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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu207.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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半年間で学生約60人を試験したが、「中学レベルの数学が出来ない
学生が多く不採用が続いた。リクルートスーツはりっぱだが頭は空っぽ。
2010年1月9日 土曜日
図2●低迷する日本の国際競争力ランキング
◆就活「生きる力」不足 1月6日 読売新聞
http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_10010603.htm
社員は8人だが技術力が自慢の煙突設計・工事メーカー「ツカサテック」(大阪市)は昨年6月、10年ぶりに大学新卒の技術社員を1人募った。でも内定者が出たのは12月。半年間で学生約60人を試験したが、「中学レベルの数学が出来ない学生が多く、不採用が続いた」という。
東海地方の自動車関連メーカーが新入社員に行っている「算数テスト」の成績は昨年、100点満点で平均50点を割った。
図面が読めない若手が増えたため、基礎学力を検証しようと、技術系の新人と50代社員にテストを試みたのは2007年のことだ。
結果はショッキングだった。小6〜中3程度の問題で、大学院卒が多い新人の平均は55点。高卒が多い50代より30点低かった。幹部は「コンピューターがいくら発達しても、簡単な計算も出来ないのではミスを起こす」と憂う。
「自ら学び考える本当の学力『生きる力』を育てる」
文部科学省はそう唱え、ゆとり教育を進めた。「生きる力」とは、基礎学力だけでなく思考力、意欲、コミュニケーション能力などを総合した力とされた。いま企業は、まさにそうした力の低下に直面している。
昨年、「日本能率協会マネジメントセンター」(東京)が企業の人事担当者573人に実施した複数回答の調査では、若手社員の問題点として、53%が「読み書きや考える力など基本能力の低下」を挙げた。さらに「主体性不足」(51%)、「コミュニケーション能力不足」(46%)と続いた。(後略)
◆このまま子どもが勉強しなくなると日本はもうおしまいだあ!(99/2/18) 和田秀樹
http://www.hidekiwada.com/essay/essay16.html
想像をはるかに超えた学力低下
最近いろいろと講演のお呼びがかかることが多くなってきたが、その中でいちばん私のこころをとらえたのが、日本数学会のワーキンググループからのお誘いであった。
彼らの話では、この10年くらいの日本の大学生の数学力の低下は、目を覆わんばかりのものだということだ。経済の講義をしようにも、高校レベルの数学が理解できる学生がろくにいない。超一流といわれる私立大学経済学部の学生の平均的な数学の学力レベルは中2か中3レベルだろうと嘆く教授もいた。
彼らの調査では超一流の私立大学の経済学部の入試に数学を選択しないで入学してきた学生たちのうち、中3で習う二次方程式が解けた学生はわずかに28%であった。ただし、入試で数学を選択した学生については、高校レベルの問題でもクリアできている。
確かに、受験生が受験に出ないことは勉強しないというのは、今に始まったことではない。しかし、彼らは超有名私大に合格するくらいの学力があり、各県を代表する名門高校を卒業しているのだ。その大多数が、高校レベルの数学はおろか、中学3年生で習うことすら答えられないのである。
これは数学に限ったことではないだろう。おそらく受験に出ない科目については、名門高校を卒業していても、身につけていると期待できないのが実状なのだろう。要するに、名門高校ですら教育機関として機能していない。そういう学校を卒業した彼らですら、受験科目以外は、中学生卒業レベルさえクリアできていないというのが現状なのである。(後略)
(私のコメント)
90年代からの長引く不況と日本の国際競争力の低下の原因は、政府の経済政策などの失敗だと考えてきましたが、それ以外にも日本人の労働者の質の低下に原因があるのではないだろうか? 就職氷河期とよく言われますが、若者たちに働く意欲や基礎的な知識が欠けているから企業が求めている人材がいなくて、就職内定率が落ちているのではないだろうか?
読売新聞の記事にもあるように、中学程度の算数が出来ない学生が多くて不採用が続いたという事ですが、現在の中学、高校、大学の教育の実態はどうなっているのだろうか? もちろん昔から勉強が出来ない学生は沢山いたが、高校、大学の入試などでふるいにかけられて来た。しかし現代では大学進学希望者は大学さえ選ばなければどんな馬鹿でも大学生になれる。
だから中学二年程度の算数が出来ない大学生が沢山出てもおかしくはない。マスコミでは詰め込み教育だの受験戦争だのと取り上げますが、それはほんの一部であり、現代の家庭学習の時間は、琉球新報の記事では高校生の61%が家庭で勉強する事は「ほとんど無い」そうです。
◆家庭学習6割「しない」 高校生はのんびり屋? 2007年4月28日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-23345-storytopic-7.html
県教育委員会は27日、県内小中高の児童生徒の生活調査の結果を発表した。平日に家庭で勉強する時間は、高校生の61・9%が「ほとんどない」と回答。学習塾や通信教育などでの勉強も86・7%が「してない」とした。
放課後は「友達と遊ぶ」が45・6%で最も多く、次いで「部活動」45・5%、「家でのんびりする」が40%と高かった。「勉強する」はわずか9%。学校以外ではあまり学習しない高校生の実態が浮き彫りになった。
調査は昨年11―12月に抽出で実施。県内の公立小中高の児童生徒(小5、中2、高2)に平日と休日の生活の様子を尋ね、1万2165人から回答を得た。
平日の家庭学習は小学生は「1時間くらい」が40・7%と最も多く、中学生は「1時間未満」が32・4%で最も多かった。放課後は小学生の52・8%が「友達と遊ぶ」、44・8%が「勉強をする」で、「家でのんびりする」は16・7%。中学生は「部活動」が68・2%で最多だった。
小学校から中学校、そして高校と進むにつれ、家でのんびりする割合が高くなっている。
仲村守和県教育長は「小中学校は宿題があるが高校生はほとんどない。リポートや家庭学習ができるよう教育活動を見直す必要がある」と話した。
放課後、学校以外で読書する時間が「ほとんどない」は、小学生で31・7%、中学生で38・6%、高校生で53・4%と学校段階が上がるにつれ短い傾向。県は学校での読書活動推進に取り組んでいるが、家庭へ浸透しきれていない状況も見える。
(私のコメント)
いったい現代の高校教育は何をやっているのだろうか? 教育そのものが崩壊してしまっているのだ。外部から見ても高校生の服装の乱れは酷くて、茶髪にピアスなどは当たり前で教育指導などが全く行なわれていない事が伺われる。現代の高校生にとって学校は遊びに行く所で勉強する所ではない。これでは中学校の算数レベルの問題ができない大学生がいてもおかしくは無い。
若い人の選挙離れが酷いのは、政治が全く分からないからであり、分からないから誰に投票していいかも分からない。だから投票に行かないと言う結果になるのだろう。文部省もいろいろ教育改革に取り組んではいるのでしょうが、学校の教師の質の低下が一番の問題だろう。しかし団塊の世代の教師が定年退職でいなくなりますが、学校教師の世代交代が上手く行くのだろうか?
このような状況を考えれば、新卒者の質的低下は企業の国際競争力の低下に結びついてもおかしくはない。90年代から企業は新卒者の採用を絞っていますが、それでも新入社員の学力の低下が著しいようだ。昔なら新入社員を企業内で再教育する時間がありましたが、今では即戦力が求められている。そこからはじき出された新卒者は派遣社員かフリーターになって行くしかない。
結局は教育が崩壊したから日本経済も崩壊してなかなか立ち直れないのだろう。中学の算数ができないようなエンジニアでは韓国や中国のエンジニアに負けて、技術競争力も落ちていってしまう。90年代半ばから国際競争力の落ち込みが顕著になったのですが、教育の崩壊から優秀なエンジニアの確保に失敗して韓国や中国に追い越される分野が増えていった。
◆沈むニッポン,国際競争力24位という現実からいかに脱却するのか 2007/09/11 浅見 直樹
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070820/279899/
これを具体的に数値化したデータがここにある。スイスの民間調査機関であるIMDの国際競争力ランキングである(図2)。IMDが調査を開始した1989年以降、1990年代半ばまで、日本と米国がトップの座を競い合ってきた。ところがこの十年、日本の地位が急落、調査対象である55カ国中、20位前後に甘んじている。2007年に発表された最新ランキング(該当PDFファイル)では前年から順位を落とし、中国にも抜かれて24位に下がった。長期間にわたって日本が高い評価を受けていた時代があるだけに、このところの凋落振りには目を覆うものがある。
(私のコメント)
もちろん経済成長は様々な要素が組み合わさってなされるものだから、一つをとってこれが原因だとは言えない。しかし冒頭の記事の技術系の会社が社員を募集しても、60人の応募があっても中学レベルの数学も解けない様では、若い人の能力レベルが落ちている事は明らかだ。私もネット上の若い人のブログやサイトなどを見てもエンタメ系のブログは質量共に豪華だが、政治や経済ブログなどでのレベルの低さを感じざるを得ない。
学校などでもよくキレル子の問題がありますが、街中でも些細な事で怒鳴り散らすキレル若者を見かけます。一つはエスカレーターで押したの押さないのといった事であり、一つは店先での店員の応対が悪いと怒鳴り散らしていた。私の考えでは学習能力の低下とキレル事とは深い関係があると思う。要するに馬鹿だからすぐにキレルのであり、押尾学のような目つきの若者が増えてきた。
根本的には家庭環境の悪化が子供の学力低下の原因にもなっているだろう。教育環境の悪化がさらに拍車をかけて、社会環境の悪化が日本の国際競争力を落とす原因になっている。90年代の半ばからそれらが一気に噴出してきているのだ。