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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110106-OYT1T00176.htm
人体が医薬品を異物として解毒したり、がん細胞が抗がん剤を排出したりする防御網をかいくぐり、抗がん剤をがん細胞の奥まで運べる微細カプセルの開発に、東京大などが成功した。
効率的ながん治療を可能にする成果で、米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに6日発表する。
カプセルの大きさは、ウイルスとほぼ同じ直径10万分の4ミリ・メートル。表面が水になじむよう素材を工夫し、血液中にまぎれさせて人体の免疫機能に捕捉されないようにした。また、薬剤耐性を獲得したがん細胞は少ない分子からなる抗がん剤を外へ排出するポンプのような構造を持つため、細胞が取り込む栄養分に見せかけるよう、分子の数が多いカプセルを設計した。
その結果、カプセルはがん細胞の遺伝子が収納された核の近くまで届いて初めて破壊されるようになり、抗がん剤が遺伝子の働きを邪魔してがん細胞の増殖を抑制できるようになった。
開発した片岡一則教授は「カプセルは『トロイの木馬』のように、がん細胞に気付かれず入り込める。様々なタイプの抗がん剤が利用できるので、治療の幅が大きく広がる」と話している。
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