★阿修羅♪ > 国家破産66 > 886.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 米大統領の金融新規制案は「大きな前進」=スティグリッツ氏(ロイター) 投稿者 そのまんま西 日時 2010 年 1 月 23 日 00:26:04)
米金融行政に大転換 新規制案発表【読売】
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20100123-OYT8T00325.htm
銀行と証券に高い垣根
オバマ米大統領は21日、金融危機再発を防ぐため、金融機関に対して高リスク取引を制限したり経営規模の肥大化を防いだりする大幅な金融規制改革案を発表した。
実現すれば、銀行業務と証券業務の垣根を低くしてきた米金融行政の抜本的な転換となる。
オバマ大統領は改革をテコに支持率回復を目指すが、実現へのハードルは高い。
■ボルカー・ルール
オバマ大統領は21日の演説で、「簡明で常識に沿った今回の改革を、ボルカー・ルールと呼ぼう」と訴えた。
かたわらには、商業銀行業務とリスクの高い証券業務との分離を提唱してきたボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長がいた。
銀行業務と証券業務の兼業を禁止したグラス・スティーガル法が1999年に抜本的に見直されて以降、米金融機関は高リスクの取引で収益を上げてきた。
しかし、金融危機で大手金融機関の経営が揺らぎ、政府は預金者保護のために公的資金による救済に踏み切らざるを得なかった。
このため、新規制案では、特に商業銀行を対象にヘッジファンドへの出資などを禁じた。
禁止・制限されているのは、いずれも伝統的な融資業務で高い利ざやが取れなくなった銀行が力を入れてきた分野だ。
もうひとつの規制の柱は金融機関が抱える負債額を制限することだ。
金融機関の規模が大きくなり過ぎると、破綻(はたん)の際に金融システム全体を揺るがすため、「さらなる統合を防ぐ」(オバマ大統領)狙いがある。
■貸し渋り懸念も
ただ、規制案に対しては金融界などの反発が強い。
米ゴールドマン・サックス(GS)は、10〜12月期の営業収益の半分以上を自己勘定取引や投資業務が占めており、新規制が実現すれば収益力低下は必至だ。
GSのデイビッド・ビニアール最高財務責任者(CFO)は21日、「金融危機の主因は、自己勘定取引ではない」と反論した。
また、一部の大手が投資銀行業務の分離を求められるとの見方から、金融市場の活力が損なわれるという懸念も出ている。
米有力ロビー団体「金融サービス円卓会議」が「貸し渋りを引き起こし、金融システムの安定を損なう」との批判声明を出し、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙も「危機はすべて銀行が原因、との幻想を振りまいている」と批判した。
■審議難航は必至
オバマ大統領は、今回の規制案を議会で審議中の金融規制改革法案に盛り込むが、昨年中の可決・成立を目指していた同法案は審議難航で越年している。
新たな規制案の影響でさらなる審議の遅れは避けられそうにない。
民主党が金城湯池としてきたマサチューセッツ州での上院補選敗北で、政権の命運をかけた医療保険改革に黄信号がともり、オバマ大統領の求心力がさらに低下している。
金融危機責任税に続く「人気取り政策」には、「ウォール街を悪者にして大衆迎合に傾いている」との批判も根強く、国民の支持が得られるかどうかは不透明だ。
(ワシントン 岡田章裕、ニューヨーク 小谷野太郎)
◇
規制強化でメス
藤田哲雄・日本総合研究所主任研究員 デリバティブ(金融派生商品)など金融技術が複雑化・多様化する中で、規制の網をかいくぐって実質的に規制を無力化する動きが広がり、危機を招いた。
取引内容の範囲にまで踏み込んだ今回の抜本的な規制強化は、こうした実態にメスを入れる意義がある。
米国の銀行は、買収を繰り返して巨大化し、世界的な影響力も大きくなった。
大きくなりすぎると、いざという時に国全体がおかしくなるという認識のもと、適当な大きさに抑えるという考えは、おかしなものではない。
米国の金融規制は、世界の模範となる面もあり、他国でも同様の規制を採用する動きが出てくるだろう。
ただ、規制の抜け道を探る動きは今後も続くので、定期的な見直しが必要だ。(談)
(2010年1月23日 読売新聞)