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虫下し薬が「がん」に効く? メタボローム解析でがんが回虫と同じ代謝を使うことを示唆 (慶応大学戦端生命科学研)
http://www.asyura2.com/09/health15/msg/121.html
投稿者 passenger 日時 2009 年 5 月 30 日 01:48:42: eZ/Nw96TErl1Y
 

虫下し薬が「がん」に効く? メタボローム解析でがんが回虫と同じ代謝を使うことを示唆 (慶応大学戦端生命科学研)

 
 

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慶應義塾大学先端生命科学研究所
http://www.iab.keio.ac.jp/jp/content/view/355/1/

虫下し薬が「がん」に効く? メタボローム解析でがんが回虫と同じ代謝を使うことを示唆

〜国立がんセンター東病院とのスーパー特区
 (がん医薬品・医療機器早期臨床開発プロジェクト)の共同研究成果〜

(09.05.20)

慶應義塾大学先端生命科学研究所の平山明由研究員、曽我朋義教授らと国立がんセンター東病院(千葉県柏市)の江角浩安病院長らの研究グループは、メタボローム(*1)解析によりがん細胞が自身の増殖に必要なエネルギーを作り出す際に、回虫などの寄生虫が低酸素環境下で用いる特殊な代謝(*2)か、又はそれに類似した代謝を用いる可能性があることを世界で初めて実証しました。これは、平成20年度に国が「先端医療開発特区」として創設したスーパー特区(がん医薬品・医療機器早期臨床開発プロジェクト)に選定された国立がんセンター東病院、慶大先端生命研の共同研究の成果です。 この研究成果は2009年5月19日、米国がん学会誌Cancer Researchの on-line版に掲載されました。

http://cancerres.aacrjournals.org/cgi/content/abstract/0008-5472.CAN-08-4806v1


●1.研究の背景

ほとんどの生物は酸素が十分にある環境では、クエン酸回路(*3)と呼ばれる代謝を使ってエネルギー物質であるATP(*4)を生産します。寄生虫として知られる回虫も、酸素の多いところで成長する幼虫の間や、体外にいる間は酸素を呼吸し、ヒトと同じクエン酸回路を使ってエネルギーを生産します。しかし、ひとたび酸素の乏しい小腸内に進入すると今度は特殊な代謝を使ってエネルギーを生産するようになります。ある種の虫下し薬は、回虫が使っているこの特殊な代謝を選択的に阻害するためヒトには副作用がなく、回虫のみを死滅させる事ができます。 国立がんセンター東病院の江角浩安病院長らは、虫下し薬が悪性のがん細胞も死滅させることを2004年に発見しました。この研究成果を元に、がん細胞は血管がなく酸素が乏しい環境でも活発に増殖することができる事から、がん細胞も回虫と似た特殊な代謝を使ってエネルギーを生産するのではないかという仮説を立て、世界最先端のメタボローム解析技術を持つ慶大先端生命研と、がんの代謝を解明するための共同研究を2004年より開始しました。


●2.今回の研究成果

研究チームは、国立がんセンター東病院で大腸がん患者と胃がん患者からがん組織と正常組織を採取し、慶大先端生命研でそれらの組織のメタボロームを網羅的に測定し、がんと正常組織の代謝物の違いを比較しました。その結果、低酸素の環境下でコハク酸を高濃度に蓄積するという回虫が示す現象ががんの組織でも起きていることが明らかになりました。このコハク酸の蓄積は回虫が特殊な代謝を使ったときにのみ観察され、がんもこの代謝を用いていることを強く支持する結果でした。また、酸素濃度の低い大腸がんの方が、胃がんよりもより多くのコハク酸を蓄積していることが判明しました。 虫下し薬でがん細胞が死滅すること、がん組織と回虫のエネルギーを生産する代謝のパターンが似通っていることから、がん細胞は、回虫などの寄生虫が酸素の乏しい環境下で使用する特殊な代謝、あるいはそれに似通った代謝を使って増殖に必要なエネルギーを生産している可能性を今回の実験で示しました。 一連の研究成果は2009年5月19日、米国がん学会誌Cancer Researchの on-line版に掲載されました。 今後さらに研究をすすめ、がん細胞が使用する特殊な代謝を特定し、その代謝システムのキーとなる酵素(*5)を選択的に阻害する薬物を開発することで副作用がなく、薬効の高い(正常細胞には作用しないため、副作用が少ない)抗がん剤の実現を目指します。


●3.研究者のコメント

国立がんセンター東病院の江角浩安病院長は、「慶大先端生命研が開発したメタボローム技術は世界の常識を越える技術であり、予想もされなかったがんの性質を解き明かし、画期的な抗がん薬を開発する糸口を作った。」とコメントしています。
慶大先端生命研の曽我朋義教授は、「山形県と鶴岡市の支援によって開発されてきたメタボローム解析技術によってがん細胞が選択的に使う代謝を見つけ出すことができた。この成果によって、新しいタイプの抗がん剤の開発に一つの道筋がついたことは大変うれしい。」とコメントしています。

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このニュースは下記メディアでも報道されました。
・山形新聞 5/21 26面
・荘内日報 5/22 1面
・日経産業新聞 5/22 11面

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(技術用語の説明)

*1.メタボローム 細胞内に数千種類存在すると言われる代謝物質(メタボライト)の総称。主なものにアミノ酸、糖、脂質などがある。

*2.代謝 生体内の化学(酵素)反応のこと。外界から取り入れた物質を別の物質に変換することによって細胞や生体の活動に必要なエネルギーやタンパク質、核酸などの 生体高分子の材料を合成する。

*3.クエン酸回路 酸素呼吸を行う生物が全般に行う、エネルギーであるATPをつくるための代謝経路。 またクエン酸回路はアミノ酸などの物質も生産する。

*4. ATP アデノシン三リン酸(adenosine triphosphates; ATP)の略語。全ての生物のエネルギー物質。

*5.酵素 代謝反応(ある物質を別の物質に変換する仕事)を行うタンパク質のこと。
最終更新日 ( 2009/05/26 火曜日 12:50:04 JST )

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http://www.j-tokkyo.com/2005/A61K/JP2005-029480.shtml

【発明の名称】 ピルビニウムを内包した高分子ミセルを含有する抗癌剤
【発明者】 【氏名】江角 浩安

【氏名】松村 保広

【氏名】島田 薫

【氏名】加賀美 和宏

【要約】 【課題】抗癌剤の提供。

【解決手段】ピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】


で表されるピルビニウムまたはその製薬学的に許容される無機酸もしくは有機酸の塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤。
【請求項2】
高分子ミセルが、親水性セグメントと疎水性セグメントを含むブロックコポリマーに由来し、かつ、親水性セグメントがシエル部分を形成しそして疎水性セグメントがコア部分を形成するコアーシエル型である請求項1記載の抗癌剤。

(中略)
------------------------------------------------------------
【発明の詳細な説明】【0001】
【技術分野】
本発明は、従来抗癌作用を示すことが知られていなかったピルビニウムまたはその塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤に関する。
【0002】
【背景技術】
ピルビニウム・パモ酸は蟯虫(Enterobius vermicularis)の駆除に有効であることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この化合物は水には実質的に溶けない。また、この化合物は腸管からほとんど吸収されず、経口投与することにより、上述の駆虫効果を奏する。
【0003】
【非特許文献1】G.C.Cook,Gut 35,1159−1162(1994)
【0004】
【発明の開示】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
新たなタイプの抗癌剤を提供することについての必要性は依然として存在する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新たなタイプの抗癌剤を提供すべく研究を行ってきたところ、従来、蟯虫の駆除に有効であることが知られているピルビニウム・パモ酸の溶液または懸濁液、特にピルビニウム・パモ酸を内包した高分子ミセルの水溶液または水懸濁液が in vitro および in vivo の両方で腫瘍増殖を抑制することを見出した。また、ピルビニウム単独を内包する高分子ミセルも、ピルビニウム・パモ酸の高分子ミセルと同様の腫瘍増殖抑制作用を有することを見出した。
【0007】
したがって、本発明によれば、
式(1):
【0008】
【化4】


【0009】
で表されるピルビニウムまたはその製薬学的に許容される無機もしくは有機酸の塩を内包した高分子ミセルを有効成分とする抗癌剤が提供される。
【0010】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の抗腫瘍剤または抗癌剤とは異なる化学構造を有し、しかも注射剤(点滴およびボーラス用を包含する。)として有用な抗癌剤が提供できる。

(中略)

【0025】
こうして得られる本発明の抗癌剤は、癌細胞が飢餓状態を生き延びるという性質を剥奪する作用を有しており、in vitro および in vivo の両方で腫瘍の増殖を抑制する。また、飢餓状態においてプロテインキナーゼB/Aktのリン酸化を抑制する(すなわち、PKB/Aktの活性化を阻止する。)。
【0026】
より具体的には、ピルビニウムの塩、特に、ピルビニウム、パモ酸のクロロホルム、DMSO、メタノール等による可溶化液は各種癌細胞株、例えば、胃癌細胞(MKN45)、膵癌細胞株(PANC−1、K−3、AsPc−1)、肝癌細胞株(Hep G2)、の培養細胞に対し、1μg/mlの濃度で殺細胞効果が認められている。さらに、該ピルビニウムの塩を内包した高分子ミセルは、上記のような有機溶媒を用いることなく例えば、滅菌水中で可溶化される。こうして可溶化された溶液は、特に、注射剤として有用である。

(中略)
------------------------------------------------------------
【出願人】 【識別番号】597144679
【氏名又は名称】ナノキャリア株式会社
【出願日】 平成15年7月8日(2003.7.8)
【代理人】 【識別番号】100060782
【弁理士】
【氏名又は名称】小田島 平吉

【識別番号】100094293
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 幸喜

【公開番号】 特開2005−29480(P2005−29480A)
【公開日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願番号】 特願2003−193840(P2003−193840)

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