄液循環不全)が認められた場合、脳脊髄液漏出『確実』と判断する。

 実際、全国の施設から起立性頭痛の患者100例を登録し、頭部と脊椎の単純・造影MRIとRI脳槽シンチグラフィーを行い、画像を総合的に判定した結果、16例に確実な髄液漏出が認められた。そのうち外傷が誘因・原因と考えられるケースも5例あった。 
 
 なお今回の診断基準は、関連8学会(日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本整形外科学会、日本頭痛学会、日本脳神経外傷学会、日本脊髄外科学会、日本脊椎脊髄病学会、日本脊髄障害医学会)の承認・了承を受けた正式な診断基準であるという。

 研究代表者の嘉山氏は、「当初、患者が50万人いると主張するグループがいる一方、いや1例もいないと主張するグループもいて診断基準をまとめるのは大変だった。そこで研究班では、個人の経験や1施設の報告ではなく、できるだけ科学的な方法とエビデンスに基づいて診断基準を作ることを目指した。脳脊髄液漏出を完全に証明できない周辺に位置する病態についても今後検討を進めていきたい」と話している。  

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