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負債、過去最大の2兆3000億円=日航、会社更生法申請−政府全面支援で声明
経営再建中の日本航空と子会社2社は19日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、更生開始決定を受けた。3社合計の負債総額は約2兆3221億円と2000年に倒産した百貨店のそごう(グループ22社合計で約1兆8700億円)を上回り、事業会社の経営破綻(はたん)としては過去最大規模となる。戦後、日本の空に君臨してきた日航の破綻により、航空業界は大きな転換点を迎える。
更生法を申請したのは日本航空のほか、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルの3社。燃料の補給に必要な商取引債権やマイレージを保護して円滑な業務継続を図る。
更生法申請を踏まえ、官民が出資する企業再生支援機構は日航支援を即日決定。金融機関などに7000億円超の債権カットを要請し、100%減資を実施する方向。今回の事例では、金融機関の債権放棄額などをあらかじめ協議した上で更生法を申請する「プレパッケージ(事前調整)型」の手法を大企業で初めて適用した。
政府は直ちに、再生に向けた十分な資金確保など全面支援のほか、日航には安全運航に万全を期すよう強く要請する声明を発表した。
日航は更生法申請に先立って臨時取締役会を開き、西松遙社長を含む全取締役が経営責任を取って同日付で辞任した。新たな会長兼最高経営責任者(CEO)には稲盛和夫京セラ名誉会長が内定しており、稲盛氏の下で新経営陣の人選を急ぐ。
支援機構は日航再建のため3000億円の公的資金を出資する。機構は3年以内の日航再建を目指すが、航空需要が低迷する中で再び成長軌道に乗せられるかは予断を許さない。また機構が金融機関などに求める債権カットの中には政府系金融機関の保証分も含まれ、法的整理に伴い最大1000億円超の国民負担が生じる懸念もある。
日航は1951年の設立以降、ナショナル・フラッグ・キャリアーとして日本の空の足を担ってきた。しかし、今回の破綻は、民間企業が離島など不採算路線も含めた交通網を維持する枠組みが限界に達しつつあることを示しており、地方路線・空港の維持コストや存廃のあり方に関する議論のきっかけになりそうだ。
(2010/01/19-19:48)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2010011900427