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(回答先: トヨタの方が日本より安全という事実 債券市場で生じている大変革の中身 投稿者 gikou89 日時 2010 年 1 月 18 日 04:40:34)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100116-00000605-san-bus_all
“肉食系”の三井住友フィナンシャルグループ(FG)が、獲物を狙い牙を研いでいる。年明け早々に最大約8900億円の大規模増資を発表し、昨年7月の約8600億円と合わせ1兆7千億円超の巨額資金を調達する。大量の新株発行で1株当たりの価値が大きく目減りし、市場からは“ブーイング”も挙がるが、グローバル・プレーヤーになって株主に報いると強気だ。狙うは、アジア市場の開拓と悲願である銀行・証券融合への再挑戦だ。
■市場のブーイング
「ここで競争に負けてしまっては、結局、投資家にとっても、いいことにはならない」
三井住友FG幹部は、年度内に2回もの大型増資を行う異例の事態に、こう理解を求める。
増資に伴う普通株の新規発行は計約5億8千万株に上り、発行済み株数は14億株近くに増大。1株当たりの価値は2回の増資前に比べ3分の1程度にまで目減りする。
昨年来のメガバンクによる巨額増資ラッシュの背景には、金融危機を契機とした自己資本比率規制の強化がある。ただ、三井住友FGの場合、「最初の増資だけでも、2012年以降に段階的に実施される規制強化に十分に対応できた」(アナリスト)との見方が強い。
規制クリアは「グロバールな舞台へのパスポート」とメガバンク関係者は指摘する。だが、最低条件のパスポートを手にしただけでは戦えない。追加増資は成長市場に攻め入るための“軍資金”でもある。
■狙うはアジア市場
株主に報いることが絶対条件となる大切なお金を成長が見込めない国内にばかり投じていては意味がない。
「アジア戦略加速の資金が手に入った」。三井住友FG幹部は、狙った獲物を隠そうとしない。
2008年の銀行貸出残高は1990年比でインドが31倍、中国は26倍と急増している。2030年には世界の人口の53%、GDP(国内総生産)の48%をアジアが占めるとされ、貸出残高が縮小傾向にある日本とは対照的に、まだまだ成長が見込める。
アジアは欧米金融機関もしのぎを削る主戦場だが、三井住友FGは、アジアでまとめたシンジケートローン(協調融資)の実績が06〜08年まで3年連続で3位以内に食い込んでいる。
ここ数年、中国や韓国、ベトナムなどの大手銀行に相次いで出資するなど、地盤強化に余念がない。
最終的な狙いは、アジアに進出した日系企業を中心としたホールセール(法人向け)業務にとどまらず、現地でリテール(個人向け)業務を展開することにある。
広大で巨大な人口を抱える中国やインドでリテールを手掛けるには、現地の金融機関との連携が欠かせない。北山禎介社長は「さらなる提携を模索している」と、あくまで貪欲(どんよく)だ。
■悲願の銀・証融合
三井住友FGの成長戦略のもう一つの柱が、銀行・証券の一体化による総合金融サービスの提供だ。
昨年5月に、米シティグループから、約5千億円を投じて日興コーディアル証券などを買収。10年来のパートナーだった大和証券グループ本社に日興を合流させ、最大手の野村ホールディングスに迫る証券グループを形成。銀行と一体となり、1400兆円に上る個人金融資産を取り込む野望を描いた。
しかし、強引に主導権を握ろうとする三井住友FGの姿勢に大和証券が反発。「銀行と証券では文化が違う」(大和首脳)と、合弁事業を解消し、たもとを分かつことになった。
三井住友FGは、「意地でも銀・証融合を成功させる」(関係者)と闘志を燃やし、自力で日興を強化するための投資は惜しまない構えだ。
今回の増資では、20年来のパートナーである米ゴールドマン・サックス(GS)との資本関係も解消する。三井住友FGは日興買収に当たり、シティと業務提携することで合意しており、金融業界では「GSからシティに乗り換える」との観測も浮上している。
これに対し、三井住友FGは、「GSとの友好関係は維持し、投資銀行業務に強いGSと、金融グループを展開する補完的なパートナーがそろった」と、強調する。
欧米金融機関は一昨年秋の金融危機から立ち直りつつあり、国内のメガバンクは、規模や収益力でまだまだ見劣りする。
三井住友FGが、欧米勢と肩を並べるグローバル・プレーヤーへと一歩抜け出すことができるのか。まさに勝負の年となる。(滝川麻衣子)