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金沢市の男性(63)の右肺に8ミリ程度の小さな“影”が見つかったのは3年前。人間ドックを受けたのがきっかけだった。
コンピューター断層撮影法(CT)による画像では、すりガラスのような淡い影が写っていた。主治医の佐川元保さん(金沢医大病院呼吸器外科教授)は「がんかもしれないし、がんでないかもしれません」。とりあえず治療は見合わせ、経過を見ることになった。
このような影は「すりガラス状陰影」と呼ばれる。がんの可能性もあるが、肺炎などでも、そのように写ることがある。仮にがんであっても進行が遅いものも多い。
日本CT検診学会の指針(2005年)では、影全体が淡くて1センチ未満なら、一定の間隔でCTによる経過観察を行うとしている。男性の影もこれに該当した。それから半年?1年間隔でCT検査を受けているが、影に変化はない。
肺がん検診は、世界の主な国では、死亡率を下げる効果が疑問視され実施していないが、日本では、エックス線と、たんの中のがん細胞を調べる2通りを組み合わせた検診は「死亡率が下がる」として国が実施を推奨している。CT検診は、死亡率を下げる証拠はないとして勧めていないが、実施例は増えている。
佐川さんは「胸部CTはエックス線よりも肺の異常が数倍?十数倍見つかる」と検査手段としては評価しつつ、「すりガラス状陰影のように比較的危険性が低いものまで見つけてしまい、患者が心身の負担を強いられ、不利益になる場合もある」と指摘する。
佐川さんは患者に経過観察を勧める際、「私があなたの立場なら切りません」と言って安心してもらうよう心がけている。それでも非常に不安がり、手術を選ぶ人もいる。「『がんかもしれないもの』を抱えることに精神的負担を感じる人は少なくない」と言う。
肺がんのCT検診で「がんではないもの」が見つかる過剰診断が、どれくらいあるのかは、よく分かっていない。ただ、国の検討会が市町村向けに出した肺がん検診の見直しの提言(08年)は、「(エックス線などによる)従来の検診に比べて、過剰診断などによる受診者の不利益が大きい」との見解を示している。
佐川さんは「(肺がんの発症リスクが低いとされる)40歳未満の人がCT検診を受けるのは害の方が大きいのでやめた方がいい。40歳以上の人でも、『がんではないもの』も見つかるマイナス面もよく考えた上で受けてほしい」と話す。
【厚生労働省 「がん検診に関する検討会」中間報告による肺がん検診の提言 (要旨)】
・検査方法は胸部エックス線と、たんの中のがん細胞を調べる2通りの組み合わせ
・CTは死亡率減少効果、検診に伴う不利益、コストなどの総合的な検討が必要
・受診間隔は1年に1度
・対象年齢は40歳以上
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