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短期金利0.1％へ徐々に収れん、緩和後の日銀当座預金15兆円を維持 １月15日
（ブルームバーグ）：
短期金融市場では、日本銀行の資金供給オペやレポ（現金担保付債券貸借）、国庫短期証券（ＴＢ）などの金利が実質的な下限0.1％付近に収れんしてきた。追加緩和以降、日銀が当座預金残高を一定額以上に維持する金融調節を継続しているためだ。市場で資金調達に対する安心感が浸透している。
日銀が毎朝実施している国債買い現先オペでは、スポットネクスト物と１週間物の最低落札金利がいずれも日銀の定める下限0.10％に低下した。短いターム物や４カ月物の共通担保オペでも、最低金利が軒並み0.10％となった。
この日のＴＢ入札では、１年物の最高落札利回りが0.1291％と、量的緩和下にあった2006年１月（0.1042％）以来の低水準を記録。新発３カ月物が0.115％、１−２カ月物は0.105％前後と、翌日物のレポ金利とほとんど変わらない水準になっている。
東短リサーチの寺田寿明研究員は、「金利が下限に張り付きそうな雰囲気だ。市場機能を辛うじて維持しながら、当座預金は15兆円程度を下限に調節されている様子で、短期金利が上昇する芽はなくなりつつある」という。
12月の積み期間
昨年12月の追加緩和後の準備預金の積み期間（12月16日−１月15日）を通して日銀当座預金残高の推移を見ると、無担保コール翌日物の加重平均金利が誘導目標0.1％を下回った後半も、おおむね15兆円前後の残高を維持する金融調節が続いた。
国内大手金融機関の資金担当者は、これほど潤沢な資金を常に供給する必要はないと思うが、広義の量的緩和を表明している日銀としては、緩和前の12兆円前後を上回る15兆円前後が緩和を強化したといえる目線になっているのではないかと指摘する。
追加緩和策として導入された３カ月物の新型オペ（貸付利率0.1％）は目先のめど10兆円の半分となる４兆8000億円程度まで残高が積み上がった。レポ金利の上昇抑制として継続されている国債買い現先オペは1.6−4.6兆円と日々の供給額に幅があるが、期間の短い共通担保オペで補う形で資金供給量が維持されている。
国内大手銀行の短期商品ディーラーは、日銀の追加緩和の意図が市場参加者に伝わり、国債現先オペを一時的に減額しても調節姿勢を警戒する雰囲気はなくなってきたと指摘。むしろ、余剰資金を抱えた銀行は運用難に対する警戒意識を強め始めたという。
緩和長期化で運用難に
昨年12月の全国銀行の貸出残高が約４年ぶりのマイナスになる一方、都銀と地銀、第二地銀の実質預金と譲渡性預金（ＣＤ）は増加し、銀行の余剰資金が膨らんでいる。
東短リサーチの寺田氏によると、銀行などの投資家は「残存期間の短いＴＢから余資の消化を進め、３カ月物まで触手が伸びてきたため、ＴＢ市場全体の需給も締まってきた」と話す。
日銀は昨年12月の金融政策決定会合で、下落が続く消費者物価指数（コアＣＰＩ）について「委員会としてゼロ％以下のマイナスの値は許容していない」と表明。利上げができる状況になるまで現状の金融緩和を継続する姿勢だ。
国内大手行のディーラーは、円高一服や株価上昇でさらなる金融緩和観測は後退しているものの、市場は現状の緩和策が当面続くことを織り込んでおり、特に短期金融市場の投資家は苦難の年になるとの見方を示した。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aV_n7WG6v.Lk
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