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脂肪の多い食べ物で記憶力アップ?(カリフォルニア大学での研究成果)
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http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=43690853&expand
(ナショナルジオグラフィック)
脂肪の多い食べ物で記憶力アップ?
Ker Than
for National Geographic News
April 28, 2009
最近どうも忘れっぽいという人は、脂肪分の多いものを食べるとよいかもしれない。ラットを用いた新しい研究によると、特定の脂肪を消化するときに放出されるホルモンが長期記憶の形成を引き起こすという。
研究チームは、オレイルエタノールアミド(OEA)という小腸で生成される化合物(脂肪酸の一種)をラットに投与して2種類の活動を行わせたところ、記憶力が向上することを発見した。OEAによって活性化される脂肪受容体をブロックすると、ラットの成績は低下したという。
研究チームのメンバーであるカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の神経科学者ダニエル・ピオメリ氏は、「今回はラットの研究だったが、OEAの効果は人間など他の動物でも同様だろう」と話す。
OEAの記憶を強化する働きは、動物が脂肪の多い食べ物を食べたときに、後でそこに戻って来られるように場所や時間を記憶するために発達したのだろうと研究チームは推測している。
脂肪は生物のさまざまな機能と構造に欠かせないものだ。現代の人間の食事は脂肪が豊富になっているが、実際のところ、脂肪の多い食べ物は自然界ではまれである。
「脂肪が集まっている場所や状況に関する記憶を強化するシステムが、自然界で発達したことは理にかなっている」と、ピオメリ氏はナショナル ジオグラフィックニュースに語った。
ピオメリ氏は記憶力を向上させようとファストフードを大食いすることは勧めていないが、一般に、朝食や10時のおやつを食べる子どもは学校での成績が良い。このようなケースも、今回の発見で説明できるかもしれない。
「研究から推測すると、成績の良い子どもたちはよく学んでいるというよりは、よく覚えているためだと考えられる」。
科学者たちは将来、記憶力を向上させたり、記憶に影響を与える病気を治療したりするために、OEAやOEAに似た化合物を薬として使用する可能性がある。
「たとえば、OEAによって活性化する受容体を薬を使って刺激したり、記憶力向上効果を引き出すのに十分なOEAを生成する栄養素を与えたり、といったアイデアが考えられる」とピオメリ氏は述べている。
今回の研究は「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌の今週号に掲載されている。
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