★阿修羅♪ > 国家破産66 > 853.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
善悪の問題ではない百貨店閉店数の増加(Klugview)
2010/01/20 (水) 17:08
1月20日付の日本経済新聞は、「百貨店閉鎖 最悪に迫る」という見出しとともに、今年閉鎖される百貨店の数が8店に達していることを報じています。記事によれば、今年の閉鎖が決まっている百貨店は、丸井今井室蘭店、松坂屋岡崎店のほか、伊勢丹、北陸地方の大和、福島市の中合の計8店だそうです。
年間でもっとも閉店が多かったのは、経営破たんした「そごう」が東京店など9店を閉めた2000年で、その時は11店が閉店となりました。今年(2010年)は、すでに計画されている8店に加え、松坂屋が名古屋店を閉鎖することが検討されており、もしかしたら2000年の閉店数(11店)を上回るかもしれません。
しかし、百貨店の店舗数は、1999年の311店をピークに、毎年3〜5店のペースで減少しています。しかも、現在のように景気が低迷し、デフレによって販売価格が弱含んでいる状況では、百貨店の閉店ペースが加速するのも不思議ではありません。
百貨店業界の方々には厳しい物言いになるかもしれませんが、特定の商品カテゴリーにおいて、豊富な品揃えを低価格で提供するカテゴリーキラーが、消費者ニーズをつかんでいる状況で、カテゴリー数は多いものの、品揃えはさほど多くなく、販売価格も比較的高めの百貨店が閉店を迫られるのは自然のことと思われます。
百貨店の店舗数が減少している、という事実に、あまり目新しいものはありませんが、新聞の見出しに「最悪」という表現があるのは興味深いことです。百貨店の閉店数が増えることは、百貨店に勤める方にとって職場の減少を意味するので「最悪」かもしれませんが、カテゴリーキラーにとっては、閉店後の跡地への出店チャンスが増えるため、「最良」といえるかもしれません。
百貨店業界に関係する業種も多いので、百貨店の閉店数が増えることは悪いことだ、と思われるかもしれませんが、そのような状況を招いたのは消費者です。仮に、消費者が百貨店の意義を見出しているのであれば、購買行動を通じて百貨店の営業が続くよう支援します。
百貨店の閉店数が増えることは、消費行動の結果であり、その結果に対する評価を「最悪」とする方もいれば、「最良」とする方もいるでしょうし、「どうでもいい」とする方もいるのが現実です。景気低迷を背景に様々な分野で企業倒産といった供給調整が生じていますが、それは新しい供給体制を構築するためのプロセスであり、そこに善悪はありません。経済厚生を低下させないためには、こうした供給調整に逆らうのではなく、供給調整に対応できる行動を常に取り続けることだと思います。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
1999年の日本国内の百貨店・店舗数はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
311店
http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/01/20/008087.php