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自律回復しない経済成長とは何か。
先頃G20にて、野田財務副大臣は、「日本経済は持ち直しつつあるが自律的成長に乏しい」と発言しまし
た。
経済は持ち直しつつあるが自律性に乏しい。私達はバブルの崩壊後何回このような主張を聞いただろうか。
なぜ日本経済は自律回復しなかったのか。それは見当違いな成長戦略がその原因である。またそれが大借金を作りデフレを深刻化させたのである。
またこのような間違った成長戦略を取らせようとする需給ギャップ論はデフレには通用しない理論でもある。
バブル崩壊後、日本政府は幾度となく、景気の下降をくい止めるため莫大な何兆円もの補正予算を組み、公共投資、低金利、補助金、構造改革費、新規雇用対策、新規事業の創設などを唱え実施してきたのです。
しかしながらそれらはデフレの前にことごとく失敗し、さらなる資産価値の低下と所得の低下をもたらし、莫大な借金をも作ったのでした。もう既に20年近くになろうとしていますが、今なおこのような馬鹿げた成長戦略を取ろうとする成長亡者がたくさんいるのが現状です。
デフレにおいて成長戦略がなぜ自律的成長過程に乗せられないのでしょうか。
一言で言うとデフレの生産増加は所得の増加を招かないということです。
[デフレという消費不足のため、生産過剰になっている市場にさらに生産物を増やす政策を取っているからです。]
デフレは、消費不足の市場です。生産能力に比べ消費額が著しく減じた市場です。日本の場合、バブルの崩壊という土地資産価格と金融資産価格の崩壊により生じたのです。この崩壊が莫大な借金を作り、その返済のため市場の消費資金を奪ったのです。しかしながら、金融資産の大規模な崩壊は、生産能力をなんら減じる事なく、丸残りしました。
それ故消費額と生産能力の大きな不均衡が生じたのです。これが多くのデフレ現象を生じさせています。
このような消費が著しく不足した市場では、(デフレ所得線が支配する市場は)何もせずに放っておけば自動的に経済が縮小していきます。
経済が下降し始めると多くの新聞、テレビ、あるいは経済評論家が直ぐに警鐘を鳴らします。そうすると、政府は、彼らの要請に応えるため経済政策を実施します。日本の場合、赤字国債でもっぱら生産刺激策を取りました。
しかしデフレの場合この生産物の増加は、価格競争をより激烈化させ、付加価値が減じるばかりなのです。
財政出動した分だけ生産量を無理やり引き上げるため、その分価格競争の激化が生じ、付加価値を十分に生産物に乗せられないため、所得が生産量に見合った分だけ伸びません。
生産量が伸びているのににもかかわらず所得が追いつかず、消費が失速しているのです。それ故いつまで経っても経済は拡大再生産しないのです。
それどころか、税収が増えず、赤字で財政出動した借金がそのまま残るのです。
この状態が経済が成長しているが自律性に乏しいという表現で表されるのです。
このような成長戦略により国の借金が増えたのを見て、財政再建派が台頭し、再び予算の緊縮を始めます。
それがやがて生産刺激資金が枯渇すると同時に再び、生産量が縮小し経済が下降します。
再び下降をし始めた経済を見た評論家やメディヤは再び、経済刺激策を要請し、また同じように生産量の増大に励みます。
それが再び同じように消費が伸びる事なくしぼむのです。
これが自律的成長しない経済なのです。乏しいのではありません。この時、統計では実質GDPの成長率が名目GDPの成長率を上回り、その乖離が激しくなります。激しいほど無理やり生産量を増大させ、経済を消耗させているのです。
デフレにおいて実質GDPが伸びている間、景気が良くなっているかのように喧伝するが、実際は経済が成長しているのではなく、消耗しているのです。返って多くの借金を作っているのです。成長と言うこと自体が間違っているのです。(空吹かしの日本の経済成長参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html)
いざ凪を越えたと言われた2千2年から2千7年に渡る実質GDPの成長は、外需に大きく依存したものであり、内需を全く増やさず、低所得化させたことは
誰の目にも明らかでしょう。経済消耗の典型です。
日本は景気が下降するたびに補正予算や莫大な景気対策を実施してきました。資金の効果が現れている間は、実質GDPが成長しますが、枯渇したとたんに、景気が縮小するのです。
実質GDPの2%前後の成長で、名目GDPがそれより低い成長では借金が返せるわけがありません。
財政出動派と財政再建派が交互に無意味な主張をしデフレを深刻化させたのがこの20年です。
もう十数回繰り返したかも知れません。しかしもはやこれ以上繰り返せないところまできています。
デフレに対して何も考えず万歳攻撃をしても同じ結果が待っています。デフレでの生産量増加策に明日はないのです。
さらに悪いのは、最悪の狂気じみた人達(麻生前首相、亀井金融大臣等)は、これまでもう少しのところまで景気が戻ってきていたのに、そこで財政を優先して資金の注入をやめたから再び景気が下降したのだ、だから今度は止める事なくどんどん資金を注入し続けろというものです。
需給ギャップ論者に言わせるとそのギャップが1節では30兆ぐらいあるといいます。30兆を供給側に投下しても、あるいは100兆投下して、生産量を無理やりどんどん上げても、借金が増えるだけでいつまで経っても所得が増えません。
そのようなやり方をするとますます付加価値が少なくなって利益がなくなっていきます。日本の総人口が生産に従事しても、さらに低賃金の移民がいくら来ても、所得が増えないのです。永遠に朽ち果てるまで続くのです。(低金利の行き着く先はデフレ下の完全雇用参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html)
これがデフレの所得線の角度が45度以下に下がった所得線が支配する経済なのです。デフレにおいて生産量だけを引き上げる政策は無謀なものです。資金の大小にかかわりなく、所得が増えることはないのです。
日銀の低金利過剰金融緩和政策も同じです。景気が下降すれば、低金利にし、さらに金融緩和、し生産を刺激します。そして少しの空(から)成長します。
少しの空成長を見て、出口戦略を探ります。しかしもともとまともな成長ではないので、直ぐに景気は下降します。するとまた、「景気が下降したのは、確実に回復するまで低金利を続けなかったからだ」というようなのが現れ、再び低金利過剰金融緩和に戻ります。
デフレにおける低金利、過剰金融緩和は意味がなく無謀な政策に過ぎないにもかかわらず、また同じことを繰り返すのです。(http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html低金利はデフレに役だったか参照)
現在の白河日銀総裁は、再び低金利金融緩和をしています。反省や、分析、思考、がなく、自分たちが信望している経済理論が現状に一致しているか否かも関係ないようです。
私達の政府はこのような不毛な政策を繰り返して来たのです。自律的成長しない間違った成長戦略を取って来たのです。(偽装の経済成長をあばく参照http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/teraxBLG/blg-hiduke.html)
そのあげくに少子高齢化のため、中国がデフレを輸出するため、生産性が低いため、市場原理主義が行き過ぎたため、消費が増えないのは将来が不安のため、年金制度が将来不安を高めているなど、といって、自分たちの失敗を取り繕う有り様なのです。
単にデフレに完敗しているだけ。せっかくの政権交代にもかかわらず民主党自身が、財務省や、日銀、経済専門家、経営者、新聞などの要求に乗せられ、間違った方向へと舵を切りつつあるのが現状です。
デフレの正しい成長戦略である、消費者側への資金注入を速やかに、適正規模で、広範囲に断固として行う必要があるのです。(http://www.eonet.ne.jp/~hitokkotonusi/winningshothtml日本のウィニングショット参照)
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/