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2千10年の予算の評価と経済状況
結論から言うと、一年を通じて下降沈滞が続くであろう。誰でもが予想する結論でしょう。
というのは今の日本経済は、企業や産業がいくら頑張っても泥沼に陥るだけのデフレであり、デフレは政府の介入がなければ救えない市場だからです。それ故予算が重要な役割を演じます。その予算を評価した結果が、1年を通じて下降そして横ばいの沈滞ということです。
1、国内市場は、3月までデフレスパイラル状況が続き、4月以降の子供手当の支給は、非常に判断が難しいところだが、下降から横ばいへと移行させるかもしれない。
消費者へのわずかな資金の不公平な投入であっても、日本のデフレには干天の慈雨になる。それほど日本経済の内容が悪いと言えよう。
2、輸出は、G20の主導により、低金利や各国の輸出政策が、国内の保護的動きを強め、生産過剰から、低迷を余儀無くされるだろう。欧米への輸出は低迷、新興国市場への開拓がカギを握るであろう。それでもリーマンショック以前のような回復は望めない。
欧米の実体経済の低迷が消費を2千10年も押さえ、輸出が伸び悩むからである。
3、予算の公共投資の削減が実質GDPの成長を鈍化させ、名目GDPとの乖離が縮小する。これは日本経済の収支の赤字がすくなくなることを意味する。
これは良いことであり、デフレ解消の消極的な方法が効果を見せるであろう。
しかし生産量の低下は実質GDPを鈍化させるため、新聞などのメディヤ、経済専門家によるけたたましい成長要請があらゆる所で語られキャンペーンを張られることになる。
4、来年(2千10年)後半すなわち9月以降、新聞などに主導された世論に対し民主党政権がどのように決断するかで日本の命運が決まろう。
それは経済政策に関するもので、再び補正予算を組むような事が有った場合、
1、従来型の生産量を伸ばす方向に向かうのか
2、はたまた消費者の懐を潤わせる方向に向かうのか3、消費税を上げる方向に向かうのか。
この選択である。
2を取れば正解であり、日本はデフレ解消に向かう可能性が出てこよう。1の選択は借金を1千兆円を越えさせるものであり、ほどなく日本はデフォルトしよう。3の選択は、それを実施した瞬間に突然死を起こすだろう。
2千10年の日本経済は、デフレの渦中に有り、デフレは放っておけば、自動的に縮小していくものである。市場原理に任せてはいけないのがデフレ市場である。
それ故政府が積極的に介入し消費を増やす環境を作らなければならない。
民主党の予算案は、今年1年のスパンで見れば40点ぐらいであろう、しかし2年として見ることが許されるなら60点を付けることができる。
前政権の常軌を逸した14兆円の財政出動の影響が大きく残っているためまともな予算が組めなかったからである。
今回の予算案は全体では、公共投資が大きく削られ、子供手当という消費者側への資金注入がわずかながらも不公平になされる。
生産量の抑制が明らかである。その結果消極的なデフレ解消策になっているのである。
デフレは所得線の角度が45度以下に下がった所得線が支配する市場である。それ故これを上昇させなければデフレを解消させることはできない。
この角度の上昇させるやり方には2つの方法がある。積極的には、資金を消費者側に注入し市場への資金を増やす方法である。もう一つは、消極的方法に、生産量を抑制する方法である。
デフレは、消費不足であるため、価格競争から生産物が普通より多く作られる傾向にある。それ故に生産量を減じることは、付加価値を増やし、価格を上昇させる方向に働くことになり、採算が合ってくる。
(http://www.eonet.ne.jp/hitokotonusi,デフレ・インフレの一般理論参照)
このやり方は全体の経済の実質GDPの成長率を低下させ、名目GDPの成長率をそれに合わせる働きをもちます。今年の予算から見る日本の経済は、このような実質GDPの成長率の低下とそれにほぼ一致した名目GDPの動きが後半に現れてくると思われます。
内閣府の統計から:
2千5年度
名目GDP503、2兆円、実質GDP540兆円
2千6年度
名目GDP510、9兆円、実質GDP552、5兆円
2千7年度
名目GDP515、7兆円、実質GDP562、4兆円
2千8年度
名目GDP494、2兆円、実質GDP541、5兆円
この統計から見て取れるように、デフレでは名実逆転し名目と実質の乖離が激しいほど、赤字幅大きくなって借金が増えることが分かります。補正予算を組んで生産量を増やすほど赤字が増えるのです。
今年(2千10年)の予算では、この実質と名目の乖離が小さくなり、実質GDPが名目に近づきます。
これは悪いことではなく名目GDPに実質GDPが一致すれば採算が取れ、経常の予算のマイナスがなくなります。このような過程はデフレ解消の一つの通過点です。しかし私はこのような消極的なデフレ解消法には疑問をもっています。
実際の実質GDPの成長率がどのくらいかは専門的な調査機関をもっている訳ではないので言えませんが、0%台だと思っています。
このような消極的な政策は、1企業であれば、採算が取れてくるため容認できますが、国全体では、かなり大きな鈍化となり、淘汰となって現れるため疑問です。
やはり消費者への積極的な資金注入、すなわち、ガソリン税の低減や、高速代金の3割負担で即日実施、消費税の低減などを一緒にすべきだったと思います。それが所得を伸長させ、消費額の増量に応じた生産額を生じさせるからです。
しかし今年はできなかったので来年以降確実に実施してもらいたいものです。
しかし其処には大問題があります。あるいは生じてくるでしょう。あやふやな民主党の政策と新聞、メディヤ、専門家の激しい逆襲です。
民主党の経済政策が非常にあやふやなことです。経済政策が、ごちゃまぜになっていることです。消費者の懐を豊かにする政策と、旧来の生産刺激策の両刀使いになっていることです。
デフレにおける所得伸長政策は、子供手当や、ガソリン価格の低減、高速代金の低減、消費税の低減、最低賃金の国による所得補償、預金金利の引き上げ、雇用保険の満額支給や雇用保険期間の延長、等です。
これは資金を縦線に沿って増やし、所得線の角度を上昇させる方向に働きます。
これに対して旧来の間違ったデフレ解消策は、生産力刺激策です。
低金利であり、高速道の建設、整備新幹線の着工、学校の耐震化工事などの公共投資であり、雇用助成金や調整金という名の補助金、新規事業開拓資金、構造改革への補助金、などです。
これは生産量を横線に沿って増やし、角度を下げる方向に働きます。
デフレはまず1年の採算を取り均衡させることが大事です。中長期的な成長戦略など必要ありません。何十兆の需給ギャプなど関係ありません。
しかし、民主党は一方で子供手当を取りながら、また公共投資を削りながら、低金利策を遂行しています。
雇用促進のため雇用助成金を出しています。また新規事業として自民党のまね事である太陽光発電などに特化しようとしています。
このようなものが採算が取れるまでに日本は破綻してしまうでしょう。雇用創出も名目GDPが増えるように消費者側に資金を投入しなければワーキングプアになるだけです。
今年1年は、このような旧来型の間違った成長戦略と正しい所得伸長政策がせめぎ合うことでしょう。しかし5主要新聞の激しい旧来型の成長戦略が幅を利かし、民主党の個人の懐を豊かにする政策をないがしろにする可能性が高いでしょう。
五主要新聞の度の過ぎた補正予算による間違った成長戦略が、この20年間に、名実のGDPの激しい乖離を生み、借金を大幅に増やしたことを彼らに認識させることが必要です。
またこのような成長戦略が明らかにデフレを促進させたということを大衆に認識させなければなりません。
「1990年代の名目GDP約500兆円のまま20年が経ちました。その間何度も補正予算を組み実質GDPを成長させたのです。しかしその補正予算の効果がなくなると再び、500兆円戻ってしまうのです。
この名実GDPの統計を見ることにより、デフレでは明らかに消費額を増やさなければ成長しないことが分かるでしょう。
デフレでは、消費額に生産額が一致するものです。消費額の減少に伴い生産額もそれに応じて少なくなるのです。生産量が増えても低価格になり生産額は消費額に一致します。」
今年1年、下降沈滞です。そして経済政策は混迷を深めます。
9月には重要な政策選択の岐路がやってきます。
これをお読みの皆さんもそれに備えてください。その岐路を度のように選択させるのか、その選択をさせる為に何をするのか、あなたが選ばなければなりません。
私のすることは日本をデフレから救う正しい政策を選択するよう書き広めるだけです。
ご賛同の方があればご一緒に広めていきましょう。
[余談:私は零細企業の経営者です。実際に消極的なデフレ解消策を取りました。ちょうど2千3年頃です。それまで年間5百万程度の赤字が続いていました。しかし競争しないこと、生産しないことを心掛け、赤字が百万程度になり、その結果黒字化に成功しました。
1企業がこのような政策を取ることは問題ないと思いますが、しかし国として、国全体でこのような政策を取ることには大きな疑問をもちます。それがガソリン価格の低減や高速代金の低減、消費税の減税などの積極的なデフレ解消策を強烈に推し進める理由です。
一言主
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/