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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu207.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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東京都心のオフィスビルの空室率が、8%を超えるのは5年10カ月
ぶり。企業が経費削減でオフィスを縮小する動きが続いている。
2010年1月8日 金曜日
東京都心の空室がまた増え始めた。
◆空きオフィス列島 東京苦戦、大阪・名古屋・福岡は最悪 1月8日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0108/TKY201001080097.html
不動産仲介の三鬼商事は、東京都心のオフィスビルの空室率が、12月末は前月末から0.11ポイント上昇し、8.09%になったと発表した。8%を超えるのは5年10カ月ぶり。企業が経費削減でオフィスを縮小する動きが続いていて、テナント誘致競争が激しくなっているという。
千代田、中央、港、新宿、渋谷の5区の集計。空室率は渋谷区の9.84%が最も高く、港、新宿区も9%を超えた。3.3平方メートルあたりの平均賃料は1万8978円で前年同月比14.46%下がった。
大阪都心のオフィスビルの空室面積が過去最大となった。景気低迷でオフィス需要が減少する一方、昨年1年間は新築ビルの供給ラッシュとなり募集面積が急増したためだ。
三鬼商事が7日発表した2009年12月末の大阪中心部のオフィスビルの空室面積は71万8600平方メートル。これまで過去最大だった同10月末(70万2200平方メートル)を更新した。
09年に完成した新築ビルによるオフィスの供給量は、バブル崩壊後で過去最大となる44万平方メートル。08年(23万平方メートル)の倍近かった。
12月末の平均空室率は10.34%。10%を超えたのは3カ月連続。平均賃料は坪(3.3平方メートル)当たり1万2431円で、03年末の水準を千円近く下回った。
不動産仲介のビルディング企画によると、新築ビルでは10カ月から1年程度、賃料を無料にするケースが出てきているという。
三鬼商事は、昨年12月末の名古屋市中心部のオフィスビルの平均空室率が前月末より0.24ポイント上昇し、12.58%になったと発表した。景気低迷でオフィス需要が低迷。空室率は4カ月連続で上昇し、単月では過去最高。東京の8.09%、大阪の10.34%よりも高い。
昨年は1年間で19棟が新築され、空室率を押し上げた。新ビルは空室率が平均46.45%で、8割程度より多く埋まったビルは4棟だった。
三鬼商事福岡支店の調べでは、JR博多駅や福岡・天神周辺にあるオフィスビルの昨年末の空室率は前年末より4.39ポイント多い15.38%だった。統計が残る1990年以降では2003年末の11.59%を上回り、年末時点で最悪になった。福岡市は11年春の九州新幹線・鹿児島ルートの全線開通を控えるが、不況が企業の福岡進出にブレーキをかけている。
特に空室が目立ったのは新築ビルだ。昨年完成した13棟の空室率は43.17%、08年に完成した15棟の空室率は44.47%だった。
いずれも福岡進出の企業を当て込んで数年前に計画されたビルで、これらの完成で福岡市中心部の貸しビル全体の延べ床面積は約1割増えた。しかし、08年以降の不況で進出をやめる企業が相次いだ。
◆12月オフィス空室率、4カ月連続上昇−不動産指数が急落 1月7日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aaQqsxhUkquY
1月7日(ブルームバーグ):オフィス賃貸仲介業の三鬼商事が7日発表した2009年12月末のオフィス空室状況によると、東京・千代田区など都心5区の平均空室率は8.09%と、前年同月比3.37ポイントの上昇となった。上昇は4カ月連続。
空室率の上昇を受けて、TOPIX不動産指数は午前の取引終了直前に、一転して下落となった。午前終値は前日比2.03ポイント(0.2%)安の839.14ポイント。
午前の取引で上昇基調にあった三菱地所と住友不動産の株価は午前の取引終了直前に急落。午前終値は三菱地所株が前日比15円(1%)安の1519円、住友不動産株は同15円(0.8%)安の1798円となった。
新生証券の松本康宏シニアアナリストは「不動産株が下落に転じたのは空室率の上昇というファンダメンタルズの悪化を懸念したためだ」と指摘。「空室率は今後も小幅ながら上昇が続くと予想している」と語った。
三菱地所の株価
(私のコメント)
一昨年のリーマンショックで、外資系の金融機関の東京撤退が相次いでいる。2007年ごろは東京も世界のバブル景気が及んできて、超高級マンションなどの需要も増えましたが、都心の高級オフィスビルや高級マンションの空き室が目立ち始めました。私のオフィスビルも去年は2フロアも空室が出て、冷や汗をかきましたが、オフィスビルから店舗ビルに切り替えていく事でテナントに店舗が入るようになりました。
オフィスビルとして設計したので、店舗に改装するには電気からガスから水道に至るまで、飲食店は大量に使うので配管工事などが大変だった。電気も大容量に切り替えるのでキュービクルのトランスなども切り替え工事をした。オフィスとして貸す方が貸しビル経営としては楽なのですが、設備投資をすることで店舗ビルとして経営を切り替えた。
ビルを建てて20年も経つので設備の更新もあちこち出来てきます。エレベーターのケーブル交換やベアリングの交換などもしました。そろそろ外壁の塗装工事もしなければならないのですが、塗装屋に見積もりを取ってみたら600万円もかかることで延期しました。最近では外断熱塗料ができて、それに塗り替えると空調なども電気代が安くなるそうです。
このように貸しビル経営は、メンテナンスに費用がかかり、費用をかけていかないとテナントが集まらなくなります。設備更新費用は自己資金や銀行から借り入れなければなりませんが、入るテナント料は借金の返済やメンテナンス費用にみんな消えていきます。だから貸しビル経営は大変なのですが超低金利で何とか助かっています。
私のビルの前のビルも12月に2フロアが空いて空室になりましたが、近所のビルもテナント募集広告が目立つようになりました。やはりオフィスの空室はなかなか埋まらないようです。私のところは立地条件がいいので店舗が入って埋まりましたが、それでも空室が出れば風俗店なども入れるしかないかもしれません。
通りの並びはすっかり飲食店街となり、コンビニと飲食店がほとんどでホテルなどもあります。このような状況だからテナントの賃料がじりじりと下がり続けて、朝日新聞の記事では空室率が8%を越えたそうですが、オフィスだと坪1万円台ではきびしいだろう。場合によってはフリーレントで貸している所もあるようです。エレベーターの付いていない古いビルはテナント料を下げても入らなくなりました。
このように不動産賃貸業は景気の影響をもろに受ける産業であり、株価との連動性が高い。以前なら不況下の株高で金融が緩和すれば株高になったのですが、今では銀行も国債ばかり買うようになって株を買わなくなった。だから不況下の債券高で超低金利が続いている。もし銀行が株を買うようになれば不況下の株高も復活すると思うのですが、株高が景気を刺激してカネの回りが良くなるだろう。
朝日新聞の記事によれば地方都市のビルの空室率が上がっているようですが、高速道路や新幹線がどんどん作られて地方都市は支店の必要が無くなって企業の支店需要が消えていっている。長野や仙台は東京からの日帰り圏となり地方都市にカネが落ちなくなってしまった。観光も日帰り客が多くなりホテルや旅館も経営がきびしくなってきている。
私なら今ならとてもビルを建てる気にはなりませんが、東京にしても地方にしてもどうして今ビルを建てるのだろうか? 建設業者も公共工事が減って民間のビル建設工事くらいしか仕事がなくなって来ている。だから建設単価を落としてでもビル建設の仕事をしなければならない。だから不況だろうとドンドンビルが建てられる。しかし完成してもテナントは半分しか埋まらない。
私の近くでも超高層マンションが幾つも建てられましたが、人の出入りは少なくまるで幽霊屋敷のようだ。完成して1年以上が経っても夜になって明かりが点る部屋は少ない。多くが投機目的でマンションを買った人が多いからだろう。以前ならワンルームマンションが投資対象になりましたが、学生や若い人の需要が少なくなってワンルームマンションは投資対象にならなくなった。
ブルームバーグの記事にあるように三菱地所は不動産の指標株ですが、2007年がバブルであった事がよく分かります。日本は相変わらずの超低金利で不況だったのですが、外人投資家の投資が日本にも殺到してミニバブルが発生した。このようにバブルは政府日銀のせいではなく海外からの投資が殺到すればバブルになってしまう。しかし世界の投機資金を止める手段は無いから政府がバブルを止める事は不可能に近いだろう。
世界的に見れば去年はドバイバブルが破裂して、東ヨーロッパも破綻しそうな国が出始めている。これらの海外の投機マネーが押し寄せて去っていったからですが、これらの投機マネーを規制できないものだろうか。中国はまさに巨大なドバイのようなものであり、上海万博が終われば世界の投機資金も去っていくだろう。そうなると上海などの超高層ビル群は廃墟になる可能性が高い。
中低層マンションなら家賃を下げれば入居者やテナントは付きますが、超高層マンションは維持管理費が高いから家賃を下げるに下げられない。中国は停電も多くて電気が止まれば超高層マンションは住めなくなる。そうなると中国は不良債権の爆発的な増大に苦しむ事になるだろう。今はバブル景気に沸いていますが、自動車の販売台数でもそれが分かる。
日本では若者の自動車離れが進んでいますが、若者は車もマンションも買えなくなっている。職業さえ選ばなければ仕事はあるのですが若者たちは3Kの仕事はやりたがらない。空調の効いたオフィスビルで背広を着た仕事を探してもそれは無いだろう。東京でもオフィスビルの空室率が8%を越えた事はそれだけ仕事が減ったという事だ。